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菅野 洋充(宅建士・リフォームスタイリスト)

社会に必要とされ人に役立つ企業を目指します

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公開日:2022年5月8日

菅野です。

異動がありまして、5月より完全内勤となり、土日にお休みをいただくようになりました。

そうしましたら、今まで見ていた時間帯とは違ったテレビ番組を見る機会があり、日曜日にフジテレビの

「ザ・ノンフィクション」

という番組を見ることができました。

今回、題名は

「ワケあり人生と部屋探し ~無理とは言わない不動産屋~」

という、横浜市のとある不動産屋さんのお話でした。

こちらの業者さんは、東急田園都市線「青葉台」駅最寄りのアオバ住宅社さんという会社で、齋藤瞳さんという方がおひとりで営業されているようです。

障がいをもっていたり生活保護を受給されていたりという、部屋を借りるのが困難な方がこちらを頼ってこられるそうで、そういった方に「無理」と言わずにお部屋探しをしてあげるという仕事をなされている業者さんなのだそうです。

番組では、精神障害を持つ息子さんと高齢のお母さんが現在の家の立ち退きを迫られていて、その引っ越しのために奔走する様子が流れておりました。

お引越しをしなければならないご本人たちは、なかなか状況を客観的にみることができず引っ越しに後ろ向きで、それを心配しているのになかなか分かってもらえないもどかしさ、が感じられて、私も昔の経験を思い出してしまいました。

 

以前、このようなブログ記事を書きました。

私も、以前いた不動産業者で生活保護の方や、低所得の方の賃貸仲介を何度か担当しましたが、本当に大変でした。

事故物件でも

賃貸の仲介って、報酬(いわゆる仲介手数料)は基本的に賃料の1か月分なんですね。

家賃48,000円の困難な状況のお客様でも、家賃16万円の大手企業の社宅でも仲介手数料は基本、1か月分なのです。

しかも、断然、大手企業の社宅のほうが入居審査は通りやすいのです。

番組内でも

「(生活保護は)物件が100件あれば90件は断られる」

と、精神障害をもつ息子さんが、電話でアオバさんとは別の業者に言われるシーンがありました。

これは本当のことです。

こういった難しい条件の方が借りられる物件を探すには、聞いては断られ、を繰り返していく大変な労力が必要となります。

それでも、仲介手数料は賃料の1か月分です。

ちなみに、横浜市の生活保護の住宅扶助月額(家賃の上限)は、単身者で52,000円、二人入居で62,000円だそうです。

これが仲介手数料の上限となるわけです。

そしてアオバさんのある青葉台駅周辺は高級住宅地ですので、この家賃の物件を探すことがまず、大変だろうと推察します。

 

こういったお仕事は、実際のところ、賃貸仲介をやっていると少なからず経験するのですが、皆、積極的に引き受けようとはなかなか思えないお仕事です。

普通に考えれば「福祉事業」ですので、公共の機関が行うべき仕事だと思います。

ただ、役所や社会福祉協議会などの公共団体だけでは手に負えないのが実態です。

 

また、お客様一人ひとりの状況についてそれぞれ違った困難があり、それに対応するのもかなり大変で苦労が絶えないだろうと思われます。

どうか、齋藤さんにおかれましては、ご自身を大切にしながら頑張ってほしいと思います。

本当に頭が下がる思いです。

 

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公開日:2022年4月5日

菅野です。

先日、フラット35の不正利用について取材を受けました。

私がブログでこのような記事を書いていたことをご覧になったそうで、ご連絡をいただきました。

フラット35の不正使用 一括返済へ 悪徳業者の横行 

 

電話での取材だったのですが、私はディレクターさんに結構、厳しめな話をお伝えした記憶があります。

 

ルールを犯していれば、ペナルティを受けるのは致し方ないこと。

投資というのは事業であるから、当事者は事業者であって消費者ではないということ。

事業者であれば、自己判断での損失はやむを得ないこと。

私のところにも住宅ローンを投資に利用したいという話はあったが、お断りしたこと。

明確に住宅ローンを投資につかうとは言わないがセカンドハウスとしてローンを利用したいという方に、いろいろ突っ込んで話を聞くとやはり投資目的であった、というような案件がしばしばあったこと。

 

こんなことを話した気がします。

 

REDSは基本的に、当社から営業をかけるということはいたしません。

ですので、お客様より依頼をもらって動くということがほとんどであり、フラット35の不正利用について聞かれると、顧客から持ち掛けられた話ばかりになってしまいます。

当社で見かけたそういった方が一括返済を求められたとしても、これは自業自得です。

 

しかし、先日のブログ内でも書いていますが、悪徳業者が何もしらない一般個人を唆し、相場より高い価格で不動産を購入させ、挙句は不正な融資利用のために書類を改ざんしたりするのは犯罪ではないでしょうか。

この犯罪には、不動産業者と金融機関(もしくは代理店)が共謀して行っている可能性が高く、しかも、明るみに出たあとに会社を清算したり倒産させたりして逃げている業者もいます。

わひこが破産。1億2000万円の脱税で逮捕。。不動産投資物件の専門業者が営業停止に。~もふもふ不動産

某アパート建築会社は同様のことを行っているにも拘らず、名前を変えて現在も上場継続中とか。おかしいよね。

 

冒頭に貼った「クローズアップ現代」のツイートの動画で、マッチングアプリで知り合った者に不動産投資を勧められたとありましたが、これはいわゆる「デート商法」というやつです。

また、相場より高い価格の物件を購入させられたとありましたが、これはいわゆる「三為」契約の可能性があります。

もし「三為」での契約などで、売主が不動産業者などの法人だとすると「消費者契約法」が適用となり、虚偽の説明を受けて契約するなどした場合、契約の解除が可能になることもあります。

こういった事態に陥った場合、自分でなんとかしようと思っても難しいですので、弁護士に相談するのが肝要です。

 

もし、お困りの方がこちらのブログを見ることがあれば、相談に応じます。

ただ具体的な解決に関しては弁護士にご依頼いただくことになると思います。

また、自分のケースはどうなのか?と考えておられる方は、匿名でもお話をください。

もしNHKに話を聞いてほしいという方がいらっしゃったら、こちらから繋ぐことも可能です。

もちろん、直接お話を冒頭のTwitterアカウントにダイレクトメッセージでご連絡してもよいかと思います。

 

不動産業界に身を置くものの一人として、詐欺まがいの悪質業者はとにかくいなくなってほしい。

こういった行為が詐欺として認められるのであれば、法執行機関において適切な捜査と処罰がなされることを期待したいです。

 

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公開日:2022年3月24日

菅野です。

アメリカFRBはとうとうゼロ金利政策を解除しましたね。

 

それにともない、住宅ローン金利は30年固定で4.5%!まで上がったそうです。

 

 

一方、不動産バブルの懸念があり金融の引き締めを行った中国は、住宅ローン金利が下がっています。こちらは先月の記事ですが、

 

中国4大銀行、広州で住宅ローン金利20bp引き下げ=関係筋/ロイター

金利を引き下げて4.8%!!です。

 

 

日本はどうでしょう。今月のフラット35の金利が2か月連続で上がったとニュースになりました。

 

最頻金利が1.43%です。これは2000年台の銀行住宅ローン金利より低い値です。

 

こちらのSBIさんのサイト「イー・ローン」で1985年以降のローン金利の推移が確認できます。

住宅ローン関連の金利推移

 

日本だけがいまだに低金利なままなのは、日銀が「マイナス金利政策」を解除しないことが原因です。

今回のウクライナ侵攻の影響による原材料不足、それに伴う輸入原材料やエネルギーの価格高騰のあおりを受けて景気は悪化へと向かう様相です。

長く続いた日銀のマイナス金利政策ですが、景気の回復傾向はそこそこでしかなく、銀行の経営への圧迫だけが目に付きいろいろな弊害をおこしています。

銀行という業態は基本的には「金貸し」です。お金を貸してその利子で儲けているわけです。

その金利が低いということは貸出金額あたりの儲けが減るということで、たくさんのお金を貸していかなければ儲からないということになります。

そのため「貸出競争」が発生します。

(もちろん法律違反はダメですが)スルガ問題をはじめとするさまざまな金融機関の不正融資事件はこの異常な低金利が遠因であったといえるわけです。

 

そして「マイナス金利政策」とは、預金をすると利子をもらえるどころか、逆に払わないといけなくなる金利政策です。

預金するとお金が減っていくということになるため、それじゃ預金はやめようという方向に働きます。

そうすると現金が流通しやすくなる、という目論見なのですが、実際のところそうなっていないのです。

 

原材料や輸入製品の価格高騰は、物不足だけでなく円安も影響し非常に深刻です。

このさまざまな物の価格高騰により「コストプッシュ型インフレ」が起き、それが「スタグフレーション」へと変化していくのではないかと予想されています。

「コストプッシュ型インフレ」というのは、企業等のコストアップが原因のインフレのことで、対義語は「ディマンドプル型インフレ」で需要が増大することが原因のインフレを指します。

スタグフレーションというのは、インフレと不況が同時に起こる現象のことで、第一次オイルショックはこのスタグフレーション状態だったといわれています。

アメリカの場合、同じコストプッシュ型インフレでも人手不足による賃金上昇が原因のひとつのようです。

しかし日本は、大手企業が春闘満額回答などと報道されるも、庶民にはこの賃金上昇の風が吹いてきている様子は全く見えません。

賃金以外のコストアップが企業を苦しめ、それが逆に賃金を削る原因になってしまうと最悪です。

 

不況下に金利は上がりません。金利を政策で上げてしまうと、資金調達がしにくくなるため金詰りで倒産する企業が増えてしまいます。

かといって金利が低いままでは、円売りによる円安を一段と強め、輸入原材料やエネルギーはますます高くなってしまうでしょう。

八方ふさがりとも思える経済状況で、岸田政権は「新しい資本主義」をどう展開していくのでしょうか。

岸田総理の手腕が問われます。

 

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公開日:2022年2月26日

菅野です。

やっと令和4年度予算案が衆議院を通過しました。

政府には早くお仕事をしてほしいと思うのですが、コロナ禍オミクロン株に加えてロシアの暴挙のせいでどんどん遅れていくのが非常に腹立たしいです。

というのも、住宅ローン減税、法案が可決されないとどうにもならんのです。

 

今年は「すまい給付金」も「グリーン住宅ポイント」もありません!

住宅ローン減税も大幅縮小となりました。

じゃあ、買うのを待つべきか?という話ですが、もしインフレが進んでしまった場合には

不動産価格の上昇と金利の上昇

が起こり、更に住宅が買いにくくなってしまう懸念があります。

これは、

・東京オリンピックがコロナ禍で盛り上がりに欠けたため、逆に熱を冷ます効果も失ったこと

・再生可能エネルギーへのシフトを煽ることが、既存のエネルギー価格の上昇を招いていること

・米国の人手不足、物不足によるインフレ

の影響で、日本も今後おそらくインフレへと進むのではないかという予想があるからです。

 

とにかく、オリンピックが終わったら不動産価格は下落する、という話はあてが外れていたということです。

価格下落を期待して買い控えていた方がいたとすれば、残念なことです。

2012年以降はずっと、できるだけ早い時期に不動産を購入していた方が勝ち組、ということがはっきりしています。

 

ですので、住宅ローン減税が縮小された2022年でも、買ったほうが良い、です。

ご検討されている方は、なるべく早くご購入されることをおすすめします。

 

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公開日:2022年1月24日

 

菅野です。

今日のYahoo!ニュースでこんな記事がありました。

こちらの記事をみると、おそらくあるはずのデータ表示が見られなかったため、元記事を探してみました。

元記事↓

賃貸住宅は東京23区独り負け コロナで変わる不動産事情 <週刊エコノミスト Online>

 

記事では、23区の世帯増加数が2020年の春頃から一気に減少していて、しかしながら貸家着工数は殆ど減っていないというデータが示されています。

要は賃貸住宅が23区でだぶつき、特にワンルームの空室率が上がっている、ということのようです。

(記事中には高級賃貸は影響が見られない、というようなことも書かれています。)

 

2020年に新型コロナウイルス感染症が流行し、都内の経済活動は麻痺してしまいました。

様々な店舗が営業を自粛し、特に宿泊業・飲食業への影響が大きかったものとおもわれます。

これらの業種の従業員は非正規雇用率が高く、職を失い東京を離れたことが、単身向け住宅の空室率上昇の原因である、と記事では述べられています。

またテレワークの普及で、郊外やより広い部屋への住み替えが促進されたことも理由の一つで、住宅販売が堅調であったことから購入へと踏み切った世帯も多かったものと思われます。

これに付け加えて、単身居住の学生が、授業講義のオンライン化のため実家に帰るというような事象も聞いております。

 

ということで、23区内のワンルーム需要は今、底にあるといえるでしょう。

サブリースをしている業者の中には、傾いてしまうところも出るかもしれません。

そうなると、サブリース賃料が下がったり、ひどいと賃料自体が払われなくなったりして、高金利のローンを支払えなくなるオーナーも出てくるでしょう。

厳しいことですが、今年の春が終わると耐えきれなくなった物件の放出が始まる、そんな気がしています。

 

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公開日:2022年1月17日

菅野です。

1月7日に令和3年度賃貸不動産経営管理士試験の合格発表がありまして、

賃管合格通知

無事、合格いたしました~

 

宅建マイスター認定試験

や、

不動産流通実務検定“スコア”

などをやったあとに受けると、かなり問題は簡単に感じられました。

基本的に賃貸に関する設問で、実務をやっていても法律を勉強しないと受からない内容ではありました。

私は自己採点41点~42点というところで余裕!とか思っていたら、合格点は今回

40点

とけっこう薄氷でした。

今回より国家資格となりまして、受験者数は前年から約5000人増えた32459名、そのうち10240名が合格となったそうです。

賃貸住宅管理業が国の登録制となり、賃貸不動産経営管理士はその「業務管理者」の要件となります。

この資格を持った人がいないと賃貸住宅管理業を営むことができませんので、200戸以上の賃貸住宅を管理している不動産業者には必須の資格となっております。

 

REDSは賃貸仲介、賃貸管理は行っておりませんが、そのうち役立つことがあるかもしれませんね。

 

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公開日:2021年12月24日

菅野です。

本日、令和4年度税制改正の大綱が閣議決定されました。

それに伴い、国土交通省より住宅ローン減税等の延長についてのプレスリリースが発信されました。

住宅ローン減税等が延長されます!~環境性能等に応じた上乗せ措置等が新設されます~

こちらの内容については、以前より報道されているとおりとなっていました。

令和4年度税制改正大綱については以下のブログにて書いております。

令和4年度税制改正大綱で気になったところ

なお、ほぼほぼ間違いないと思いますが、こちらは法案が可決されることが前提となります。

 

 

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最終更新日:2021年12月24日
公開日:2021年12月23日

菅野です。

こちらは先月の不動産流通研究所の記事です。

 

 

どれくらい増えたのかは記事をご参照いただければと思いますが、アンケートに回答したすべての大手不動産会社で前年比増となり、投資家向けの仲介をしている三菱地所リアルエステートサービス㈱を除き取扱高も前年比増となっています。

これは、記事中にもありますが昨年後半から今年の前半にかけて購入検討されるお客様が非常に多かったという実感があります。

コロナ禍で、広い物件へ引っ越したいという希望や、テレワークの普及により郊外へ引っ越したいという需要が多くございました。

一方で、まだ感染の危険を感じる時期でもあったため、売却を控えようと考える売却検討のお客様も多く、在庫不足から価格が高騰していったという傾向もございました。

 

ところで2021年後半から2022年にかけての見込みですが、現状、売却物件の在庫不足は解消に向かっているように感じられます。

また、今年前半の好調さを見て買取再販業者がかなり強気の仕入れを行っている様子が見受けられ、価格は更に上がっていくように思われます。

 

ただ、住宅ローン減税の縮小や、インフレ懸念による金利上昇、日銀のテーパリングなどの懸念があり、来年の住宅市況は厳しい方向に進んでいくのではないか、と予想されます。

既に小規模の投資不動産販売についてはかなり厳しい市況で、諸々の融資不正による金融の締め付けが影響して、融資がなかなか引けないという状況も相まって在庫過剰となっており、価格下落圧力が非常に強まっています。

もしご自宅の売却を検討されるのであれば、タイミングとして価格の頂点は来年春先となりそうですが、そこを越えるとかなり厳しい販売状況になるのではないかと懸念しています。

いま売却を検討している方は、なんとしても来年春には売り切ってしまう努力をされたほうがよろしいかと思います。

 

「バブル崩壊」という言葉を最近は、めっきり聞かなくなってきました。

 

さすがに二の轍は踏まないだろう、と思いたいところですが、

本当に、大丈夫なのでしょうか…

家と電卓

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最終更新日:2021年12月13日
公開日:2021年12月12日

この会社に入って一番とも思える12月師走の忙しさに、目がまわり心折れそうな菅野です。

ちょっと無理かもーって思ってます。誰か助けてください。

 

 

12月10日に自民党ウェブサイトにて

令和4年度税制改正大綱

が公表されました。

この時間のない中、目次含む102ページを読みましたが、結構、改正点が見えますね。

 

住宅ローン減税についてはかなりいろいろなところで報道されていますが、控除額については逆ざや解消のため住宅ローン借り入れ残高の0.7%へと減ることになりました。

所得要件も3000万円以下から2000万円以下に引き下げられました。

これはまあ予想されていたので、驚くところではありません。

 

それよりも細かい話ではありますが、年末調整のときに住宅ローンの年末残高証明書の添付が不要になるようで、これはちょっと便利だなと思いました。

申請書に年末残高予定金額を記載する欄が新設され、そこに金額を書くだけでOKとなるみたいです。

これは、銀行から年末残高予定金額を記載した調書を税務署に提出することが義務化され、そちらと申請書を照合する形に運用が変わる、ということのようです。

 

あと、住宅ローン控除の適用要件から”築年数要件”(耐火建築物は築25年以内、それ以外は築20年以内)が廃止され、みなし新耐震(昭和57年1月1日以降に新築登記がされている建物)が適用要件となるそうです。

この築年数要件は登録免許税の軽減、直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税措置、相続時精算課税制度についても廃止となります。

これも大変ありがたいですね。

今までは新耐震ギリギリの築年の建物だと「耐震基準適合証明書」の取得が必要でした。建築士さんはちょっと残念かもしれませんね。

 

直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税措置については、継続となりましたが、最初のころから比べるとだいぶ縮小されていますね。

耐震、省エネ、バリアフリーの住宅で1000万円、それ以外は500万円まで非課税となります。

 

 

また逆に、これは私の不勉強なところもあったのですが、ちょっと驚いたという部分がありました。

今年の4月に「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」が成立し、また民法・不動産登記法も一部改正されました。

この法改正は「所有者不明土地」が問題となっている中、それを解消、予防するための措置だそうです。

これにより、相続登記や住所変更登記が義務化され、正当な理由のない申請漏れは罰則が課せられるようになりました!

所有者不明土地の解消に向けた民事基本法制の見直し(民法・不動産登記法等一部改正法・相続土地国庫帰属法)

改正内容については上記のページをご確認いただければと思いますが、いろいろな改正点がありました。

 

・登記情報に新たに「登記名義人の死亡の有無」が表示されることになりました。

・住所変更登記についても登記官の職権的な変更登記ができるようになるそうです。

登記名義人の死亡の有無や住所変更については、法務局の登記官が「住民基本台帳ネットワークシステム」で照会することで異動情報を取得し、住所変更や氏名変更などはその当人に変更を行うことを確認した上で変更登記するんだそうです。

これは便利ですね!

・新たに「相続人申告登記」という手続きが新設され、こちらは登記官の職権にて登記がなされることになりました。

しかも登録免許税がどうやらかからないという方向のようです。(こちらの非課税というのが今回の税制大綱に記載されていたため、この改正を知ることになりました。不勉強で恥ずかしいところです。)

こちらの手続きは、遺産分割協議がまとまる前に「私が法定相続人です。」と申し出ることで相続登記を申請したとみなすことができる登記、なのだそうです。

とりあえず誰が相続人か、ということを登記にて把握することができるようになり、所有者不明という事態は免れることができるというわけです。

 

 

 

あと、登録免許税をクレジットカード等で納付することができるようになりそうです。政府はキャッシュレス決済を推進している流れですので、これはぜひやってもらいたいところかもしれません。

 

全く不動産に関係ないのですが、面白かったのが

「ウイスキー又はブランデーに類似するスピリッツに係る製造時の酒税の承認制度を見直し、誤認防止のための要件を設けた上、移出時の承認制度とするとともに、その承認における着色度に関する制限を撤廃する。」

というもの。色の濃さで税金が違ったんですね!お酒あんまり飲まないんで知りませんでした!

 

まあ、いろいろと並べましたが、関わりの濃い薄いはあるものの、税制というのは国民生活に大きく影響しますので、文字だけで大変ではありますが、「令和4年度税制改正大綱」皆さんご一読されてみてはいかがでしょうか?

税

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公開日:2021年11月29日

菅野です。

日経の会員限定ですが、以下のような記事がありました。

 

中古住宅、データは伏魔殿 不動産IDに既得権の壁 

 

内容をご確認いただければと思いますが、ものすごくざっくりまとめると

「不動産取引の透明化について、様々な施策や案が出てきたが、全部不動産業界の反対でつぶされている」

というものでした。

 

だいたいあってる。

 

不動産取引の透明化について政府から「不動産ID」というものでいろいろな情報を紐づけよう、という案が出ています。

不動産IDで出来そうなこととして記事中で挙げられているのが

・重要事項説明に必要な固定資産税額、都市計画、道路や水道管の状況を簡単に取得できる

・物件検索サイトに掲載された成約済みの「おとり物件」を自動的に判別して排除できる

・成約価格や建物の修繕履歴等を利用して価格査定が高精度で可能になる

のだそうです。

1つ目は、不動産の調査が楽ちんになります。わざわざ現地の管轄の役所に出向く必要もなくなるということです。

2つ目は、意図的なおとり広告が排除でき、業者にとっても勝手に成約物件を削除してもらえるのは非常に便利です。

3つ目なんか、実現したら不動産鑑定士なんか要らなくなってしまいますね!

 

でも、取引の透明化、というのは難しい部分も非常に大きいです。

記事中にもあるのですが、不動産価格について日本では個人のプライバシーという考え方があり、取引価格を公表するのは不動産業界にとどまらず広く反対があるのではないかと予想されます。

不動産取引についてのデータ連携というのは、「個人情報保護」という、進撃の巨人のウォール・マリアのような大きな壁があり、なかなか一筋縄ではいかないのです。

とにかく日本の法律の建付けは個人の権利というものを重くおいているので、有事法制の議論なんかもそうですが、個人の権利の制限に関しては世間が非常に厳しく反応します。

その個人の権利の中に「プライバシー権」というものもあり、少し戻りますが不動産の取引価格の公表は「プライバシー権の侵害」となる可能性が大きいわけです。

 

公共の福祉と個人の尊重というものは二律背反しやすく、政治でも「自由主義」と「社会主義」とは本来、対立する命題なわけです。

(しかしながら日本ではリベラルというと、どちらかといえば社会主義・共産主義的思考の方が多いように見え、矛盾を感じてしまいますが)

不動産の取引というものが「公的」なものであるという認識が欧米のように広まっていけば、そういった透明化は進むかもしれません。

でも正直なところ、私も自分の家をいくらで買って、いくらで売れたかというのを公表されたくはありません。

一人一人の考え方を変えていくということは、なかなか難しいかな、とも思うのです。

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