水曜連続ドラマ「家売るオンナの逆襲」第6話が日本テレビ系で2月13日に放映されました。天才不動産屋の三軒家万智(北川景子)が、家を売りまくるドラマです。謎のライバル留守堂謙治(松田翔太)が小学校からの同級生であったことが発覚し、万智への愛を告白したというのが前回までの展開です。

 

奇しくも放送日は聖バレンタインデー、愛ある告白が街にあふれる季節です。ドラマも現実もそんなロマンチックな時期だというのに、家を買いに来たお客様がW不倫の関係って、どうなんでしょう? 筆者としてはなんだか釈然としない気持ちを抱えてしまいましたが、これは単にひがんでいるだけなのか、自分でもわかりません。では、なるべく私情を捨てて、冷静に解説をしていくことにします。

 

窓際のカップル

(写真はイメージです)

 

風水は不動産会社にとっては営業妨害に等しい

 

留守堂の告白を盗み見ていた万智の夫の屋代(仲村トオル)はショックを隠せないままに、スーパーの店長である三郷楓(真飛聖)と知り合います。いかにも今後の展開に重要な伏線となりそうな登場です。

 

今回、万智と庭野(工藤阿須加)の客は、カリスマ美容師として夫妻で美容院を経営する八十多湊人(武田航平)とつぐみ(内山理名)のお二人です。万智は、風水によると美容院がもっと繁盛するのは間違いなし、というマンションを勧め、夫妻も購入する気になったようです。

 

しかし、内覧の後、湊人は別の女性の尾田まり(筧美和子)と仲良く手を取り歩いていきます。万智と庭野が夫妻それぞれから事情を聞いてみると、お互いの不倫を公認する「友達夫婦」だというのです。そうした彼らの価値観には、万智の職場であるテーコー不動産の面々も動揺を隠せません。

 

さて、今回、万智は風水のうんちくを語り、八十多夫妻に家を勧めています。私の体験からも、家選びの際に風水を気にする方は多いです。風水自体は昔から伝わる考え方ですし、専門のコンサルタントや風水協会なるものもあるようですから、そうした専門家に相談する需要があるのも理解できます。

 

風水には三合派・八宅派・三元派・玄空飛星派などさまざまな流派があり、中国古来の風水とは異なり、日本独自で発展した家の方位や間取りに特化した「家相学」があります。日本ではこの「家相学」で語られることも多いといわれています。そして、それぞれの流派によって、間取りや方位の吉兆は全く異なるそうです。なので、風水などしょせん「当たるも八卦、当たらぬも八卦」であり、大事な家を買う際の根拠にするには頼りなさすぎる、というのが筆者の結論です。

 

不動産屋からすると、せっかく顧客が気に入った物件に、風水から見てよくないからやめた方が良い、などというアドバイスは、根拠のない単なる営業妨害でしかありません。まあ、実際よくあるんですよね、占い師さんやお寺さんに聞いたらよくわかんないけど縁起悪いって言われたからやめるっていうパターンは。

 

契約前の重要事項説明はマジで重要

 

一方、留守堂は大学教授の尾田順平(橋爪淳)が新鮮味を失いかけた妻との関係を取り戻すための家を探してくれと持ちかけられます。

 

しかし、その妻は、湊人と不倫の関係の「まり」だったのでした。家の契約のためにテーコー不動産に訪れた湊人は、契約の前に行われる重要事項説明を庭野がしようとしたまさにそのとき、妻の不倫に気づいた順平に乗り込まれ、襲われてしまいます。幸い(?)庭野が殴られただけで事なきを得ましたが、家探しどころではない状況になってしまいました。

 

さて、万智がドラマのなかでも「宅建業法第35条によりご説明させていただきます」と堅苦しく説明していた、重要事項説明書とはいったいなんなのでしょうか。宅地建物取引士としてはとても大事なことなので、詳しく説明させていただきます。

 

不動産取引においては、一般的に高額な取引となるので、不測の損害やトラブルを防止するために、取引の当事者が取引対象の不動産や取引条件などについて十分に調査し、確認する必要があります。しかし、多くの方は、不動産の取引の経験はそう多くないのが通常であり、調査もままならず知識も多くないのが当たり前です。

 

そこで不動産取引について規定する宅地建物取引業法(宅建業法)では第35条で、「消費者保護」と「取引の安全」を目的として、宅地建物取引業者(免許を持っている不動産業者)が、売主であったり、代理や媒介を行ったりなど取引に関わる場合には、契約成立までに購入者などに対し、取引物件や条件、その他の重要な事項について、宅地建物取引士によって、書面を交付して、説明することを義務付けています。

 

重要事項の説明すべき項目も、最低限説明しなければならない項目として、14項目が定められています。また、重要事項の説明は、必ず宅地建物取引士が買主に取引士証を提示して説明することが義務付けられています。また書面の交付には、宅建業者および取引士の記名押印も義務付けられています。

 

これに違反すると重大な罰則がありますので、宅建士でない営業マンが重要事項説明を行うことや取引士証を提示しないなんてことは今どきないでしょうけど、家を買われるときはぜひ注意してみてください。

 

この重要事項説明は契約成立までに説明されなければいけません。逆に、ドラマにあったように重要事項説明を聞いたあとに契約に至らないという場合、買主には特にペナルティはありません。重要な事項を聞いていないのに契約をしてしまう、ということをなくすための制度ですから。重要事項の説明を受けたから必ず契約をしなければならないということではないのです。

 

W不倫カップルは同じマンションに。大丈夫かなあ

 

ドラマでは、万智はライバルであった留守堂を引きこみ、テーコー不動産の同僚と協力して順平とつぐみの出会いを何度も演出し、ついにロマンスに発展させてしまいます。通常、配偶者を持ったどうしの男女が交際することをW不倫といいますが、夫婦双方がお互いの配偶者と交際するとは、「W・W不倫」ですね。

 

万智と留守堂は、この2組の夫婦を引き合わせ、「こうした愛のカタチもありだ」としたうえで、「ホーム」として普段は従来どおりの夫婦が同じ家に住み人間として愛し、「エロス」はお互いの配偶者に異性としての愛を求める、そのためには距離的にお互いの家が近い方が良い、と同じマンションの2部屋を売ることになりました。

 

いやあ、どうですかねえ。今は最高に幸せかもしれないですけど。いま「ホーム」として過ごしている夫婦にも「エロス」の時代があったわけですよね。今「エロス」として付き合っている2組のカップルの一方でも異性としての愛が続かなくなったら、同じマンションで生活していくのは、かなり気まずい状況になるのではないですかね。

 

万智としては、そうなったらそうなったで、また新しい家を売ればいいと思っているのかもしれません。そこまで織り込んでいればさすがスーパー営業ウーマンなんですが。ただドラマ的にこの結末は、55歳になる筆者に言わせると、なんだか納得できないなあというのが正直なところですね。

 

同じようになんとなく釈然としない想いを抱える屋代課長は、冒頭で出会った楓と、いかにも波乱がありそうな今回のラストシーン。万智と留守堂の関係と相まって、恋愛ドラマ風味も高まってきました。宅建士である筆者としてはもう少し、不動産にまつわる小ネタやエピソードを盛り込んでもらって、がっつり家を売って欲しいなあ……。

 

 

プロフィール
早坂 龍太(宅地建物取引士)
龍翔プランニング代表取締役。1964年生まれ。1987年北海道大学法学部卒業。石油元売会社勤務を経て、北海道で不動産の賃貸管理、売買・賃貸仲介、プランニング・コンサルティングを行う。

 

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