日本テレビ系水曜ドラマ「家売るオンナの逆襲」は、天才不動産屋の三軒家万智(北川景子)の活躍を描く人気ドラマです。今回はどんな不動産ネタが出てくるのだろうと宅建士としては毎回、注目しています。今回は「働く女性」がテーマですが、彼女たちにはいったいどんな家がふさわしく、どうやって売ったのでしょうか。

 

赤ちゃんを預ける

(写真はイメージです)

 

不動産会社の社員は自社で家を買う?

 

万智の勤めるテーコー不動産は「輝く女性社員の活躍」をアピールするために「ウーマンプロジェクト」を立ち上げます。テーコー不動産は第4話で「働き方改革」に対応するために月間労働時間の短縮の試験導入を実施していました。ホワイト企業を目指している会社のようですね。

 

プロジェクトのメンバーには、万智のほかに、既婚者で子供は要らない主義でキャリア志向の朝倉雅美(佐藤江梨子)と、家庭・子育て重視で時短勤務中の宇佐美サキ(佐津川愛美)という、対照的な二人が選ばれました。まさに典型的なバリバリのキャリアウーマン「バリキャリ」と、ワーキングマザー「ワーママ」は、事あるごとに意見が対立し、不満を抱き合います。

 

雅美もサキも自分の家を探していました。サキは同期である足立(千葉雄大)の紹介で留守堂に家探しを相談しています。留守堂も、玄関前にベビーカー置き場があり、泥遊びで汚れた靴も洗える流しがあるような、子供に配慮した設備のあるマンションを紹介し、サキの全幅の信頼を得ています。一方の雅美は万智の仕事重視の姿勢に仲間意識を感じて、万智に家探しを依頼します。

 

ここで、「あれ、テーコー不動産に勤めるサキがなんで社外の留守堂にわざわざ家探しを頼むの? 同期の足立に頼めばいいじゃん?」と違和感を持つ方もいたのではないでしょうか。ドラマの中でもあったように「会社の人間に頼むとわがまま言えないし、物件が気に入らないときに気を遣う」という気持ちから、社外の人間に依頼することを決めたようですね。

 

ところで、実際の不動産会社やハウスメーカーなどの社員さんは、自分の家を買うときはどのようにしているのでしょうか? 筆者の周囲でそのあたりを聞いてみました。まず、自社物件の価格や仲介手数料について社員割引制度を導入しているところが多いようです。また、社員だけではなく、親戚や友人などの紹介キャンペーンなども定期的にあるそうです。これはもちろん、ノルマとして社員に無理強いしているわけではなく、あくまで福利厚生の一環ということですが、ホントのところどうなのでしょうか。なんとなく、会社側は社員に自社で家を購入するのは当然と考えているように思えます。

 

ただ、自社サービスを使うのは半数程度のようです。特典を利用できますし、どうせ持ち家になれば会社に届け出をする必要があるですから、後から面倒な言い訳を考える方が負担だという方も多いのかもしれません。

 

一方で外部に依頼する方も多いのは、自社物件だと土地や建材の仕入れ価格などのコストが分かってしまい、会社の利益分をリアルに感じてしまうのがおもしろくない、ということが原因のような気がします。あくまで筆者個人の感想ですけど。

 

まさか、最近ドキュメント番組「ガイアの夜明け」などで問題にされている手抜き工事の物件を、それを知っているに違いない社員が買うわけない、とかそんなことは言いませんとも。

 

同じ物件を取り合うとき、優先順位の決め方は? 

 

万智と留守堂は、偶然にも同じ物件をそれぞれに紹介してしまい、取り合いになります。馴染みの鍼灸院に近いという理由の雅美と、保育園に近く育児がしやすいと理由のサキは、譲ろうとはしません。

 

万智は抽選でどちらが買うかを決めることを提案します。しかし、得意のイカサマをしますがバレてしまい、留守堂の提案で、留守堂対万智のボウリング対決に。ドラマとしては、万智の個性豊かな投法や最終的な決着のハラハラ感など、コミカルでドラマティックな展開を楽しめたのですが、みなさん実際には、不動産の売買で購入希望が重なった場合は、どのように購入者を決めているのか気になりませんか?

 

新築マンションの募集など申し込みが販売戸数を上回ることが予想される場合は、あらかじめ抽選で決めることを明示していることが多いです。一方、入札方式を取り入れる場合もあります。これは購入希望価格を同時に入札して一番高い価格を付けた人に売却する方法です。ネゴが通用しない販売方法なので、従来は私的な取引では応札者がいないなど成立しづらい方法でした。しかし近年では、恣意的な条件が入るリスクを排除しやすいため、公正性を株主に求められる企業などが不動産を売却する際に採用するケースが増えています。

 

一般の中古住宅の販売では、抽選はもちろんボウリング対決で決定することなどありません。やはり、買付証明書による申し込みがされた順に条件交渉をして決定に至るのが一般的です。ただ、買付証明書の提出は「正式に購入の検討をする」という意思表示であり、契約の申込みとはみなされません。先着順なのはあくまで条件交渉の順にすぎなくて、他の人が契約をしてしまえば、権利を主張することはできません。

 

また、住宅ローンを利用して購入をしようとする場合は勝手が違ってきます。いくら購入の意思を示したところで、住宅ローンの仮審査が金融機関に承認されていなければ、売主は契約を締結しようとしないでしょう。住宅ローンの本審査が承認されなければ、売買契約はなかったことになるからです。購入希望は、基本的には申し込みの先着順ではありますが、住宅ローンを利用する場合は、仮審査を事前に通しておけば優先順位が上がる可能性があります。これ、重要です。

 

女性が輝くことが要求されるのではない、男性も女性も輝いている時代へ

 

ボウリング対決では、まさかの万智の勝利で購入権は雅美が勝ち取ります。それでも優先権を主張するサキに、万智は「育児を持ち出せば周りがひれ伏すと思うのは大間違い。本気で仕事と育児を両立しようとするならば、どこまで自分ができるかをもコントロールしなければならない」と、その甘えを一刀両断します。バリキャリは胸がすっとするようなたんかでした。

 

家を買えなかったサキを放っておく万智ではありません。後日、万智は、夫婦で育児や炊事を協力しやすいアイランドタイプのキッチンがあり、子供が駆け回っても苦情が来ない家をサキに紹介します。とはいえ、サキの職場や託児所からは遠く、サキの希望からはかけ離れています。なぜこんな家をとサキはいぶかしげに万智にたずねます。万智はご主人の職場からはわずか3分、託児所も職場に併設される予定で、職場までは平地でバギーの運行にも支障がないと説明。子供を送るのは父親にさせたらよいというのです。

 

万智はサキにこう告げます。「女性が輝くことが要求されるとはなんだ! これからは男性が仕事も家庭も輝けばいい! あなたはもう十分輝いている!」。子育てをすべて嫁さんに押し付けてきた世代の筆者は思わず涙してしまいました。本当のウーマンプロジェクトというのは、女性も男性も頑張って生活している人を認めることから始まるのかな、と考えさせられてしまいました。

 

今週のドラマは、万智とのすれ違いの不満を他に求め始めた夫の屋代課長(仲村トオル)の様子で終わりました。万智の生活を輝かせるのは屋代課長ではないのか? 家を売っても売らなくても、来週も面白そうです。

 

 

プロフィール
早坂 龍太(宅地建物取引士)
龍翔プランニング代表取締役。1964年生まれ。1987年北海道大学法学部卒業。石油元売会社勤務を経て、北海道で不動産の賃貸管理、売買・賃貸仲介、プランニング・コンサルティングを行う。

 

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