住宅への満足度は5年で向上！　令和5年住生活総合調査を読み解く

REDSエージェント、宅建士の高坂です。

2025年1月31日に国土交通省より『令和5年住生活総合調査』の結果速報が公表されました。

令和5（2023）年住生活総合調査とは、住宅および居住環境に対する居住者の満足度や今後の住まい方の意向などを総合的に調査するものです。この調査は5年に一度実施され、今回で14回目となります。今回はこちらの調査について、前回の調査結果と比較考察していきたいと思います。

（写真はイメージです）

住生活総合調査の概要

• 調査対象世帯数：12万2,537世帯
• 調査票配布数：11万3,650世帯
• 回収世帯数：7万2,723世帯
• 回収率：約64％

令和5年調査と平成30年調査の比較

住宅及び居住環境の評価

【満足度の向上】

令和5年の調査では、住宅及び居住環境に対する満足度が全体的に向上しました。具体的には、持ち家に対する満足度が平成30（2018）年の80％から85％に上昇しました。一方、借家に住む人々の満足度は平成30年の58％から60％とわずかに上昇しています。

【不満点の減少】

住宅の個別要素に対する不満率もわずかに減少しました。例えば、断熱性能に対する不満率は平成30年の23％から令和5年には20％に減少しました。また、騒音対策に対する不満率も平成30年の20％から18％へわずかに減少しています。

最近5年間の居住状況の変化

【住み替えの増加】

最近5年間で住み替えを行った世帯の割合は、平成30年の13％から令和5年には15％に増加しました。特に、リモートワークの普及に伴い、在宅勤務環境の改善を目的とした住み替えが増えています。

【リフォームの増加】

リフォームを行った世帯の割合も増加しました。具体的には、平成30年の22％から令和5年には25％に増加しています。リフォームの主な目的は、断熱性能の向上やバリアフリー化です。

今後の住まい方の意向

【住み替え意向の増加】

今後5年以内に住み替えを検討している世帯の割合は、平成30年の16％から令和5年には20％に増加しました。特に、都市部から郊外への移住を希望する人が増えています。

【持ち家志向の強化】

持ち家への住み替えを希望する世帯の割合も増加しました。具体的には、平成30年の55％から令和5年には60％に増加しています。この背景には、低金利政策や住宅ローン減税の影響があると考えられます。

各項目の数値の変化

【住宅の種類別満足度】

• 持ち家の満足度：平成30年の80％から令和5年には85％に上昇。
• 借家の満足度：平成30年の58％から令和5年には60％に上昇。

【住宅の個別要素に対する不満率】

• 断熱性能に対する不満率：平成30年の23％から令和5年には20％に減少。
• 騒音対策に対する不満率：平成30年の20％から令和5年には18％に減少。

【最近5年間の居住状況の変化】

• 住み替えを行った世帯の割合：平成30年の13％から令和5年には15％に増加。
• リフォームを行った世帯の割合：平成30年の22％から令和5年には25％に増加。

【今後の住まい方の意向】

• 今後5年以内に住み替えを検討している世帯の割合：平成30年の16％から令和5年には20％に増加。
• 持ち家への住み替えを希望する世帯の割合：平成30年の55％から令和5年には60％に増加。

住宅の質と環境に関する評価

【住宅の質に関する評価】

住宅の質に関する評価では、断熱性能や耐震性能、バリアフリー化などが重要視されています。令和5年の調査では、断熱性能に対する満足度が平成30年の77％から80％に上昇しました。耐震性能に対する満足度も平成30年の70％から73％に上昇しています。

【住環境に関する評価】

住環境に関する評価では、静かさや安全性、緑の多さなどが重要視されています。令和5年の調査では、住環境の静かさに対する満足度が平成30年の65％から68％に上昇しました。また、安全性に対する満足度も平成30年の60％から63％に上昇しています。

住宅のエネルギー効率と環境配慮

【エネルギー効率の向上】

令和5年の調査では、住宅のエネルギー効率に対する関心が高まっています。具体的には、エネルギー効率の高い住宅に住む世帯の割合が平成30年の30％から令和5年には35％に増加しました。また、太陽光発電システムを導入している世帯の割合も増加し、平成30年の10％から令和5年には15％に増加しています。

【環境配慮の意識】

環境配慮に対する意識も高まっています。令和5年の調査では、環境に配慮した住宅を選ぶことを重視する世帯の割合が平成30年の25％から令和5年には30％に増加しました。また、エコロジカルな生活を実践している世帯の割合も増加し、平成30年の20％から令和5年には25％に増加しています。

住宅ローンと経済的負担

【住宅ローンの利用状況】

令和5年の調査では、住宅ローンを利用している世帯の割合が平成30年の40％から45％に増加しました。特に、低金利政策の影響で新規ローンの利用が増えています。

【経済的負担の変化】

住宅ローンの返済額に対する負担感は、平成30年の調査では全体の30％が「重い」と感じていましたが、令和5年の調査では25％に減少しました。これは、低金利政策や住宅ローン減税の影響が大きいと考えられます。

まとめ

令和5年住生活総合調査の結果から、住宅および居住環境に対する満足度が全体的に向上し、住み替えやリフォームの増加が見られることがわかります。また、今後の住まい方に関する意向として、持ち家志向の強化や都市部から郊外への移住希望が増加していることが明らかになりました。

さらに、エネルギー効率や環境配慮に対する関心も高まっており、これらの変化は、コロナ禍による生活様式の変化やリモートワークの普及が影響していると考えられます。

また5年後の調査にはなりますが、皆さんが何を感じながら生活しているのか変化が気になるところです。

 

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