住所変更登記が2026年4月に義務化！　注意点とポイントを解説

こんにちは。REDSエージェント、宅建士・宅建マイスターの髙坂美和です。いつもブログをお読みいただき、ありがとうございます。今回は住所変更登記の義務化についてお話したいと思います。

2026年4月1日から施行される「住所変更登記の義務化」は、不動産所有者にとって重大な制度変更です。単なる手続きの追加ではなく、所有者不明土地問題の解消を目的とした国の本格的な対策であり、罰則も伴うため、正しい理解と早期対応が不可欠です。ここでは、不動産実務者の視点から、特に「気を付けるべきポイント」に焦点を当てて詳しく解説します。

（画像はイメージです）

登記名義人の住所と住民票の住所が一致しているか確認する

登記記録上の住所と住民票の住所が一致していない場合、登記手続きに支障が出ます。たとえば、登記簿上は「東京都豊島区」なのに、住民票は「神奈川県横浜市」になっている場合、同一人物と認識されず、売買や担保設定ができないことがあります。

〈対策〉

• 所有不動産の登記簿を確認し、現住所と一致しているかチェック。
• 引っ越し後に登記変更をしていない場合は、速やかに申請。

変更から2年以内に登記申請する必要がある

2026年4月1日以降、住所や氏名に変更があった場合は、変更日から2年以内に登記申請をしなければなりません。これを怠ると、最大5万円の過料が科される可能性があります。

〈注意点〉

• 過去の変更も対象。2026年以前に住所変更があった場合でも、2028年3月31日までに登記が必要。
• 「知らなかった」「忘れていた」は正当な理由にならない。

正当な理由がない限り、義務違反は過料の対象

法務局から催告を受けたにもかかわらず、正当な理由なく登記申請を怠った場合、過料が科されます。正当な理由として認められるのは、以下のようなケースです。

• 行政区画の変更による住所変更
• 重病や高齢などで申請が困難
• DV被害者などで住所を秘匿する必要がある
• 経済的困窮により費用負担が困難

〈NG例〉

• 「手続き方法がわからない」
• 「忙しくて時間がない」
• 「制度を知らなかった」

これらは正当な理由とは認められません。

必要書類の準備と申請方法

住所変更登記には以下の書類が必要です。

• 住民票の写し（住所変更を証明するもの）
• 登記申請書（法務局に提出）
• 登録免許税（1件につき1,000円）

〈ポイント〉

• 登記申請は不動産の所在地を管轄する法務局で行う。
• 複数の不動産を所有している場合、それぞれの登記が必要。
• 司法書士に依頼すれば、手続きがスムーズかつ確実。

スマート変更登記の活用

法務省は「スマート変更登記」という制度を導入しています。これは住民基本台帳ネットワークと法務局が連携し、登記名義人が事前に「検索用情報」を提供することで、住所変更を自動的に反映できる仕組みです。

〈メリット〉

• 手続きが簡素化され、登記漏れのリスクが減少。
• 無料で利用可能。
• 住民票や戸籍謄本の提出が不要になるケースも。

〈注意点〉

• 事前に申出をしていない場合は自動反映されない。
• 法務局の判断により、手動申請が必要な場合もある。

相続登記との関係性

2024年から相続登記も義務化されており、住所変更登記との連携が重要です。亡くなった所有者の住所が登記簿と異なる場合、相続登記の際に「同一人物であることの証明書類」が必要になります。

〈必要書類〉

• 住民票の除票
• 戸籍の附票

これらを用いて、登記簿上の住所から死亡時の住所までの変遷を証明する必要があります。

法人名義の不動産にも注意

法人の場合、商号変更や本店移転があった際にも住所変更登記が必要です。特に支店登記や複数物件を所有している企業は、変更漏れが起きやすいため、社内で登記管理体制を整えることが重要です。

〈対策〉

• 定期的に登記情報を確認。
• 変更があった場合は速やかに登記申請。
• 司法書士との顧問契約も有効。

まとめ：今すぐ確認・準備すべきこと

　
制度の理解と早期対応が、将来の不動産トラブルを防ぐ鍵です。登記情報の更新は、今後の不動産管理における「新常識」として定着するでしょう。司法書士への相談や、スマート変更登記の活用など、できることから始めてみてください。

最後に

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