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公開日:2025年1月23日

建物の寿命と法定耐用年数との違いとは? 寿命を延ばす方法も解説

こんにちは、REDSエージェント、宅建士の野渡です。

日頃、不動産のご購入やご売却の検討をされているお客様とお話をさせていただいていると「マンションは築何年まで大丈夫なの?」「木造の戸建は築20年たったら、価値はゼロだよね?」などのご質問をよくいただきます。

そこで今回のブログでは「建物の寿命について」をテーマに書かせていただこうと思います。みなさまが不動産をご購入・ご売却される際の参考にしていただければ幸いです。

法定耐用年数

(写真はイメージです)

法定耐用年数とは

建物にはそれぞれの種類や構造に基づいて法定耐用年数というものが定められています。法定耐用年数は、税法上の減価償却資産としての建物の使用可能期間を指します。これは、税務上の計算に使用されるものであり、実際の建物の寿命とは必ずしも一致しません。

法定耐用年数は以下のとおりです。

  • 木造:22年
  • 軽量鉄骨プレハブ造(骨格材肉厚3mm以下):19年
  • 軽量鉄骨プレハブ造(骨格材肉厚3mm超4mm以下):27年
  • 重量鉄骨造(骨格材肉厚4mm超):34年
  • 鉄筋コンクリート造:47年

法定耐用年数が経過したらどのような影響があるのか

実際に法定耐用年数を経過すると大きく2つの影響があります。

1.住宅ローンなどの銀行融資の利用が難しくなる:法定耐用年数を経過している不動産を購入しようとする際に、住宅ローンなどの銀行融資の審査が厳しくなることがあり、融資利用が難しくなることがあります。

2.売却が難しくなる:法定耐用年数が経過していると、その建物の価値がゼロだと思い込んでいる購入検討者も多くいます。さらに上述したように融資利用が難しくなることもあり、売却が難しくなります。

建物の寿命は何に影響を受けるのか

建物の「寿命」は、実際に使用可能な期間を指します。これは「設計寿命」とも呼ばれ、建物が安全かつ機能的に使用できる期間を意味します。建物の寿命は、以下の要因によって影響を受けます。

  • 設計と施工の品質
  • 材料の選定
  • メンテナンスの有無
  • 適切な使用方法
  • 環境と立地

建物の長寿命化のためのポイント

上述の建物の寿命に影響を与える要因を考慮しますと、寿命を延ばすために必要なポイントは大きく以下の4つになります。

  • 定期点検とメンテナンス:建物の状態を定期的に点検し、必要な修繕を行うことで、劣化を防ぎます。
  • 適切な材料の選定:耐久性の高い材料を選ぶことで、建物の寿命を延ばすことができます。
  • 環境への配慮:建物の周囲の環境条件(湿度、温度、風など)を考慮した設計や施工を行うことが重要です。
  • 使用方法の見直し:建物の使用方法を見直し、過度な負荷を避けることで、寿命を延ばすことができます。

建物の寿命が到来したらどうなるのか

国土交通省の発表によると、鉄筋コンクリート造の建物の寿命は平均で68年とする調査があります。また、鉄筋コンクリート造の建物の寿命は推定117年ともいわれており、実際に海外には築100年を超えて居住されているマンションもあります。

実際に建物の寿命が到来すると、多くの人々にとって大きな決断を迫られることになります。建物の寿命は構造の劣化や設備の老朽化などによって決まり、適切なメンテナンスを行うことで寿命を延ばすことも可能です。ついに寿命が到来した、というときには以下のような対策を取りましょう。

リフォーム・リノベーション

建物の一部を改修することで、寿命を延ばすことができます。特に、基礎や構造部分がしっかりしている場合は、リフォームやリノベーションが有効です。これにより、住み慣れた環境を維持しつつ、最新の設備やデザインを取り入れることができます。古くなった配管や電気設備を最新のものに交換することで、安全性と快適性が向上します。また、断熱材の追加や窓の交換により、エネルギー効率を高めることも可能です。

建て替え

建物全体が老朽化している場合や、構造的な問題が深刻な場合は、建て替えを検討する必要があります。建て替えには多額の費用がかかりますが、最新の耐震基準や省エネ基準を満たすことができ、長期的にはメリットが大きいです。建て替えを行う際には、設計段階から自分の希望を反映させることができるため、理想の住まいを実現するチャンスでもあります。

売却

建物の寿命が到来した場合、地価が高い地域では売却を検討することも一つの方法です。古い建物を取り壊し、新しい建物を建てるための土地として売却することで、資金を得ることができます。特に都市部では、土地の需要が高いため、売却によって得られる利益が大きい場合があります。売却を検討する際には、信頼できる不動産業者に相談し、適切な価格設定や売却のタイミングを見極めることが重要です。

維持管理の強化

寿命が近づいている建物でも、適切な維持管理を行うことで、使用可能な期間を延ばすことができます。定期的な点検や修繕を行い、問題が発生した際には迅速に対応することが重要です。屋根や外壁の塗装を定期的に行うことで、雨漏りや劣化を防ぐことができます。また、配管や電気設備の点検を行い、必要に応じて交換することで、安全性を確保することができます。

専門家に相談

建物の寿命が到来した場合、まずは専門家に相談しましょう。建築士や不動産業者、リフォーム会社などの専門家は、最適な解決策を提案してくれるでしょう。専門家のアドバイスをもとに、最適な選択をすることができます。建築士は建物の構造的な問題を診断し、リフォームや建て替えの必要性を判断してくれるでしょう。また、不動産業者は市場の動向を踏まえた売却のアドバイスを提供してくれます。

まとめ

建物の寿命と法定耐用年数は異なることを理解していただけましたでしょうか。リフォームや建て替え、売却などで寿命を延ばすことはできますが、それぞれの方法にはメリットとデメリットがあるため、自分の状況や予算に応じて最適な方法を選ぶことが重要です。

専門家の意見を参考にしながら、慎重に判断しましょう。長期的な視点で考え、家族のライフスタイルや将来の計画に合った選択をすることが大切です。

 

この記事を執筆した
エージェントプロフィール

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野渡 行泰
(宅建士・リフォームスタイリスト)

「お客様第一」をモットーに努めてまいります。

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