不動産売却における媒介契約とは？　注意点や報酬・違約金を徹底解説

REDSエージェント、宅建士の野渡です。以前のブログで、不動産の売却についてご説明し、その中で媒介契約というものが3種類存在することを申し上げました。

不動産売買を検討する際、媒介契約は非常に重要なステップです。媒介契約について「媒介とは」「契約するタイミング」「報酬・違約金」「契約期間」「契約の種類」「契約を結ぶ時の注意点」「どの種類の媒介契約を選ぶべきか」について簡単にご説明します。参考にしていただければ幸いです。

（写真はイメージです）

媒介とは

不動産の媒介とは、不動産の売買や賃貸の取引を円滑に進めるために、不動産会社（仲介業者）が売主や買主、貸主や借主の間に立ってサポートすることを指します。具体的には、以下のような業務を行います。

• 物件の査定：売却や賃貸を希望する物件の市場価値を評価します。
• 広告・宣伝：物件の情報を広く周知し、購入希望者や賃借希望者を募ります。
• 交渉：売主と買主、貸主と借主の間で価格や条件の交渉を行います。
• 契約手続き：売買契約や賃貸契約の書類作成や手続きをサポートします。
• アフターフォロー：契約後のトラブル対応や相談に応じます。

媒介契約を結ぶことで、不動産会社はこれらの業務を正式に行う権利と義務を持ち、取引がスムーズに進むようにサポートします。不動産の売買や賃貸は大きな取引ですので、専門知識を持つ不動産会社のサポートは非常に重要です。

契約するタイミング

媒介契約を結ぶタイミングは、不動産会社に不動産の売却を正式に依頼する際です。具体的には、物件の査定が完了し、売出価格や条件が決定した後に媒介契約を締結します。以下は一般的な不動産売却の流れです。

1. 不動産会社に売却の相談をする
2. 物件を査定してもらう
3. 売出価格を決定する
4. 媒介契約を締結する
5. 販売活動を行ってもらう
6. 売主・買主で売買契約を結ぶ
7. 残代金決済・物件引き渡しを行う

媒介契約を結ぶことで、不動産会社は正式に販売活動を開始し、売主や買主に対して適切なサポートを提供します。

報酬・違約金

媒介契約における報酬は、仲介手数料として請求されます。仲介手数料は成功報酬型であり、売買契約が成立した際に支払い義務が生じます。仲介手数料の上限は法律で定められており、取引額に応じて以下のように計算されます。

• 200万円以下：取引額の5％
• 200万円超から400万円以下：取引額の4％＋2万円
• 400万円超：取引額の3％＋6万円

※例えば、5,000万円の物件を売却する場合、仲介手数料は以下のようになります。さらにこれに消費税がかかります。

5,000万円×3％＋6万円＝156万円

違約金については、契約違反があった場合に発生することがあります。違約金の額は契約内容によりますが、一般的には仲介手数料と同額が請求されることが多いようです。

契約期間

媒介契約の期間は、契約の種類によって異なります。一般媒介契約には法律上の期間制限はありませんが、専任媒介契約と専属専任媒介契約には3カ月の上限が設けられています。契約期間中に売却が成立しなかった場合、契約を更新するか、他の不動産会社と新たに契約を結ぶことができます。

契約の種類

媒介契約には以下の3種類があります。

一般媒介契約

複数の不動産会社と契約でき、自己発見取引（自分で買主を見つけること）も可能です。報告義務やレインズへの登録義務はありません。

専任媒介契約

1社の不動産会社と契約し、自己発見取引も可能です。不動産会社は2週間に1回以上の報告義務があり、レインズへの登録義務もあります。

専属専任媒介契約

1社の不動産会社と契約し、自己発見取引はできません。不動産会社は1週間に1回以上の報告義務があり、レインズへの登録義務もあります。

それぞれの契約にはメリットとデメリットがあり、物件の特性や売主の希望に応じて選択することが重要です。

契約を結ぶ時の注意点

媒介契約を結ぶ際には、以下のポイントに注意することが重要です。

契約内容の確認

契約書に記載されている内容をしっかりと確認し、不明点があれば不動産会社に質問しましょう。特に報酬額や違約金の条件は重要です。

不動産会社の選定

信頼できる不動産会社を選ぶことが大切です。過去の実績や評判を確認し、複数の会社に査定書の作成を依頼するといいでしょう。

契約期間の設定

契約期間は物件の特性や市場状況に応じて適切に設定しましょう。短すぎると売却活動が十分に行えない可能性があり、長すぎると売却が遅れるリスクがあります。

報告義務の確認

専任媒介契約や専属専任媒介契約では、不動産会社からの報告義務があります。報告の頻度や方法を確認し、適切な情報を受け取れるようにしましょう。

レインズへの登録

専任媒介契約や専属専任媒介契約では、レインズへの登録が義務付けられています。登録が適切に行われているか確認しましょう。

媒介契約を結ぶ際には、これらのポイントをしっかりと確認し、納得のいく形で契約を進めることが大切です。不動産の売却や購入は大きな取引ですので、慎重に進めましょう。

どの種類の媒介契約を選ぶべきか

弊社REDSとしましては、専任媒介契約を選んだうえで、媒介契約を締結する不動産会社に「他の不動産会社が行う広告活動に協力すること」を約束させるのが最良と考えます。

そうすることが、市場原理を利用して「より良い条件の買主様」を「より早く見つける」方法ですので、詳しくご説明をお求めの方は、お気軽にお問い合わせください。

以上が、媒介契約について簡単にまとめたものとなります。実際には、上述のとおり不動産売却をする際に大きくかかわることになりますので、売却の際は、ぜひ参考にしていただき、安心・安全なご売却になることを祈念しております。