お知らせINFORMATION

最終更新日:2019年2月22日
公開日:2019年2月15日

【家売るオンナの逆襲・宅建士解説】W不倫カップルに同じマンション内の部屋を売るというオチに違和感【第6話】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

水曜連続ドラマ「家売るオンナの逆襲」第6話が日本テレビ系で2月13日に放映されました。天才不動産屋の三軒家万智(北川景子)が、家を売りまくるドラマです。謎のライバル留守堂謙治(松田翔太)が小学校からの同級生であったことが発覚し、万智への愛を告白したというのが前回までの展開です。

 

奇しくも放送日は聖バレンタインデー、愛ある告白が街にあふれる季節です。ドラマも現実もそんなロマンチックな時期だというのに、家を買いに来たお客様がW不倫の関係って、どうなんでしょう? 筆者としてはなんだか釈然としない気持ちを抱えてしまいましたが、これは単にひがんでいるだけなのか、自分でもわかりません。では、なるべく私情を捨てて、冷静に解説をしていくことにします。

 

窓際のカップル

(写真はイメージです)

 

風水は不動産会社にとっては営業妨害に等しい

 

留守堂の告白を盗み見ていた万智の夫の屋代(仲村トオル)はショックを隠せないままに、スーパーの店長である三郷楓(真飛聖)と知り合います。いかにも今後の展開に重要な伏線となりそうな登場です。

 

今回、万智と庭野(工藤阿須加)の客は、カリスマ美容師として夫妻で美容院を経営する八十多湊人(武田航平)とつぐみ(内山理名)のお二人です。万智は、風水によると美容院がもっと繁盛するのは間違いなし、というマンションを勧め、夫妻も購入する気になったようです。

 

しかし、内覧の後、湊人は別の女性の尾田まり(筧美和子)と仲良く手を取り歩いていきます。万智と庭野が夫妻それぞれから事情を聞いてみると、お互いの不倫を公認する「友達夫婦」だというのです。そうした彼らの価値観には、万智の職場であるテーコー不動産の面々も動揺を隠せません。

 

さて、今回、万智は風水のうんちくを語り、八十多夫妻に家を勧めています。私の体験からも、家選びの際に風水を気にする方は多いです。風水自体は昔から伝わる考え方ですし、専門のコンサルタントや風水協会なるものもあるようですから、そうした専門家に相談する需要があるのも理解できます。

 

風水には三合派・八宅派・三元派・玄空飛星派などさまざまな流派があり、中国古来の風水とは異なり、日本独自で発展した家の方位や間取りに特化した「家相学」があります。日本ではこの「家相学」で語られることも多いといわれています。そして、それぞれの流派によって、間取りや方位の吉兆は全く異なるそうです。なので、風水などしょせん「当たるも八卦、当たらぬも八卦」であり、大事な家を買う際の根拠にするには頼りなさすぎる、というのが筆者の結論です。

 

不動産屋からすると、せっかく顧客が気に入った物件に、風水から見てよくないからやめた方が良い、などというアドバイスは、根拠のない単なる営業妨害でしかありません。まあ、実際よくあるんですよね、占い師さんやお寺さんに聞いたらよくわかんないけど縁起悪いって言われたからやめるっていうパターンは。

 

契約前の重要事項説明はマジで重要

 

一方、留守堂は大学教授の尾田順平(橋爪淳)が新鮮味を失いかけた妻との関係を取り戻すための家を探してくれと持ちかけられます。

 

しかし、その妻は、湊人と不倫の関係の「まり」だったのでした。家の契約のためにテーコー不動産に訪れた湊人は、契約の前に行われる重要事項説明を庭野がしようとしたまさにそのとき、妻の不倫に気づいた順平に乗り込まれ、襲われてしまいます。幸い(?)庭野が殴られただけで事なきを得ましたが、家探しどころではない状況になってしまいました。

 

さて、万智がドラマのなかでも「宅建業法第35条によりご説明させていただきます」と堅苦しく説明していた、重要事項説明書とはいったいなんなのでしょうか。宅地建物取引士としてはとても大事なことなので、詳しく説明させていただきます。

 

不動産取引においては、一般的に高額な取引となるので、不測の損害やトラブルを防止するために、取引の当事者が取引対象の不動産や取引条件などについて十分に調査し、確認する必要があります。しかし、多くの方は、不動産の取引の経験はそう多くないのが通常であり、調査もままならず知識も多くないのが当たり前です。

 

そこで不動産取引について規定する宅地建物取引業法(宅建業法)では第35条で、「消費者保護」と「取引の安全」を目的として、宅地建物取引業者(免許を持っている不動産業者)が、売主であったり、代理や媒介を行ったりなど取引に関わる場合には、契約成立までに購入者などに対し、取引物件や条件、その他の重要な事項について、宅地建物取引士によって、書面を交付して、説明することを義務付けています。

 

重要事項の説明すべき項目も、最低限説明しなければならない項目として、14項目が定められています。また、重要事項の説明は、必ず宅地建物取引士が買主に取引士証を提示して説明することが義務付けられています。また書面の交付には、宅建業者および取引士の記名押印も義務付けられています。

 

これに違反すると重大な罰則がありますので、宅建士でない営業マンが重要事項説明を行うことや取引士証を提示しないなんてことは今どきないでしょうけど、家を買われるときはぜひ注意してみてください。

 

この重要事項説明は契約成立までに説明されなければいけません。逆に、ドラマにあったように重要事項説明を聞いたあとに契約に至らないという場合、買主には特にペナルティはありません。重要な事項を聞いていないのに契約をしてしまう、ということをなくすための制度ですから。重要事項の説明を受けたから必ず契約をしなければならないということではないのです。

 

W不倫カップルは同じマンションに。大丈夫かなあ

 

ドラマでは、万智はライバルであった留守堂を引きこみ、テーコー不動産の同僚と協力して順平とつぐみの出会いを何度も演出し、ついにロマンスに発展させてしまいます。通常、配偶者を持ったどうしの男女が交際することをW不倫といいますが、夫婦双方がお互いの配偶者と交際するとは、「W・W不倫」ですね。

 

万智と留守堂は、この2組の夫婦を引き合わせ、「こうした愛のカタチもありだ」としたうえで、「ホーム」として普段は従来どおりの夫婦が同じ家に住み人間として愛し、「エロス」はお互いの配偶者に異性としての愛を求める、そのためには距離的にお互いの家が近い方が良い、と同じマンションの2部屋を売ることになりました。

 

いやあ、どうですかねえ。今は最高に幸せかもしれないですけど。いま「ホーム」として過ごしている夫婦にも「エロス」の時代があったわけですよね。今「エロス」として付き合っている2組のカップルの一方でも異性としての愛が続かなくなったら、同じマンションで生活していくのは、かなり気まずい状況になるのではないですかね。

 

万智としては、そうなったらそうなったで、また新しい家を売ればいいと思っているのかもしれません。そこまで織り込んでいればさすがスーパー営業ウーマンなんですが。ただドラマ的にこの結末は、55歳になる筆者に言わせると、なんだか納得できないなあというのが正直なところですね。

 

同じようになんとなく釈然としない想いを抱える屋代課長は、冒頭で出会った楓と、いかにも波乱がありそうな今回のラストシーン。万智と留守堂の関係と相まって、恋愛ドラマ風味も高まってきました。宅建士である筆者としてはもう少し、不動産にまつわる小ネタやエピソードを盛り込んでもらって、がっつり家を売って欲しいなあ……。

 

 

プロフィール
早坂 龍太(宅地建物取引士)
龍翔プランニング代表取締役。1964年生まれ。1987年北海道大学法学部卒業。石油元売会社勤務を経て、北海道で不動産の賃貸管理、売買・賃貸仲介、プランニング・コンサルティングを行う。

 

カテゴリー:

●ご存じですか? 不動産売買の仲介手数料はすべて割引!さらには無料になることを ●ご存じですか? 不動産売買の仲介手数料はすべて割引!さらには無料になることを

嬉しい口コミも
多数いただいております

  • 40代男性(マンション売却)
    こちらでマンションの売却をいたしました。
    比較した大手の不動産屋よりも専門知識が豊富に感じ、なおかつ仲介手数料も安かったのでこちらにお願いしました。
    結果、売り出し価格で1回の内覧で決まり、満足しています。
    無駄な勧誘が一切なかったのもおすすめできます。
  • 50代女性(マンション購入)
    マンション購入にてお世話になりました。
    担当の鈴木朋子さんには、本当に親切にしていただき感謝しかないです。 いつも私たちの目線になり、分かりやすいアドバイスをしてくださりました!子供への気遣いも嬉しかったです。 何より、鈴木さんの表裏のない感じが私も夫も大好きです。(笑)
    不動産購入で後悔したくない方、安心して物件探しや手続きを進めたい方にはぜひお勧めしたいです! お世話になり、本当にありがとうございました。
  • 40代男性(中古マンション購入)
    中古マンション購入にあたり、いくつかの不動産仲介会社にあたってたところ不動産流通システムさんに辿り着きました。他の仲介会社さんは営業の電話が激しく、仕事の障害になる程でうんざりしておりましたが、不動産流通システムにて担当頂いた成田さんは、押し売りする様なことは一切無く安心して物件を探せました。

    女性ならではの細かい気配りと単刀直入に物件の懸念点をプロの目からアドバイス頂き、納得のいく物件選びができました。会社名が大手の不動産仲介会社ほど知れ渡ってはおりませんが、ネットでの口コミで良いサービスが良いものとして伝わり、より多くの消費者が良いサービスが受けれる様になればと思い書き込ませて頂きました。
    大手の名前だけに騙されて無駄な手数料払うのは、勿体ないですよ。
    不動産流通システムさんで物件を売り買いするのに、大手に引けを取らないサービスをより安価に受けれますので
  • 40代女性(住み替え:購入・売却)
    不動産の売却・購入の両方お世話になりました。
    以前中古マンションを購入する際は、不動産ポータルサイトに掲載している不動産会社に問い合わせをしないと内覧ができなかったことが何度かあり、大手不動産会社に任せると、売却の際幅広く宣伝活動がされないのではないかという不安がありました。
    そこで、「囲い込みはせず、他社にドンドン広告掲載してもらい幅広い媒体で宣伝してもらう」「LINEからの問い合わせも可能」「仲介手数料が安い」の3点に惹かれ、お任せしました。
    担当の鈴木さんの明るく、お茶目な人柄も好きだったので、購入売却にかかる庶務も憂うつにならずに対応できました。 いつも家族のことや、部屋についてもポジティブなことを言ってくれるので安心してお任せしました。
    最寄駅にはないので、いつでも会って相談するというのむずかしいかもしれませんが、心配なことはメールや電話ですぐに対応してくれるので、私達には十分満足できました。
    結果としては売却も1ヶ月で売出価格で決まり、購入時のローンも紹介していただき、購入・住み替えもスムーズに決まりました。また住み替えの際にはぜひお願いしたいです。
  • 50代男性(マンション売却)
    マンション売却で、担当していただいた津司さんには本当にお世話になりました。
    次に住む所の相談と住んでいるマンションの売却を同時進行で行いましたが、分かりやすい説明と進め方の提示が手際良く、安心してお任せする事が出来ました。
    ネットで何でも調べられる時代ですが相手が何を考え、何を優先するかは会話の中でこそ分かると思います。プロフェッショナルを感じました
  • 30代女性(マンション購入)
    とにかくレスが早い。
    専門知識も豊富で、説明が分かりやすいです。
    担当してくれた方は非常に業界に通じており、ホスピタリティーに溢れていてかなり信用できます。 他社と比べて手数料もとても安いのでオススメの会社です。
  • 60代男性(戸建て購入)
    酒井智様にご担当して頂きました!細かい相談も小さな不安も毎回本当に迅速に対応して頂き、無事マイホームを購入できました!
    酒井さんは大変親切な方でREDSを選んで本当に良かったです。
    仲介手数料も無料で!今物件等お探しで検討してる方は絶対REDの酒井さんに相談してみてください!
※Google口コミより他の口コミを見る

一生に一度あるかの家の購入・売却…

相談したいけど、まだ買うか売るか決まっていない...

いきなり不動産屋さんへ相談に行くのはハードルが高い...

そんな方へ!LINEから気軽に相談でき、宅建士のプロが対応します。

宅建士が対応! LINEでご相談

LINEで気軽に相談したい方へ!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る