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公開日:2019年1月28日

【家売るオンナの逆襲・宅建士解説】家は歩み寄って決めるものではない? LGBTの家探しで見えた人間関係の真実とは【第3話】

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北川景子が主人公の三軒家万智を演じる日本テレビ系連続ドラマ「家売るオンナの逆襲」第3話が1月23日に放映されました。「私に売れない家はありません!」と、次々と現れるワケアリの客に家を売りまくる物語です。

 

前回までは、万智の勤めるテーコー不動産の営業チーフである足立(千葉雄大)と、謎のフリーランスの不動産屋である留守堂謙治(松田翔太)の男同士のちょっと危ない関係も、サイドストーリーとしてほのめかされていました。そうしたいわゆるイケメン同士のボーイズラブ路線のファン層も視聴者のターゲットとしているのかな、と思っていたところ、今回はずばりLGBTをテーマにした話が出てきました。昨今、政治的にも話題になっているテーマであるだけに、一歩間違えると炎上にもなりかねない難しいテーマです。こんな状況で万智は、どんな家を、どんなお客様に、どうやって売るのか、ドキドキしながら視聴しました。

 

レズビアンカップル

(写真はイメージです)

 

スペックがよくても売れにくい家3連発 その原因とは?

 

テーコー不動産では現地販売ウィークとして、売却の決まらない3軒の家を、担当者を分担して販売強化することになりました。3軒の家とその売れない理由は以下のとおりです。

 

(1)旗竿地の一軒家

 

旗竿地とは、その名の通り「竿(さお)についた旗のような形の土地」のことをいいます。竿の部分が道路に面していて、家屋までの通路となり、旗の部分に家屋が建てられています。ドラマにも出てきていたように、旗竿地は「車が入りづらく駐車場が作れない」「建築、修繕コストが高くなる」「採光や通風に難がある」などのデメリットのため、相場よりも安く売買されることが多くなります。

 

また、建築基準法では、建物の敷地は原則として幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接していなければならないと定められています。これを接道義務といいます。この接道義務を満たさない建物は今後、つくることはできませんが、この法律ができる前に建てられた建物は、既存不適格の建造物といわれ売買もできます。ただし、老朽化などで取り壊された場合、新たに建てることができません(再建築不可)。そのため再利用の価値が低いということで、相場より安く取引されます。

 

ドラマの中の物件も、再建築不可物件のため、都心部にもかかわらず、1,800万円という格安の値付けがされていました。

 

(2)元大関の家ですべての造りが大きい5LDKの戸建

 

立地もよく広い家で8,600万円の豪邸です。しかし、元大関の家とあって、男性用のトイレもキッチンもリビングも客間も無駄にビッグサイズで使い勝手の悪い家になっています。また、売主の元大関がケンカで角界を永久追放になったということで、「験が悪い」と現役力士にも売ることができない物件でした。

 

筆者にも経験があるのですが、家というものは豪華な設備であればすぐ売れる、というものではありません。一般の建売住宅が並ぶような住宅地で、鉄筋コンクリート造・3階建・150坪などというハイスペックの豪邸物件は、なかなか売れませんし、解体して更地にするにも建物の価値が高すぎてできない、と持て余してしまうものなのです。何事も過ぎたるは及ばざるがごとし、といえるかもしれません。

 

(3)1LDK+アトリエ

 

元画家がアトリエとして使用していた部屋は、照明のためにはしごのようなものが天井にかかっており、それが一般の方には邪魔という事で、不評で売れなかったとのことでした。ただ、この程度では売れない要因としては弱いなあ、と感じました。間接照明の台座に活用できるし、なんなら外しちゃえばいいのに。取り付けろというなら強度の問題などありますが、外すくらいさほどの費用はかからないでしょう。本職の職人でなくても、テレビでよく見る芸能人のリフォーム自慢向けの仕事じゃない?

 

案の定、内覧にきた客にあっさり売れてしまいました。雲梯(うんてい)のように筋肉トレーニングに使用することを想定してこの家を気に入ったようです。

 

庭野(工藤阿須加)が、このお客様を担当していたのですが、なにげない「結婚のご予定は」という質問から「僕はゲイなんだ」と告白され、対応に戸惑う庭野は「無礼で無知で最低の営業だな」と罵倒されてしまいます。たしかに、デリケートな話題を出されても顔色を変えないようなスキルは営業マンなら必須事項かもしれませんね。

 

レズビアンのカップルとトランスジェンダーの夫のいる家族に売った家とは

 

キャリアウーマンの木村真奈美(佐藤仁美)が家を探しに来ます。夫と娘と3人で住む家探しを任されているという真奈美でしたが、夫の剛史(池田鉄洋)は女性として生きていたいが社会的には男性として生きてきたというトランスジェンダーでした。剛史は、家の中でまで男として振る舞い続けるのが苦しくなってきたのですが、真奈美は難しい年頃の娘のためにもこれまでどおり剛史に男性であることを望んでいます。

 

一方、足立は真島みどり(沢井美優)と車田智代(芳野友美)のレズビアンカップルを担当しますが、二人がレズビアンということを理由に、売主にマンションの売却を断られてしまいます。レズビアンということを世間に隠しても愛を育めればよいとするみどりと、世間にも堂々と自分たちの関係を主張すべきだという智代の意見は、家選びでも対立を招いてしまいます。

 

万智は、木村夫妻に元力士の家を紹介します。剛史が自宅では女性として振る舞いながら料理をするのに適した大きな台所やたくさんの着物を収納できるタンスがあること、キャリアウーマンの真奈美が仕事上のホームパーティーもできる広さがある、というメリットを強調しました。

 

また、足立をサポートする留守堂は、みどりと智代に、旗竿地の家を「ロマンチックな隠れ家」として、双方の主張を満たすことのできる家だと紹介します。万智は陰に隠れて留守道の主張を聞いていましたが、飛び出していかなかったということはその主張がほとんど同意できるものだったからでしょう。

 

すなわち、「人は分かり合えない。理解し合えると思うことこそが傲慢である。LGBTであろうとなかろうと、本当の意味で理解し合うことなどできない。だからこそ互いに主張し合い、助け合って生きるべきであり、その場所こそが家なのだ」ということです。

 

家を売ることは、販売のテクニックを誇ることではない

 

今回は、足立と留守堂の関係がいわゆる「ボーイズラブ」の世界感を連想させるために、必然的にLGBTについて語る必要があったのではないかと思います。その中で、万智や留守堂の「人は認め合い助け合うもの、その場所として家を売るのだ」という販売哲学を持ち出してきたように思えました。筆者も「家を売るオトコ」のひとりとして、そうした販売哲学を忘れてはならない気がします。

 

(つづく)

 

 

プロフィール
早坂 龍太(宅地建物取引士)
龍翔プランニング代表取締役。1964年生まれ。1987年北海道大学法学部卒業。石油元売会社勤務を経て、北海道で不動産の賃貸管理、売買・賃貸仲介、プランニング・コンサルティングを行う。

 

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