お風呂は日本人にとって大切な場所。「在来風呂」と「ユニットバス」の選び方とは？

こんにちは。REDSリフォームの髙石です。ブログをご覧いただきありがとうございます。

今回はお風呂についてお話をします。

（写真はイメージです）

お風呂が日本人にとって特別な場所である理由

日本人にとって「お風呂」は、単なる身体を清潔にするための場所ではなく、心と体を癒やす特別な空間として、生活に深く根付いてきました。その背景を探ります。

精神的・宗教的な背景

• 神道と仏教の影響：古代の「禊（みそぎ）」や仏教の沐浴儀式が入浴文化の起源。水は穢れを祓う清浄なものとされてきました。
• 禅的な要素：湯に浸かることで集中とリラックスを同時に得られ、内省の時間としても機能します。

家庭での風呂文化

• 家族で湯船を共有：身体を洗ってから湯に浸かるという習慣があり、次の人のために湯の清潔さを保つ配慮が根付いています。
• 毎日の儀式：一日の終わりに入浴することで、心身のリセットを図る“日常の儀式”とされています。

歴史的な発展

• 古代〜江戸時代：寺院の湯屋から始まり、庶民の間にも銭湯文化が広がりました。江戸時代には「裸で語り合う」社交の場としても機能。
• 明治以降の近代化：西洋文化の影響で衛生意識が高まり、家庭風呂の普及が進みました。政府も「清潔＝美徳」として教育に取り入れました。

現代の再評価

• 銭湯・温泉の復活：若者の間で「デジタルデトックス」や地域コミュニティの再生の場として注目され、リノベーション銭湯が人気。
• 健康効果：医学的にも自律神経の調整やストレス緩和に効果があるとされ、科学的な裏付けも進んでいます。

このように、日本人のお風呂文化は「清潔」「癒やし」「つながり」「内省」といった多面的な価値を持ち、今もなお進化し続けています。

お風呂の種類

お風呂は「在来風呂（ざいらいぶろ）」と「ユニットバス」の2種類があります。

【在来風呂 vs ユニットバス】

　
それぞれのお風呂の特徴は以下のとおりです。

在来風呂

「在来風呂」とは、ユニットバスが普及する以前から使われていた従来型の浴室構造を指します。職人が現場でイチから造作するため、設計の自由度が高く、素材や仕上げにこだわることができます。

〈在来風呂の特徴〉

• 現場施工型：壁・床・浴槽などを個別に設置。防水処理や排水設計も職人の手作業。
• 素材の自由度：タイル、檜（ひのき）、石材など、好みに応じて選べる。
• デザイン性：空間設計が自由で、旅館風や和モダンなど個性を出しやすい。
• メンテナンス性：部分的な修理やリフォームが可能。

〈在来風呂の魅力と再評価〉

• 旅館や高級住宅で人気：檜風呂や石風呂など、自然素材の癒し効果が注目されている。
• リノベーション需要：古民家再生や和風住宅のリフォームで再び脚光を浴びる。
• サステナブルな選択：長く使える素材を選ぶことで環境負荷を減らす動きも。

ユニットバス

ユニットバスとは、浴槽・洗面台・トイレなどの水回り設備が一体化された構造のバスルームのことです。工場であらかじめ成形されたパーツを現場で組み立てる方式で、施工が早く、コストも抑えられるため、ホテルやマンション、アパートなどで広く採用されています。

一般的に「ユニットバス＝トイレと浴室が一緒」と思われがちですが、実際には「浴室が一体成型された構造」であることが定義であり、トイレが別のタイプも存在します。

〈ユニットバスの種類〉

ユニットバスには主に以下の3種類があります。

1. 3点ユニットバス
   浴槽・洗面台・トイレが一体となったタイプ。ホテルやワンルームマンションでよく見られます。スペース効率が高く、狭い空間でも水回りを完結できるのが特徴です。
2. 2点ユニットバス
   浴槽と洗面台が一体で、トイレは別。ファミリー向けのマンションなどで採用されることが多く、プライバシーや使い勝手の面で優れています。
3. 1点ユニットバス（バスユニット）
   浴槽のみがユニット化されているタイプ。洗面台やトイレは別に設置されており、戸建て住宅や高級マンションなどで見られます。

〈ユニットバスのメリット〉

1. 施工が早い
   工場で成型されたパーツを現場で組み立てるため、施工期間が短く済みます。リフォームにも適しています。
2. 防水性が高い
   継ぎ目が少なく、漏水のリスクが低い構造になっています。水回りのトラブルを防ぎやすいのが利点です。
3. 清掃が簡単
   素材が樹脂やステンレスなどでできており、汚れが付きにくく、掃除がしやすい設計になっています。
4. コストパフォーマンスが良い
   現場での作業が少ないため、人件費や材料費を抑えることができ、全体的なコストが安く済みます。

〈ユニットバスのデメリット〉

1. デザインの自由度が低い
   工場で成型されたパーツを使うため、オーダーメイドのような自由なデザインは難しいです。
2. 狭く感じることがある
   特に3点ユニットバスはスペースが限られているため、窮屈に感じる人もいます。
3. 湿気がこもりやすい
   一体型の構造ゆえに換気が不十分だと湿気がこもり、カビの原因になることがあります。

〈最近のユニットバスの進化〉

近年では、ユニットバスの機能性やデザイン性が大きく向上しています。以下のような進化が見られます。

• 浴室乾燥機や暖房機能の搭載
  冬場の寒さ対策や洗濯物の乾燥に便利です。
• バリアフリー設計
  段差のない床や手すりの設置など、高齢者や障がい者にも配慮された設計が増えています。
• 高級感のある素材やカラー
  木目調や石目調のパネルを使ったデザインで、ホテルライクな空間を演出することも可能です。

〈ユニットバスの選び方〉

ユニットバスを選ぶ際には、以下のポイントを考慮すると良いでしょう。

• 設置スペースの広さ
  間取りに応じて、1点・2点・3点ユニットを選ぶ必要があります。
• 使用目的
  賃貸物件か自宅か、家族構成などによって必要な機能が異なります。
• メンテナンス性
  掃除のしやすさや耐久性も重要なポイントです。
• 予算
  機能やデザインによって価格が大きく変わるため、予算とのバランスを考える必要があります。

ユニットバスは、効率的で機能的な水回り空間を提供する優れた設備です。特に都市部の住宅やホテルなどでは欠かせない存在となっています。最近ではデザイン性や快適性も向上しており、ライフスタイルに合わせた選択が可能です。

 

ここまでお読みいただきありがとうございました。