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公開日:2024年2月28日

人気コミックが原作のNHKドラマ『正直不動産2』第8話「無限ループ地獄」が、2024年2月27日(火)夜10時から放送されました。「1月は行く、2月は逃げる……」なんて言葉がありますが、2024年ももう2カ月が過ぎてしまったことに愕然としています。シーズン2も、今回の放送を含めても、いよいよあと3話です。ドラマ内の人間関係もだいぶ煮詰まってきたようですね。

 

今回の物語は、主人公の永瀬財地(演:山下智久)の朝の風景から始まります。商店街を後輩の月下咲良(演:福原遥)と通勤していると、店主から挨拶されたり相談されたりと、永瀬の評判は上々なようです。

 

※ドラマの監修を担当したREDSではどのメディアよりも早く、そして詳しく、レビュー記事と解説記事をお届けします。REDSのSNS「X」「Facebook」ではレビューと解説記事がサイトに掲載されたらお知らせ投稿をしていますので、ぜひフォロー&通知ONのうえ、見逃さないようにしていただければ幸いです!

 

都市とビジネスマン

(写真はイメージです)

 

営業成績グラフ、今でも掲げている会社は多いの?

 

会社に着くと、営業成績グラフが嫌でも目に入ります。こういう会社、今でも多いのでしょうか? やる気を促す面もあるでしょうが、上司のパワハラ気質を刺激する面もあるでしょう。ドラマでは、大河部長(演:長谷川忍)が永瀬をいじり始めます。

 

現時点で1位は良家の子息で地主や大家にネットワークを持つ藤原結弦(演:馬場徹)、2位はフルコミで入社した黒須圭佑(演:松田悟志)、永瀬はわずかな差で3位です。飄々としている藤原と比較すると、フルコミの黒須は強引な営業スタイルが災いして、クレームも多く、ストレスからか、胃を痛めている模様。「フルコミの俺にとっては、売上こそが存在価値」と、売上競争にどっぶりはまっています。今回は、こうした黒須の仕事に対する姿勢が、物語に大きな影響を与えます。

 

フルコミ社員はいつもピリピリ、ストレスフル?

 

さて、黒須のいう「フルコミ」とはどのような立場なのでしょう。黒須の行動原理にも関わりますので、解説しておきます。

 

フルコミは個人事業主と不動産会社の業務委託契約

 

「フルコミ」とは「フルコミッション」の略で、給与が「完全歩合制」のことです。「完全に」「成果に対してあらかじめ定められた報酬」を得ることを意味しますので、成果が得られなければ、報酬はゼロ」となる報酬形態です。

 

「完全歩合制」「フルコミ」は、普通の会社と労働者の雇用形態としては、適用することはできません。労働基準法で、会社は労働者に労働時間に応じて一定額の賃金を保障するように定められているからです。これを「出来高払い制の保証給」といいます。

 

一般の営業社員に歩合制を導入する場合は、一定の給与を固定給として保証した上で、歩合を定めることになります。全額固定給の給与と比較して、歩合制の場合は60%程度の固定給を定める必要がある、とされています。

 

そのため「フルコミ」「完全歩合給」の報酬とする場合は、労働基準法に反しないように、企業と完全に独立した「個人事業主」との間で「業務委託契約」を締結する形がとられることが多くなります。

 

フルコミ不動産営業のメリット:成果が高収入に直結!

 

フルコミの不動産営業の場合、固定給はゼロですが、歩合は仲介手数料の50%からが一般的で、80%に及ぶこともあるようです。働く側にとってのフルコミのメリットは、まさに高収入という点ですが、まとめると以下のとおりとなります。

 

・不動産は成約価格が大きく、高収入も期待できる
・成果が報酬に直結するので、モチベーションが維持されやすい
・成果さえ出せば、組織に拘束されることなく、働き方・時間も自由

 

フルコミ不動産営業のデメリット:収入も立場も不安定!

 

一方でデメリットは、兎にも角にも「不安定」ということに尽きます。

 

・契約ができなければ収入なし、業務委託の打ち切りもやむなし
・職場で孤独になりがち
・経費は全部自分持ち
・名刺も販促品も自己負担
・パソコンや携帯電話などの備品や、システム・会議室・営業車などの使用料も徴収される場合あり
・社会保険料は自己負担

 

フルコミの営業マンは、たとえ高収入を実現していたとしても、常にプレッシャーにさらされた生活をしているといえるでしょう。黒須がピリピリしているのも理解できるというものです。

 

ワンルーム投資の罠にはまった男たち。「噓つきは数字を使う」

 

永瀬の勤める登坂不動産に、ライバルであるミネルヴァ不動産の神木涼真(演:ディーン・フジオカ)からの紹介客として篠崎と海野がそれぞれ永瀬を訪ねてきます。永瀬が神木を問い詰めると、神木は「明らかに割高なワンルームマンション(1R)を客に買わせたら俺の勝ち、買わせられなかったら永瀬の勝ち」という挑戦状をたたきつけてきました。業界ナンバーワンの営業マンは自分だと永瀬に思い知らせるために紹介した、というのですが……。

 

ワンルームマンション投資は、一時期、強引な営業手法が問題となった投資です。ドラマ内でもTBGコーポレーションがあくどい方法でワンルームマンションを売りつけ、その顧客名簿を基に二次被害が発生していることをほのめかしています(ちなみに「TBG」とは若手のガラの悪い不動産営業マンを揶揄する〝ツーブロックゴリラ〟の略称です)。

 

ワンルームマンション投資は、マンションの一室を購入して、第三者に貸し出して毎月の家賃収入を得ることで利益を得る投資です。

 

ワンルーム投資の成功例、なきにしもあらず、なのだが……

 

メリットとして謳われるのは、以下のとおりです。

 

・資金や資産が少ないサラリーマンや若い人でも、金融機関からの融資によって投資が可能
・減価償却費を経費として計上できるため、節税ができる
・収支が赤字となっていても、損益を通算することで節税ができる
・将来返済が終わったあとには家賃収入が年金や生命保険代わりになる
・空室時の家賃保証として、サブリースを利用することも可能

 

しかしながら、永瀬が篠崎に語ったように、多くのワンルームマンション投資は失敗に終わっています。必ず失敗する、とは言い切れないのが、不動産投資に関する難しい点です。毎月順調に家賃が入り、売却時には購入時よりも値上がりが期待できる成功例も多々あるから、ワンルームマンション投資を勧める人たちはそうした成功例を持ち出します。

 

まさに「嘘つきは数字を使う」のです。

 

筆者がワンルームマンション投資を勧めない5つの理由

 

永瀬同様、筆者はワンルーム投資をお勧めしていません。それは以下の理由からです。

 

1.空家になって家賃収入ゼロに陥りやすい
2.家賃保証(サブリース)の契約内容が厳しい
3.収支が赤字でも気づきにくい
4.保険・年金代わりとしては不十分
5.節税効果が小さい

 

以下、それぞれ解説します。

 

1.空家になって家賃収入ゼロに陥りやすい

 

ワンルームマンション投資は家賃が唯一の収入源です。1棟マンション・アパートなどの投資は、空室リスクを部屋数に分散されるため自動的にヘッジされていますが、ワンルームの場合は空室になった瞬間に収入の目途が絶たれてしまいます。

 

しかし融資の返済や修繕積立金・固定資産税等の支払いは続きますから、大きな赤字を生むことになります。それを避ける方法のひとつが複数のワンルームを購入して投資することです。しかし、複数投資は、何戸もまずい投資をしてしまい状況を悪化させるという「無限ループ地獄」の入り口でもあります。

 

2.家賃保証(サブリース)の契約内容が厳しい

 

空室リスクを避けるために、家賃保証(サブリース)の契約をする場合も多くあります。ここで問題になる点の一つ目は、サブリースの保証家賃は、保証料として家賃収入の90%以下となることが多くなることです。リスクを避けるためにランニングコストを支払うわけですから、当然採算は当初の予定より悪化します。

 

このほか、過去のトラブル例としては、サブリース契約の内容として「10年保証」と説明しておきながら、保証家賃の減額請求権が保証側にだけあったり、空室期間が6カ月までは家賃保証に免責期間があったり、保証家賃の金額が家賃の8割であったり、といった、営業マンが口頭で行った説明には触れられなかった特約が契約書に含まれていることが多々あり、訴訟に発展することもありました。

 

家賃保証の会社自体が倒産してしまうことも考えられます。サブリースに過度な期待をするのは危険だと思われます。

 

3.収支が赤字でも気づきにくい

 

ワンルームマンション投資は銀行融資が通りやすいように、ぱっと見は赤字にならない、あるいは赤字といっても月1万円程度の試算や資金計画をしています。少額のマイナスであれば、「状況が好転したり景気がよくなったり、金利が下がったりしさえすればなんとかなる」という楽観的予測にすぎません。

 

これにだまされると、現状を変えようとはせず、ずるずると赤字を垂れ流しやすいものです。

 

4. 保険・年金代わりとしては不十分

 

「ローンを払い終えた後の収入は年金代わりになるし、そのとき売れば保険金代わりになる」と言われますが、20~30年後に空き部屋にならない保証はどこにもありません。修繕費がいくらかかるかわからない古びたマンションが残っているだけですから、保険金代わりになるかどうかも保証できません。

 

5.節税効果が小さい

 

鉄筋コンクリート造のワンルームマンションは減価償却期間が47年と長いため、年額の減価償却費は少額であり節税効果は小さいといえます。また、減税効果が本当に大きい人は所得税率が高い人(収入がとても多い人)なので、その場合は、弊社であればワンルームマンションよりも、一棟マンションなどの投資をお勧めしてしまうかもしれません。

 

永瀬は、篠崎に「ハイエナどもは、ワンルームマンションを売りつけ、物上げ屋が格安で買いたたき、またワンルーム屋が新たに売りつける無限ループ地獄だ」と言い放ちます。TBGコーポレーションの顧客名簿を神木が購入したのもこうした利用価値があるからですね。

 

そこまで言われても篠崎は危うく神木の誘いに乗ってワンルームマンションをまた買ってしまうところでした。それを寸前で止めたのは、永瀬が商店街で信頼されている姿を見て、頼ってみるよう提案する娘の琴乃の言葉でした。永瀬の日頃の正直な態度の積み重ねは決して無駄ではなかったのでしょう。

 

強引な手法で窮地に陥いる黒須、手付金と中間金

 

神木から紹介されたもう一人の客である海野は、黒須の勧めに乗ってワンルームマンションの購入契約を締結していましたが「妻が亡くなり、もう無理して投資をする必要もない」と契約の解約を申し入れてきました。ところが今回の契約は、初期費用を抑えたいという海野の申し出から、黒須の提案で手付金を支払わず、契約締結後に「中間金」を支払う形にしていました。

 

一般的には、「手付金」は売買代金の5~10%の現金が契約締結時に支払われ、買主は手付金を放棄すれば、売主は手付金を倍にして返却すれば、契約を解約することができる「解約手付」の意義を持ちます。

 

「中間金」は売買代金の3%以下で契約締結後に支払われます。中間金が支払われると「契約の履行に着手」したとみなされるため、双方の合意がないと解約はできず、和解金は通常「20%程度+α」といわれています。

 

黒須は、いったんは海野を見捨てる腹づもりにもなりましたが、永瀬や月下、それに藤原の協力もあり、なんとか転売先を見つけることもできました。

 

いよいよ榎本美波との関係にも結論か?

 

黒須は、誤解した海野ともみ合い、ケガもして、登坂不動産を辞めて実家の旅館を継ぐことに。藤原が思ったよりもいい人っぽい感じで、人間関係にも変化が見えてきました。

 

永瀬と榎本美波(演:泉里香)との関係も、いよいよ結論が出そうです。あと2話、いったいどんな結論となるのでしょうか? 永瀬にはどんでん返しなどなく、幸せになってほしいなあ。楽しみです。へばっ!

 

 

プロフィール
早坂 龍太(宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士)
龍翔プランニング代表取締役。北海道大学法学部卒業。石油元売会社勤務を経て、北海道で不動産の賃貸管理、売買・賃貸仲介、プランニング・コンサルティングを行う。

 

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公開日:2024年2月27日

ある日突然、嘘(うそ)がつけなくなってしまった不動産仲介会社の営業マンが、独特の商慣習で動く不動産業界で奮闘する姿を描くNHKドラマ『正直不動産2』。第8話が2024年2月27日(火)夜10時に放映されました。

 

山下智久演じる主人公の不動産営業マン永瀬財地は、前シリーズでは嘘をもいとわないセールストークで売上ナンバーワンでした。ところがある日を境に、不思議な風が吹いてくると嘘がつけなくなることからナンバーワンの座から滑り落ち、客とのやり取りでもしくじって窮地に陥ります。しかし、その正直さが逆に、ライバルのミネルヴァ不動産をはじめとする悪徳業者にだまされそうになる客の心を動かしてきました。

 

今シリーズでも引き続き、ミネルヴァ不動産とのバトルは続きます。シーズン2も残すところあと3話。大人気ドラマ『正直不動産2』のレビューを、監修を担当したREDSではどのメディアよりも早く、そして詳しくお届けします。REDSのSNS「X」「Facebook」ではレビューと解説記事がサイトに掲載されたらお知らせ投稿をしていますので、ぜひフォロー&通知ONのうえ、見逃さないようにしていただければ幸いです!

 

(不動産のリアル編集部)

 

不動産投資

(写真はイメージです)

 

地元で評判の永瀬とクレームの嵐の黒須。今回のテーマはワンルーム投資

 

商店街を通勤する永瀬と月下咲良(演:福原遥)。すると永瀬が店主から「店の家賃の相談に乗ってもらって助かった! この人も困ってるみたいでさ、助けてやってよ」なとど声をかけられます。月下は「商店街であんなに信頼される永瀬先輩、不動産営業としてうらやましいです」と見直した様子です。

 

一方、黒須圭佑(演:松田悟志)にはまたもクレームの電話が。「最近多いよな……」と大河部長(演:長谷川忍)もため息をつく中、トイレに向かい、個室でもどしています。「なんであんなコネだけのボンボンに負け続けちまうんだ」と成績1位の藤原結弦(演:馬場徹)にイライラを募らせる黒須。「フルコミ」で働く黒須は「売上こそが存在価値。トップじゃなきゃ居場所がなくなる」という立場。相当ストレスの多い毎日を送っているようです。

 

そこに、永瀬を指名の上で会社員の篠崎文彦がやってきました。なんと、ミネルヴァ不動産の神木涼真(演:ディーン・フジオカ)から紹介されたというのです。3年前に投資用ワンルームを購入したものの、契約した「TBGコーポレーション」という会社が倒産、その後も赤字続きで困っていたところ、神木にそれを売った上で新たに『ジュエル八起』(築20年、20㎡、駅徒歩10分、1,800万円)の物件の購入を勧められたと。価格の高さに気乗りしない様子の篠崎に、神木は登坂不動産で永瀬を指名して見積もりを取るように言ったというのです。

 

永瀬「マンション投資はサラリーマンが片手間に手を出すものじゃない」

 

現場を見た永瀬は割高であり、黒字になるか分からないので購入には反対だと告げます。「投資物件でそれ言ったらおしまいっす。究極にタムパ最高じゃないですか、不労所得って。ガチで夢ありますよね?」と口を挟んだ十影健人(演:板垣瑞生)を風に吹かれた永瀬が一喝。

 

「その夢は、醜い悪夢のような現実にしかならない! そもそもマンション投資なんて、サラリーマンが片手間に手を出すものじゃないんです! 現実的に考えれば、固定資産税や管理費など月々の支出で、赤字予想しかできません! 投資で黒字を出すには常に不動産の市場価格や市場金利の動向をつかむ努力が必要なの!」 

 

「神木さんがデータ的には(ローンを払い終えた30年後に)1,800万円以上で売れる可能性があるって……」と食い下がる篠崎に、永瀬は「数字は嘘をつかない。だが、嘘つきは数字を使う」とぴしゃり。さらに、不動産業界の裏側を暴露するように続けます。

 

「いいですか、不動産業界に巣くう一部のハイエナどもは、あなたのような情報弱者にすぐ目をつけます。そして、数年ごとに物上げ屋が現れては、格安でマンションを買い上げ、さらにそこにワンルーム屋が現れて、新たな物件を売りつけることを繰り返す。まさに無限ループ地獄にたたき落とすんです!」

 

永瀬はその足でミネルヴァに乗り込み、神木と対峙。なぜ篠崎を送り込んだのか問い詰めると神木は「勝負したくなってね。俺が勧める明らかに割高なワンルームを篠崎さんが買ったら俺の勝ち。買わなかったらお前の勝ち。どうだ?」と笑みを浮かべてタップを踏みました。さらに、「簡単じゃない」もう一人を登坂に派遣したと告げてきました。「簡単じゃない」とは……。

 

ミネルヴァの不穏な企み! 神木の〝虎の巻〟とは

 

永瀬があわてて帰社すると、すでに派遣された海野慶人に黒須が投資用ワンルーム物件の案内をしていました。海野はすでに赤字続きのワンルームを抱えており、新しく買うなら手付金や諸費用など初期費用のかからない物件にしたいとの意向です。

 

一方、ミネルヴァ不動産では、鵤社長(演:高橋克典)と神木がよからぬ話をしています。神木が投資用ワンルームマンションを売りまくっているおかげで、「資金調達が万全で次の計画もやりやすくなった」と鵤。いったい何を企んでいるのか……。

 

神木は後輩からどうしたらあんなに次から次へと投資用ワンルームが売れるのかを尋ねられ、「顧客リストだよ。TBGコーポレーションのな」とあっさり明かしました。それを聞いた花澤涼子(演:倉科カナ)は「2年前に行政処分を受けて倒産したワンルーム専門の販売会社。恫喝、恐喝、何でもありの営業スタイルで、ひどいときは相場の3倍近い価格で物件を売りつけた。それも通報されないように、気弱そうな客を狙って」と解説します。

 

さらに神木が「TBGコーポレーションの強引な営業スタイルの生みの親は、鵤社長だ。これ(USB)は社長から1,000万で買った」と衝撃の告白。あっけにとられる後輩に「欲しいなら売ってやる。900万円でどうだ。使いこなせるならな」と言い残してその場を去りました。

 

神木の懐柔劇! 篠崎の娘が永瀬に通報した理由とは

 

篠崎がワンルーム投資をする理由は娘、琴乃の学費のためでした。有名私立高校に進学したため、学費が想定より跳ね上がったとのことです。しかし、妻は乗り気ではありません。そのため、新規購入はあきらめることを神木に伝えました。そこで神木の懐柔劇が始まります(悪用厳禁!)。

 

「気づいてますか? 篠崎さんは今、勝利か敗北かを決める分岐点に立たされています。敗北が決定するのはいつだと思いますか? 戦うのをやめたときですよ」「あなたならできますよ」

 

かつてのスポーツ漫画で見たようなセリフを交えながら、「コンコルド効果(これまでの投資分を惜しんで止められなくなる心理的傾向)」や「ダニングクルーガー効果(能力や経験が低い者ほど、自らを過大評価してしまう心理現象)」を駆使して篠崎の翻意を迫ります。

 

結局、篠崎は神木の懐柔に負けてしまい、契約の意向を固めてしまったようで、激怒する妻には神木に吹き込まれた屁理屈を力なく繰り返すばかり。翌日、ミネルヴァに向かう篠崎夫妻の前に息を切らした永瀬が立ちはだかりました。永瀬を呼んだのは娘の琴乃。父がワンルーム投資を始めた理由が自分が私立高校に進学したのが理由だと思って、永瀬に相談したそうです。結局、篠崎夫妻は神木からマンションを買うのを取りやめ、抱えているワンルームは永瀬に売却を依頼することにしました。

 

ところで、琴乃はなぜ永瀬に連絡したのでしょうか。彼女は商店街の清掃ボランティアに参加していて、永瀬のことを知っていたというのです。「みんな言ってました。登坂不動産の永瀬さんは、正直で頼りになる人だって」という琴乃。

 

「好事門を出でず」というように、とかくこの世は世知辛いもので、よい行いをしても世間にはなかなか広まらないのが現実です。しかし、永瀬の日頃の行いは、思わぬところで実を結んでいたようです。

 

突然の契約解除にうろたえる黒須。中間金とは

 

さて、もうひとり、神木が登坂不動産に派遣したという海野。突然、契約解除を申し入れ、黒須が取り乱しています。黒須は今回の契約は〝奥の手〟を使ったために一方的な解除はできないと伝えていたようです。海野はどんな事情で解約を希望し、黒須はどんな手を使ったのでしょうか。

 

まず、海野には病弱な妻がおり、ワンルーム投資で貯蓄を増やそうとしていたのだそうです。しかし、妻は急逝。通常の不動産売買なら、売買契約時に手付金を支払うのですが、今回は初期費用を抑えるために手付金をゼロで契約して、その後に「中間金」が支払われていたといいます。

 

番組では、中間金について以下のように説明されていました。

 

“中間金とは本来、不動産売買契約成立後に、代金の一部として支払う「内金」のことである。手付金を払わず、中間金を払うことによって取引した場合、初期費用を抑えることは可能になる。しかし、中間金を払った時点で「契約履行の着手」、すなわち契約の実行を開始したということになり、その後の契約解除は難しくなる。違法ではないが、かなり強引といえる。通常は使わない営業手法なのである”

 

契約解除のためには売主、買主双方の合意が必要となり、多額の違約金が発生します。海野は2,000万円のワンルーム物件を契約しており、違約金の額は400万円に上るそう。永瀬も月下も藤原も十影も黒須のピンチに協力、3日後の決済までに海野に代わる新たな買主を見つけて、売主に違約金の減額を迫るため、動き出しました。

 

神木、悪魔のささやき……。黒須が受難

 

そのころ、疲れ切った様子の海野が夜の公園のベンチで缶ビールをあおっていました。隣に神木が座り海野に言い聞かせていました。「中間金で取引ですか。強引な手だ。もしかして、その黒須とかいう営業、海野さんを利用したのかもしれない。自分の成績のために海野さんを犠牲にしたんですよ」

 

登坂不動産オフィスでは、みんなで営業電話をかけ続ける中、黒須が買い手を探し当てます。黒須はすぐに売主と話をつけ違約金は全額免除に。黒須は月下とともに海野に報告に向かいます。階段にさしかかり、下りようとしたところで鉢合わせしたのは海野でした。気づいて笑顔を見せた黒須に、海野は「何笑ってんだ!」と駆け寄り、つかみかかりました。もみ合いの末、黒須は階段から激しく転落! 月下の絶叫が響き渡りました。

 

このことを知った花澤が問い詰めると、神木の返事は戦慄するような内容でした。「海野さんは俺が営業をかけたときから、すでに精神的に参っている感じだったよ。ビジネスにするのは難しいが爆弾にはなると思って登坂に送り込んだ。思った以上の結果に驚いている、狙っていた的からも、少しズレてしまったしね」

 

明らかに、「錯乱した海野を使って、永瀬に有形力の行使を企てていた」と言ったに等しいではありませんか。『正直不動産』もシーズン1からこのエピソードまで、言葉でのバトルはあったものの、だれかに危害が加わるということはありませんでしたので、残す2話の展開に少し怖さも感じてしまいますね。

 

黒須、不動産引退! 永瀬と美波の同棲バレる

 

入院している黒須の見舞いに行った永瀬と月下に、黒須は愛媛の実家に帰って家業の旅館を継ぐことにしたと打ち明けました。黒須の最後の営業成績は永瀬に僅差をつけてトップ。「これでお前は一生俺に勝つことはない!」と豪快に笑う黒須。トップを争った営業マンどうしの爽やかな別れとなりました。

 

一方、同棲を始めた永瀬と榎本美波(演:泉里香)の仲も、ついに行きつけの居酒屋の仲間にバレてしまいました。永瀬も「ただいま絶賛同棲中! 今どきはやらない、押しかけ女房だけどな!」と言い放ち、美波にツッコまれながらも、一同「おめでとう!」と大盛り上がりです。残り2話、永瀬と美波の恋の行方が楽しみです。

 

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公開日:2024年2月21日

不動産流通システムREDSエージェント、宅建士の伊藤靖陽と申します。

 

2024年2月20日に放映された『正直不動産2』第7話に出てきたテーマ「デート商法」「手付の貸与」「耐震偽装」について解説します。

 

今回の第7話も、不動産業界で働く私から見ても大変面白い内容でした。

 

永瀬財地(山下智久)と月下咲良(福原遥)の名コンビが問題を解決していくやり取りや、ミネルヴァ不動産の神木涼真(ディーン・フジオカ)と花澤涼子(倉科カナ)の悪徳っぷりが大変面白いのですが、個人的には永瀬財地に好意を抱く!?光友銀行の融資係・榎本美波(泉里香)のお見合い話もあり、恋愛ドラマのような展開になっていて、また違った楽しみ方が増えたと思います。今後が気になりますね。

 

第7話に出てきた「デート商法」「手付の貸与」「耐震偽装」、この3つのポイントに絞り解説させていただきます。

 

※REDSはドラマの監修も担当しており、当日の放送直後にドラマの内容紹介をいち早くお届けしています。こちらの記事もご覧ください。REDSのSNS「X」「Facebook」ではレビューと解説記事がサイトに掲載されたらお知らせ投稿をしていますので、ぜひフォロー&通知ONのうえ、見逃さないようにしていただければ幸いです!

 

タワマン購入

(写真はイメージです)

 

ミネルヴァ不動産の花澤が手を染めた「デート商法」

 

今回ミネルヴァ不動産の花澤涼子(倉科カナ)のターゲットとなった綿村は婚活アプリの登録者。アプリ内の男性登録者には「家持ち(お金持ちのステータス)」の男性が多く、女性からのアプローチも多いとのことでした。

 

綿村は35歳で大企業に勤める理系オタク。プロフィールには「30代でマンション購入めざしています!」と登録していて、そこに付け込んだのが花澤というわけです。

 

花澤がやったエグいデート商法、被害者は増加中

 

花澤は結婚願望のある「ようこ」を演じてアプリに登録。綿村と連絡をとりデートの約束を取り付けます(この時点でやることが悪徳すぎます)。デート当日、「ようこ」が体調を崩して来られないと綿村に伝え、「ようこ」の友人を演じる花澤(一人二役……。さらに悪徳営業っぷりが過熱します!)

 

うまく綿村を誘い、マンション購入させ、その後落ち着くと、「ようこ」からの連絡が途絶える……という計画でした。

 

一見、こんな話があり得るの?と思ってしまいますが、実は今、こうした「デート商法」の被害者が増えているのです。

 

「デート商法」は「恋人商法」とも呼ばれ、異性への恋愛感情を巧みに利用して高額な商品を売りつける悪質商法。最近はインターネットの婚活サイトなどで被害者に近づいたうえで、不動産投資などを持ちかけ、投資用マンションを購入させる商法が増えています。

 

婚活サイトなどで投資コンサルタントなどをかたって相手に近づき、「ふたりの将来のため」などという甘い言葉とともに、専門家を装ってアドバイスしながら高額な投資用マンションを購入させるという、かつてよりも大胆で巧妙な手口に変化しています。

 

ドラマでも「ようこ」は「結婚したら旦那様と素敵なお家に住みたい」と甘い言葉で巧みに誘っています。綿村は結婚への期待感もあって割とあっさりマンション購入を決意します。

 

今回の被害者は男性ですが、女性が被害に遭う場合もあります。こうした被害に遭わないためには、まず、結婚を目的とする婚活サイトで本来の目的以外の勧誘(今回のようにマンション購入など)をしつこく受けたら、その話は疑ってみましょう。高額な投資を勧める人は、本当に信用できる人でしょうか。おかしいと思った場合は、ひとりで悩まず、家族や友人に相談しましょう。

 

デート商法は特商法の「訪問販売」にあたる

 

特定商取引法によれば、「訪問販売」とは業者が客先に訪問する形態のみならず、業者の営業所以外の場所で客を呼び止めて同行させる形態も含むとされており、いわゆる「デート商法」は、特定商取引法上、訪問販売として扱われることになります。

 

特定商取引法は事業者による違法・悪質な勧誘行為を防止し、消費者の利益を守ることを目的とする法律で、訪問販売や通信販売等の消費者トラブルを生じやすい取引類型を対象に、事業者が守るべきルールと、クーリング・オフ等の消費者を守るルール等を定めています。

 

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〇クーリング・オフ
特商取引法は、「クーリング・オフ」を認めています。クーリング・オフとは、契約の申込み又は締結の後に、法律で決められた書面を受け取ってから一定の期間内(※)に、無条件で解約することです。
※訪問販売・電話勧誘販売・特定継続的役務提供・訪問購入においては8日以内、連鎖販売取引・業務提供誘引販売取引においては20日以内。通信販売には、クーリング・オフに関する規定はありません。
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宅建業者のクーリング・オフ条件

 

特定商取引の民事ルールではクーリング・オフが決められた期間内であれば、可能となります。しかし、一般的に訪問販売は特商法の制限を受けますが、宅建業者は特定商取引の制限を受けず(適用除外)、宅建業法による制限のみとなり、注意が必要です。

 

【宅建業法上のクーリング・オフの適用条件】
条件1:売主が宅建業者であること
条件2:買主が宅建業者以外であること
条件3:申込みや契約の場所が宅建業者の事務所や自ら申し出た自宅・勤務先以外であること
条件4:代金を支払っていない、引渡しを受けていないこと
条件5:クーリング・オフの説明を受けてから8日以内であること

 

売主が宅建業者の場合だと「クーリング・オフ」が可能となる場合がありますが、売主が個人の場合にはどうなのかというと、残念ながら契約解除はできません。

 

デート商法による損害賠償請求の裁判例

 

しかし、最近の裁判例によれば、「デート商法」によりマンション購入契約をさせられたとする買主の購入代金全額の損害賠償請求が容認された事例もあります。

 

●判例①
SNSで知り合った者から勧誘を受け、市場価格と比して異常に高額で自宅及び投資用として複数のマンションを購入させられ、売買代金相当額の損害を被ったとして、買主がそれらの購入にあたり、コンサルを行い、売主となった宅建業者に対してその賠償等を求めた事案において、買主の請求がほぼ認められた事例(東京地裁 令和3年7月20日判決 ウエストロー・ジャパン)

 

●判例②
マンションの買主が、婚活サイトで知り合った者の言葉巧みな話術で好意を抱かされ、これにつけ込まれて購入するに至ったとして、同人、当該物件を紹介した会社及び同社の代表者に対して売買代金、諸費用及び弁護士費用等の支払を求めた事案において、これら3者の共同不法行為責任を認め、売買代金と諸費用の合計額から当該マンションの現存価値を差し引いた金額及びそれと相当因果関係のある弁護士費用に限り請求が認容された事例(東京地裁 平成26年4月1日判決 一部認容 ウエストロー・ジャパン)

 

デート商法により投資用等のマンションを購入させられた被害者による、売主等であった宅建業者に対する損害賠償請求がほぼ全面的に認容された事例です。ただ、いくら裁判で勝訴したとしても、被害に遭えば経済的な負担は大きく、手口に気付いた後の精神的なダメージは計り知れないですね。

 

国民生活センターからも同様の被害についての相談が各地の消費生活センターにも寄せられているとして、必要以上の個人情報の提供や、契約締結には慎重な判断を促す内容の注意喚起のプレスリリースが出されております。また、婚活サイトなどを通じたデート商法によって投資用マンションなどを購入させられたとする相談は、2009年度以降急増し、その相談者の7割近くが女性で、30歳代が最も多いそうです。

 

ちなみに【特定商取引法の罰則】ですが、業者は、訪問販売を行う際には、その勧誘に先立って、客に対して、業者名・勧誘目的・勧誘する商品やサービスの種類等を告知する義務を負い(特定商取引法第3条)、その告知義務に違反して、公衆の出入りする場所以外の場所で商品やサービスの勧誘を行った場合、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科されることになります(同法第6条第4項等)。さらに、上記禁止行為を、法人の代表者・管理人・その他の従業者が法人の業務として目的隠匿勧誘を行った場合には、その法人に対して1億円以下の罰金刑が科されることになります(両罰規定)。

 

手付の貸与(契約の誘引行為)は絶対にご法度!

 

花澤の巧みなデート商法により不動産購入を決めた綿村ですが、手付金がありません。

 

手付金とは売買契約が結ばれた際に相手方の債務不履行の有無を問わず解約権を認める目的のため、あるいは相手方に債務不履行があった場合には損害賠償もしくは違約金として買主から売主に対して支払われる金銭です。

 

取引を最後まで円滑に進める意味があり、問題なく引き渡しが終われば売買代金に補填されます。全額返還されるのは、解約になるときだけなので基本的に戻ってこないと考えておきましょう。また、手付金は現金で支払う必要があるので、頭金なしで購入を考えている人は注意が必要です。

 

つまり、手付金がないということは不動産の売買契約をすることができないということです。

 

花澤は焦ります。なんとか綿村に購入してもらわなければ自身の成績は伸びず、同僚の神木に負けてしまいます。

 

ここで花澤、全力の悪知恵が働きます! なんと500万円をミネルヴァ不動産の社長、鵤聖人(高橋克典)から捻出し、それを綿村に貸付け、不動産売買の手付金として使用させるという離れ業をやってのけました! さすがミネルヴァ不動産の社長! 見た目からして悪徳を極めています。

 

まとめます。手付金が用意できない客に、「貸し付けますから」とか「後でいい」、「分割でいい」などと言って契約を急がせ不動産を売りつける『契約の誘引』は宅建業法違反です。

 

もしこれらを実行した場合は、罰則として6カ月以下の懲役、もしくは100万円以下の罰金、またはその両方が科せられるうえ、営業停止は確実。場合によっては宅建免許取消しというキツいペナルティーも科されます。

 

今回、花澤はそれだけ重いことをやっているのです。

 

平成時代、世間を騒がせた耐震偽装マンション

 

終盤、神木が、榎本美波(泉里香)の祖母(早苗)に高値で売りつけようとした「へブンリークエスト八起」は、耐震偽装疑惑で住人トラブルになっているにもかかわらず、その事実を説明していませんでした。これは告知義務違反に当たり、当然契約の解除(白紙解約)を要求できます。

 

耐震偽装事件として、もっとも有名なのは2005年11月に姉歯秀次一級建築士が構造計算書を偽造していたことを国土交通省が公表したことに始まる一連の事件ではないでしょうか。「姉歯事件」、いわゆる「耐震偽装事件」です。

 

高層ビルを建てるとなると耐震設計が必須となります。1981年に建築基準法が改正され、建物は震度5に耐えるように設計されることになっていました。ところが、外見からは基準値を満たしているかどうかわかりません。設計の段階で、国土交通大臣認定構造計算ソフトウェアの計算結果から、ビルの構造が震度に耐えられるかどうかを判断します。姉歯事件では、この計算結果の偽装を繰り返し、ビルを建築して売っていたということです。

 

当時も検査はありましたが、行政や民間の指定確認検査機関は、提出された構造計算書の偽装改ざんを見抜くことができませんでした。その結果、建築が承認されてしまったのです。もちろん行政から承認された建物は建てられました。

 

地震国日本では、建築基準法はとても重要です。熊本地震があった2016年には約6500回、東日本大震災があった2011年にはなんと約1万回もの地震が発生していました。他の年においても平均して約2000回も毎年地震が起こっています。そんな日本だからこそ、特にビルであるマンションやホテルなどは、耐震基準を厳守して建てられているかどうかはかなり重要なのです。

 

その他、耐震にかかわる問題としては、2016年三井不動産レジデンシャルが販売した横浜市のマンションが傾いた杭問題や、2018年大手油圧機器メーカーKYBおよびその子会社カヤバシステムマシナリーが発表した免震制振オイルダンパーの検査データ改ざん問題などがありました。

 

もし購入を検討している物件がこうした物件だったらそれは恐ろしいことでしょう。もしそういった物件に該当した建物であれば、不動産業者はそれを伝えなければなりませんし、消費者としてはしっかり状況を確かめる必要があります。

 

告知義務について

 

中古の不動産なら「屋根が老朽化して雨漏りがする」「扉がガタついて開きづらい」などの不具合や欠陥がある可能性もあります。このような不動産の不具合や欠陥のことを「瑕疵(かし)」といい、売却時には不動産の瑕疵を買主へきちんと伝えなくてはいけないという「告知義務」があります。

 

告知義務のある不動産の瑕疵は4種類あります。

 

1.物理的瑕疵:雨漏り、シロアリ、地盤沈下、土地に廃棄物が埋まっているなど 
2.環境的瑕疵:近所の工場、ごみ屋敷、電車の振動など
3.法律的瑕疵:建築不可物件のため、増改築ができないなど
4.心理的瑕疵:過去にあった事件事故、自殺他殺、暴力団事務所、火葬場など

 

以上は必ず買主様へ告知しなければなりません。

 

不動産に瑕疵があるのに告知をせずに売却するのは告知義務違反です。売却後に買主から補修請求や減額請求、契約解除、損害賠償請求をされる可能性があります。

 

まとめ

 

第7話で取り上げた3つのポイントは、みなさまご自身とは関係ない話と思っていらっしゃるかもしれませんが、意外と身近で起こっているものです。

 

どうか『正直不動産2』をご覧いただき、「こんなこともあるのか」「こういう場合は気を付けよう」など気づきを得てほしいと思います。

 

また、不動産取引は複雑すぎて、大変専門性の高い内容が多々あります。何かご不明点などあれば、そんな時はお気軽に不動産流通システムへご相談ください。経験豊富なエージェントがご案内させていただきます。

 

私からは以上です。
それでは第8話に続きます!!

 

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公開日:2024年2月20日

ある日突然、嘘(うそ)がつけなくなってしまった不動産仲介会社の営業マンが、独特の商慣習で動く不動産業界で奮闘する姿を描くNHKドラマ『正直不動産2』。第7話が2024年2月20日(火)夜10時に放映されました。

 

山下智久演じる主人公の不動産営業マン永瀬財地は、前シリーズでは嘘をもいとわないセールストークで売上ナンバーワンでした。ところがある日を境に、不思議な風が吹いてくると嘘がつけなくなることからナンバーワンの座から滑り落ち、客とのやり取りでもしくじって窮地に陥ります。しかし、その正直さが逆に、ライバルのミネルヴァ不動産をはじめとする悪徳業者にだまされそうになる客の心を動かしてきました。

 

今シリーズでも引き続き、ミネルヴァ不動産とのバトルは続きます。そんな大人気ドラマ『正直不動産2』のレビューを、監修を担当したREDSではどのメディアよりも早く、そして詳しくお届けします。REDSのSNS「X」「Facebook」ではレビューと解説記事がサイトに掲載されたらお知らせ投稿をしていますので、ぜひフォロー&通知ONのうえ、見逃さないようにしていただければ幸いです!

 

(不動産のリアル編集部)

 

男女

(写真はイメージです)

 

今回のゲストキャラはマッチングアプリでカモにされた男と榎本美波の祖母

 

カフェで仕事をしていたミネルヴァ不動産の花澤涼子(演:倉科カナ)は、近くの席のOLの話し声から、ある婚活アプリの男性会員に〝家持ち〟が多いと知りました。「30代で億ションに住んでいたり、実家相続してるようなセレブ系に出会えるんだって」といいます。

 

花澤はさっそく「ようこ」という名前で登録。男性会員のプロフィールを検索していると、「綿村博士、35歳、TNNデータのSE、年収700万円」といういかにも理系オタクの男性が出てきました。自己アピール欄に「30代でマンション購入めざしています!」と書かれているのにくぎ付けとなり、早速「イイね」をつけました。

 

一方、永瀬は前話のラストシーンで意中の榎本美波(演:泉里香)から「恋人になってほしいと迫られていました。それは、見合いを勧める故郷の祖母に結婚したい人がいると嘘をついたら確かめに来ると言われたので、恋人のフリをしてほしいとのこと。嘘がつけない永瀬にそんな役が務まるのでしょうか。同僚の月下咲良(演:福原遥)は「ボロが出ないようにフォローする」と言うのですが……。

 

ミネルヴァの支店長の座をかけ花澤VS神木バトル勃発

 

ミネルヴァ不動産では、鵤社長(演:高橋克典)から、今月の売上トップを立川にオープンさせる2号店の店長にすることが告げられました。ライバルの神木涼真(演:ディーン・フジオカ)は、今月はすでに売上は絶好調のようです。射るようなまなざしを向けた花澤は、婚活アプリで綿村に会いたいとメッセージを送りました。

 

駅前のロータリーで綿村を見つけた花澤は「ようこは体調を崩した」とのメッセージを送った後、「ようこの友人」と名乗り、「会話が続くか分からないから同席を頼まれた」と嘘をついて接近しました。花澤は綿村から「30代でマンション購入を考えていると言うと、ようこは賛成してくれた。貯金は1,000万円ある」との情報を引き出したところで名刺を差し出してズバリ斬り込みます。

 

ようこの部屋を仲介したと嘘をつき、さらに「この近くにようこちゃんが『結婚したら絶対住みたい!』って決めてるマンションがある」と誘い、連れ出しました。席のついたての向こうには神木の姿が。なぜここに神木がいたのかは謎ですが……。

 

業界のタブー「勧誘の誘引」に手を染めてしまう花澤……

 

内見している綿村は「本当にようこちゃんがここに住みたいって言ってたんですか?」と花澤に疑問をぶつけました。アプリでの言葉のやり取りだけで綿村が「ようこ」に対して勝手に抱いたイメージに過ぎないのですが、「思ったよりも庶民的」というのです。部屋は5,000万円、手付金500万円を払って35年ローンで毎月の支払いは約11万円。

 

花澤は「『ようこちゃんのために買ったんだよ』ってサプライズしたらきっと喜ぶと思いますよ」とあおります。しかし、綿村は「手付金が払えない」と言い、媚びるようなまなざしを向けてきました。しかし、不動産会社が客に手付金を用立てることは業界のご法度。ドラマではこう解説されていました。

 

“手付金が用意できない客に「貸し付けますから」「後でいい」「分割でいい」などと言って契約を急がせて不動産を売りつける「契約の誘引」は宅建業法違反だ。バレたら、罰則として6カ月の懲役、もしくは100万円以下の罰金、またはその両方が科せられる。不動産屋の営業停止は確実。場合によっては宅建免許取り消しというキツーいペナルティも科される。だから不動産屋は、この「契約の誘引」というやつにだけは絶対に手を出さない!”

 

もちろん花澤がこれを知らないわけがなく、葛藤します。しかし神木に「2位なら敗者のトップ」とあおられ、鵤社長に腹をくくって切り出しました。「くれぐれも内密に」と分割で貸し付けた綿村には感謝されるのですが……。

 

綿村に追い詰められる花澤、裏にやはり神木の暗躍

 

後日、綿村は花澤に契約をなかったことにしてほしいと申し出ます。突然、関西に転勤が決まったことが理由だとか。花澤は「今、契約を解除すると、買い手都合の契約解除になって、手付金は戻ってこないんですよ」と食い下がるも、逆に宅建業法違反を指摘されます。さらに「返済する義務はないですよね。それでも払えとおっしゃるなら、東京都住宅政策本部に訴えます。ミネルヴァ不動産の営業停止は確実……」と言われ、花澤は動けなくなりました。

 

オフィスに戻った花澤は神木と同僚の西岡将生(演:伊藤あさひ)の会話から、神木が裏で糸を引いていたことを知ってしまいました。「なんでそんなことまで?」と怒りを隠せない花澤ですが、地団駄を踏むしかなく……。

 

美波の祖母が神木にだまされる?

 

永瀬が美波の祖母と面会する当日。美波から「祖母は東京に来ているようだが、連絡がつかない」と告げられました。祖母の近影を見せてもらうと、2日前に登坂不動産を訪れ永瀬に「孫にタワマンをプレゼントしたい」と相談した人でした。祖母は子供の頃から美波に結婚するときには家を買ってあげると口癖のように言っていたそうです。

 

そんな祖母はミネルヴァ不動産で神木の案内を受けていました。神木は祖母にVRで高級タワマン『ヘブンリークレスト八起』の内見をさせています。8,000万円だというその物件を買うために、神木は祖母が所有している自宅と畑が大規模開発で高く売れる、と持ちかけました。難色を示す祖母に神木は「お孫さまご夫婦と一緒に暮らせばいいじゃないですか、タワマンで。大都会を一望しながらの、かわいいお孫さんとの至福の時。それはまさに楽園!」などとまくしたて、祖母もまんざらではない様子です。

 

そこに永瀬、月下、美波が飛び込んできました。神木の企みを察知した花澤が月下に連絡したのです。しかし、祖母はすっかり買う気になっていました。そこに風に吹かれた永瀬が一喝します。

 

「ありがた迷惑って言葉をご存じですか? お孫さんの気持ちをちゃんと確かめたんですか? タワマンを買ってもらうことを本当に望んでいるのか。不動産で一番大切なのは、そこで暮らす方ご自身の夢と人生設計です」

 

神木は「けれど、夢も人生設計も幸せも、ふとしたすきに一瞬で消え去ってしまうものです。つかみかけたら絶対に手放してはいけません。買い時とは、買いたいと思ったその瞬間なのです」と余裕で反論してきました。

 

そこに割って入った美波、タワマンは要らなければ秋田の実家も売らないように祖母に訴えました。「あそこにはばっちゃんとの思い出がたっくさん詰まってる。私にとっても、大切な宝物なんだよ」。月下も「榎本さんが、毎日お元気に過ごしていることが、美波さんにとって一番のプレゼントなんですよ」と告げると、祖母は我に返り、契約はなかったことにしたいと神木に申し出ました。

 

手付金800万円は戻らない?

 

8,000万円のタワマンを購入する契約をすでにかわしていた祖母は800万円の手付金を払うことになっていました。この時点での契約解除は買い手都合となり、祖母は手付金を支払わなければなりません。

 

そのとき永瀬は、祖母が契約したのが耐震偽装疑惑で住人トラブルになっているマンションであることに気づきます。神木がそのことを知らないわけがなければ、祖母に告知するはずもありません。怒りのあまり、神木を平手打ちしかけた美波を制止した永瀬は「神木さん、あなたは価値が下落しているそのタワマンを欠陥住宅であることを伏せて、高値で売りつけようとした。明らかに告知義務違反だ!」と詰め、見事、契約を解除させました。

 

月下は花澤に謝意を伝えますが、花澤も不動産営業マンとしてやってはいけないことをしてきただけに、浮かない顔です。失った500万円を自腹で返済することを鵤社長に伝えたところ、鵤社長は「いらん。仕事で返せ。お前は不動産屋の営業だ」と突き返しました。ミネルヴァの中でも良心が残っているはずの花澤、「ケジメは不要」だとした社長の言葉をどう受け取るのでしょうか。

 

美波が永瀬と一緒に暮らす?

 

数日後の朝。永瀬が自宅で寝巻きのままバナナをかじっているとドアをノックする音が。そこにいたのは大きな荷物を手にした美波でした。「来ちゃった。今日から私、ここに住みますので。最終選考です」。美波の目は真剣そのもの。呆然とする永瀬ですが、ふたりの関係は今後どうなるのでしょうか。次回、第8話。『正直不動産2』も残すところあと3話です。

 

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公開日:2024年2月14日

NHKで放映されている『正直不動産2』の不動産業界の裏側を描いたドラマ。主人公の永瀬財地(山下智久)は、嘘八百、口八丁で営業成績ナンバー1のエース営業マンでしたが、ある日古い祠を壊してしまいウソがまったくつけなくなり、正直な営業をするしかなくなります。

 

永瀬が後輩の月下咲良(福原遥)とともに、さまざまな困難を乗り越えながら営業成績を上げようと奮闘する姿を描いた痛快!ビジネスコメディードラマです。

 

2024年2月13日に放映された『正直不動産2』第6話に出てきたテーマ「家賃滞納」「AD物件」について解説します。

 

※REDSはドラマの監修も担当しており、当日の放送直後にドラマの内容紹介をいち早くお届けしています。こちらの記事もご覧ください。REDSのSNS「X」「Facebook」ではレビューと解説記事がサイトに掲載されたらお知らせ投稿をしていますので、ぜひフォロー&通知ONのうえ、見逃さないようにしていただければ幸いです!

 

賃貸借契約書

(写真はイメージです)

 

家賃を滞納したときに考えられるリスク

 

今回は役者として憧れの舞台に立つことを夢見て上京してきた清川明日美からある相談を受けます。月下は当時、明日美に無理のない家賃の「アンビシャス八起」という物件を紹介し、入居していました。

 

ところが明日美は家賃を3カ月滞納してしまっていました。オーディション対策に集中したためバイトの時間が思うように取れなかった、というのですが……。

 

家賃滞納した場合のリスクについて解説します。一般的に以下のようなリスクが考えられます。

 

1.遅延損害金の発生:遅延損害金とは、金銭の支払いを遅滞したときに、債権者に生じた損害を賠償するために支払うお金です。遅延損害金の金額は、契約書に記載がある場合はその金額を(上限利率年利14.6%)、記載がない場合は、契約の時期にもよりますが、法定利率で滞納分の一律3%の金額を請求されます。

 

2.強制退去:家賃を滞納し続けると、強制退去させられる場合があります。滞納から強制退去までは3カ月~半年程度かかる場合が多いようです。

 

3.連帯保証人への影響:賃貸契約をする際、賃貸契約書に署名した連帯保証人は、借主と同様に家賃の支払い義務があります。そのため、家賃を滞納すると連帯保証人にも支払いの督促が行われます。

 

4.信用情報へ登録:「賃貸保証会社」に加入している場合、家賃滞納すると家賃を滞納すると、保証会社共有の信用情報機関に延滞情報が記載されることがあります。

 

3カ月滞納で明け渡し訴訟から強制退去も

 

永瀬と月下、十影は家賃滞納の件で猪口オーナー(アンビシャス八起)のところへ相談にいきます。このとき永瀬が猪口オーナーに「家賃滞納が3カ月超えた場合、最後通告となる内容証明郵便を送り、それでも支払われない場合、建物明け渡し訴訟を提起することができますが」といったセリフについて解説します。

 

明け渡し訴訟とは、借主を強制退去させるために貸主側が行う訴訟のことを指し、以下のような手続きがあります。

 

1.任意交渉:まず、家賃の支払いを催告します。

 

2.契約解除:家賃滞納が続き、借主が何らかの連絡に応じなかった場合、契約解除の通知が内容証明郵便で送られます。

 

3.明け渡し訴訟:契約解除の通知後も立ち退かなかった場合、裁判所に「不動産明渡請求訴訟」を提起します。

 

4.強制退去・強制執行:裁判所からの明け渡し命令が出た後、借主が自主的に退去しない場合、強制執行の申し立てが行われます。

 

家賃滞納が3カ月以上続くと、一般的に契約解除事由に該当すると解釈されています。ただし3カ月という期間はあくまでも目安であり、借地借家法に「3カ月の家賃滞納が続いたら契約解除できる」と明記されているわけではありません。

 

借地借家法に基づく契約解除は、賃貸借契約が当事者相互の信頼関係を基礎とする継続的契約であることを理由に、賃貸人と賃借人との間の信頼関係が破壊するに至った場合に限り、契約の解除を認めています。

 

賃料の不払いの場合は催告解除が原則です。また、賃貸借のような継続的な契約関係では、ただ単に債務不履行があるというだけではなく、その債務の不履行が当事者間の信頼関係を破壊する程度の債務不履行でなければ解除は認められないとされています。

 

一般的には、3カ月分以上の賃料の滞納がある場合には、賃貸借契約の催告解除が有効と解されています。改正民法541条ただし書きでは、催告期間が経過したときの債務の不履行状態が軽微であるときは契約の解除はできない旨が定められています。

 

例えば、賃料が月額10万円、3カ月分の30万円の滞納があった場合に、相当期間(一般的には1週間程度と考えられる)を定めて催告し、その期間が経過した時点で、賃借人が29万5,000円を支払ってきた場合、残りの5,000円の未払いが軽微なものと判断されれば、契約の解除はできないことになります。

 

家賃を滞納しないためには、家賃の支払い期限を頭に入れておくこと、または家賃が自動引き落としされる場合には、残高があるか定期的に確認し、口座への入金を欠かさず行うことが重要です。もし家賃を滞納してしまったら早めに大家さんや管理会社に連絡し相談することが重要なことはいうまでもありません。

 

AD(広告料)と仲介手数料との関係

 

フルコミッション(完全歩合制)で登坂不動産といわゆる業務提携という形で勤務している黒須が接客した片桐と、永瀬が接客した青江が登坂不動産にそろってやってきました。

 

片桐と青江のふたりは今年の春に同じ大学に合格し、偶然同じマンションを契約したといいます。片桐の初期費用の精算書には仲介手数料が計算に入っています。ところが青江の精算書には仲介手数料が入っていないというのです。

 

まず、この仲介手数料について解説します。

 

不動産の仲介手数料とは、不動産取引(売買や賃貸)を行う際に、売主(貸主)と買主(借主)の間に入って取引をサポートする不動産仲介会社に支払う成功報酬のことを指します。宅地建物取引業法(宅建業法)により、賃貸の仲介手数料の上限は「家賃の1カ月分+消費税」と定められています。 

 

■貸借の媒介に関する報酬の額(原文ママで引用)
《宅地建物取引業者が宅地又は建物の貸借の媒介に関して依頼者の双方から受けることのできる報酬の額(当該媒介に係る消費税等相当額を含む。以下この規定において同じ。)の合計額は、当該宅地又は建物の借賃(当該貸借に係る消費税等相当額を含まないものとし、当該媒介が使用貸借に係るものである場合においては、当該宅地又は建物の通常の借賃をいう。以下同じ。)の一月分の一・一倍に相当する金額以内とする。この場合において、居住の用に供する建物の賃貸借の媒介に関して依頼者の一方から受けることのできる報酬の額は、当該媒介の依頼を受けるに当たって当該依頼者の承諾を得ている場合を除き、借賃の一月分の〇・五五倍に相当する金額以内とする。》

 

となっており、貸主や管理会社からADという形で報酬をもらっているので登坂不動産ではAD物件の場合、仲介手数料をとらないという決まりなのでしょう。

 

業界慣習ではADは払うのが当たり前

 

このAD物件の「AD」とは、アドバタイズメント(広告料)の略で、不動産業界におけるADとは、「大家が仲介業者に依頼して掲載してもらった賃貸募集広告に発生した広告料」のことを指します。「広告宣伝費」や「業務委託料」、「入居促進費」などとも呼ばれます。

 

AD付きの物件は、賃貸募集図面(マイソク)で「AD」を付けて表示されます。「AD100」は賃料の1カ月分、「AD200」は賃料の2カ月分の広告料を意味します。

 

今では「ADを払う=当たり前」「ADを多く払う=仲介頑張る」「ADを払わない=紹介に消極的になる」という構図が業界の慣習になっています。

 

まとめ

 

今回の解説は「家賃滞納」と「広告料(AD)」というテーマでお話させていただきました。最後のシーンで意中の銀行員、榎本美波から恋人になってもらえませんかと言われた永瀬。次回第7話では永瀬と美波の恋の行方が楽しみですね。

 

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公開日:2024年2月13日

ある日突然、嘘(うそ)がつけなくなってしまった不動産仲介会社の営業マンが、独特の商慣習で動く不動産業界で奮闘する姿を描くNHKドラマ『正直不動産2』。第6話が2024年2月13日(火)夜10時に放映されました。

 

山下智久演じる主人公の不動産営業マン永瀬財地は、前シリーズでは嘘をもいとわないセールストークで売上ナンバーワンでした。ところがある日を境に、不思議な風が吹いてくると嘘がつけなくなることからナンバーワンの座から滑り落ち、客とのやり取りでもしくじって窮地に陥ります。しかし、その正直さが逆に、ライバルのミネルヴァ不動産をはじめとする悪徳業者にだまされそうになる客の心を動かしてきました。

 

今シリーズでも引き続き、ミネルヴァ不動産とのバトルは続きます。そんな大人気ドラマ『正直不動産2』のレビューを、監修を担当したREDSではどのメディアよりも早く、そして詳しくお届けします。REDSのSNS「X」「Facebook」ではレビューと解説記事がサイトに掲載されたらお知らせ投稿をしていますので、ぜひフォロー&通知ONのうえ、見逃さないようにしていただければ幸いです!

 

(不動産のリアル編集部)

 

通帳を見て悩む女性

(写真はイメージです)

 

今回のゲストキャラは一人暮らしの大学生と女優の卵

 

マダム(演:大地真央)は登坂社長(演:草刈正雄)に預けた孫の十影健人(演:板垣瑞生)の様子が気になるようです。十影はまだ社会人としては半人前のようで、失礼にも客の面前でため息をついてしまい、永瀬に肘打ちを食らっています。その客とは、この春から一橋大学に進学するという青江慎吾です。

 

この回のもうひとりのゲスト登場人物は女優志望の清川明日美。小さい役ながら念願の本並劇場でのキャストに決まったのですが、そのオーディションに全力投球したためにアルバイトがおろそかになり、5万9,000円の家賃を3カ月も滞納してしまい、月下咲良(演:福原遥)に相談しています。明日美は次のオーディションも控えていて、今住んでいる場所を失うわけにはいかないとのことでした。

 

新顔・黒須はフルコミだった!

 

桐山の紹介で入社することになった黒須。彼の雇用形態が実は「フルコミ」だったことが大河部長(演:長谷川忍)によって明かされました。「フルコミってなんすか?」と尋ねる十影に黒須は「フルコミはフルコミッションの略で完全歩合制ってこと。登坂不動産がフリーの僕と業務提携したって感じだね」と解説。同僚の藤原結弦(演:馬場徹)は「会社名義の名刺も営業に使う手土産も自前。コピーですら1枚10円」とデメリットを付け足しました。

 

大河は「フルコミは固定給がない分、社員と違って成約を取れば取っただけ儲かる。しかもわが社のフルコミに対する歩合は売上の60%! 月収は青天井だ!」と言います。不動産営業のフルコミは、利益の40〜50%が相場といいますから、登坂不動産は好条件といえます。たとえば6,000万円の物件を仲介すると、会社が得られる利益(仲介手数料)は上限で186万円(税別)となり、歩合率が60%ならば約112万円が報酬となります。

 

ただ、病気やケガで働けなくなったり、売上がなかったりしたら月収はゼロとなります。向いている人が限られる働き方といえるでしょう。

 

滞納家賃を全額支払うか、退去せよ!

 

日が変わり、登坂不動産オフィス。永瀬は藤原から、地主仲間のアパート経営者が家賃を滞納している借主に困っていて、家賃を払わせるか退去させるか、どちらでもいいので速やかに解決してほしい、と相談を受けました。前話で藤原に借りを作った永瀬は受けざるを得ません。

 

続いて、月下からは家賃滞納した明日美のためにオーナーと直談判に行くのでアドバイスを、と持ちかけられます。板挟みになった永瀬は、十影も伴ってオーナー宅に向かいました。

 

オーナーは「若者の夢を応援したいから待ってあげたいけど、友人にたしなめられた」「裁判をしてまで追い出したくない」というどっちつかずの主張のようです。

 

そこで十影が「世間の目が気になるってことですね」と立場をわきまえない突っ込みをすると、永瀬までもが「その頃(昭和)の大家は地方から出てきた若者の親代わりのような存在で、学業や就職、懐具合まで心配したのです! それをあなたはのらりくらり、結局は自分のお金の心配ばかり!」と言い放ってしまいます。

 

この放言に激怒したオーナーは「滞納分の家賃を放棄するから退去する」「住み続けたいなら滞納分をすぐに全額支払う」の二者択一をたたきつけました。

 

AD物件とは?

 

冒頭の大学生、青江が友人の片桐紀一を連れてオフィスにやってきました。以前、片桐に青江と同じマンション(家賃9万円)を黒須が仲介。同じ家賃で、青江は仲介手数料がゼロだったのに、片桐は9万9,000円になっていたというのです(仲介手数料は消費税をプラスして請求する)。

 

黒須が「明らかにミスです、直ちに返金させていただきます」と謝罪したのですが、永瀬は黒須の不正を疑いました。青江と片桐、それぞれに渡された物件図面を見比べると、青江のほうにだけ小さく「AD200」の文字が。これは「AD物件」と呼び、「200」とは200%の意味で、オーナーが不動産会社に賃料の2カ月分を広告料として支払う、という意味です。

 

ドラマではこう説明していました。“AD物件とは、貸主や管理会社がなるべく早く借主を探してもらいたいときに、頑張ってくださいねー、という意味で、広告料という名の紹介料を仲介業者に支払っている物件のことである。つまりは、この物件に関して、我々は仲介手数料を取らなくても収益を得ることができるのだ。”

 

全日本不動産協会は、AD(広告料)について、以下のような見解を示しています。

 

●賃貸の媒介に関して依頼者の双方から受けることのできる報酬の額の合計額は、借賃(消費税等相当額を含まない)の1月分の1.1倍に相当する金額以内である。
● 依頼者の依頼によって行う広告の料金に相当する額については、報酬規程に定められる報酬とは別に受けることができる。
●しかし、報酬と別に受けることができる広告の料金は、大手新聞への広告掲載料など報酬の範囲内で賄うことが相当でない多額の費用を要する特別の広告の料金である。通常必要とされる程度の広告宣伝費用は、営業経費として報酬の範囲に含まれている。
●宅建業者は、定められた額をこえて報酬を受けてはならない。ADなどと称して、通常必要とされる程度の広告宣伝費用を報酬規程の範囲外で広告料を受領することは、宅建業法に違反する違法行為である。

 

登坂不動産では、AD物件は仲介手数料を取らないという内規にしていたようです(あくまで登坂不動産の内規であり、現実には取る会社もあるようです)。

 

ミスだという黒須に対し、永瀬は黒須の不正を追及。しかし、会社にとっては客の前で醜態をさらしているだけであり、大河部長に一喝されてその場は収まりました。

 

マダムが明かす十影の過去

 

永瀬はマダムに呼ばれ、月下を伴ってレストランに向かいました。そこにいたのはマダムと十影。しかし、マダムの前でも、仕事に対する姿勢をめぐって十影と永瀬、月下の話はかみ合いません。ついに月下がマダムに「十影はどうしてあんなにねじくれ曲がってるんですか? Z世代だからじゃすみませんよ」とぶちまけてしまいます。

 

マダムは「私のせいよ」と切り出しました。なんでも、十影の祖父(マダムの死別した夫)はマダムにほれ込み、借金をして貢いでいて、前妻との間にできた息子(十影の父)のことは気にかけてなかったとか。借金の肩代わりは十影の父が行い、十影は子供の頃から家中が督促状の山。借金取りが自宅の呼び鈴を鳴らすのを息を潜めてやり過ごす日々で、父はまもなく借金に追われたままこの世を去ったということでした。

 

「扱いづらい子を押しつけちゃったみたいね」とわびるマダムに永瀬と月下は改めて一人前に育てることを約束するのですが……。

 

「夢をかなえるために退去せよ」

 

月下は永瀬と十影を伴って明日美に話を伝えに行きました。保証人となっている両親に家賃を肩代わりしてもらうという提案も、いったん実家に帰って生活を立て直すという提案もNO。ついに十影が「家賃が払えないのに夢がどうとか言ってないでさっさとアパートを出て行くべきですよ。悪あがきをしないで現実を見るべきっす」と言ってしまいました。

 

永瀬はパワハラにならないようにと我慢していますが、風に吹かれて「無駄に思えることも、振り返ってみれば意味や価値があったなんてこと、いくらでもあるんだよ! 仕事で結果も出したことのない奴に何が分かる? お前なんか本当は失敗が怖くてかっこつけてるだけだろ! そんな奴もう辞めちまえ」と十影を面罵。十影も「じゃ、辞めます」と切り返します。

 

「家賃を払えない私は、夢をあきらめなきゃダメですか?」と食い下がる明日美。そんな彼女に十影は意外な言葉を返します。「逆っす。夢をかなえるために、あのアパートを出るべきだって言いたかったんすけど。滞納している家賃を払うために、朝から晩までバイトしてんすよね? それでも全額は払えない、借金は残る。しかも、その間、舞台のことはできてないっすよね? なんか違くないっすか? あのオーナー、出て行くなら滞納金はチャラでいいって言ってんだし……。それだと、選択肢は決まってくるっつーか……」

 

ここで風に吹かれた永瀬、明日美に「通訳しますと、あの部屋を出て今より安い物件に引っ越す以外に選択肢はないということなんです!」と説明しました。

 

その後の話し合いで、明日美は今より1万4,000円安い4万5,000円の物件を紹介することになりました。立地は悪いものの、リフォームもされて防犯カメラも設置されています。明日美は「みなさんにこれほど寄り添っていただけて……今、とてもうれしくて」と泣き崩れました。

 

永瀬はオーナーに「昭和の大家は地方から出てきた若者の親代わりのような存在で、学業や就職、懐具合まで心配した」と言いましたが、令和の時代にその役を担っているのは、まさに永瀬たち「カスタマーファーストな正直不動産」であるように感じた一幕でした。

 

ただ、「すぐに退去するなら滞納家賃(17万7,000円)はチャラにする」というオーナーの提案も、実はかなりの恩情が込められたものではないでしょうか。明日美はこのオーナーにも大いに感謝するべきでは、とも感じました。もちろん、敷金(賃料の未払いや退去時の原状回復費用に備えてオーナーや管理会社に担保として預ける費用)から差し引かれるのでしょうけど……。

 

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公開日:2024年2月7日

人気コミックが原作のNHKドラマ「正直不動産2」第5話「善意の代償」が2月6日(火)夜10時から放送されました。1月9日(火)に開始したシーズン2もいよいよ第5話、半ばを迎えてドラマも佳境に向かいます。

 

今回の物語は、主人公の永瀬財地(演:山下智久)が中学時代の同級生の若村桃花とその夫の若村直から新居購入の相談を受けるところから始まります。ライバル会社のミネルヴァ不動産が住宅ローンにフラット35を、メリットだけを強調して勧めたのに対し、永瀬はデメリットをきちんと正直に説明。まずは理想の住まい探しを優先し、フラット35よりも金利の安い民間のローンを提案したことで無事、永瀬が成約することとなりました。

 

また、永瀬の後輩の月下咲良(演:福原遥)は、お客様のことを一番に考える「カスタマーファースト」をモットーとして、いつも一所懸命に営業しています。今回は、店舗の仲介をした黒熊猫ラーメンの経営が悪化しているとのことで、無給でお店を手伝ってみたり、新メニューを考案したり、いつもの調子で悪戦苦闘しています。

 

いつもの「正直営業」と「カスタマーファースト」が功を奏する展開なのかな、と思わされますが、今回は一味違うようです。なぜなら第5話のタイトルは「善意の代償」です。

 

ドラマの監修を担当したREDSではどのメディアよりも早く、そして詳しく、レビュー記事と解説記事をお届けします。REDSのSNS「X」「Facebook」ではレビューと解説記事がサイトに掲載されたらお知らせ投稿をしていますので、ぜひフォロー&通知ONのうえ、見逃さないようにしていただければ幸いです!

 

内見

(写真はイメージです)

 

フラット35とはどんな住宅ローンなの?

 

まずミネルヴァ不動産が、お客様に強力に勧めていた「フラット35」とは、どんな住宅ローンなのでしょうか。ドラマの中では永瀬の上司の大河真澄部長(演:長谷川忍)が、箇条書きでメリット・デメリットを説明していましたが、ここでも説明してみます。

 

「フラット35」とは、「全国300以上の民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供する、最長35年の全期間固定金利住宅ローン」のことです。住宅金融支援機構とは、政府系金融機関であり、フラット35は、「政府による持ち家促進のための金融商品」といえます。

 

フラット35の特徴とメリット・デメリット

 

その特徴は主に4つです。

 

●固定金利:全期間通して固定金利
●質の高い住宅普及を促進する多彩なメニュー:地方公共団体と連携、子育て支援型、地域活性型などのメニューを設定、住宅金融支援機構が定める技術基準に基づく物件調査を実施、適合する物件が融資対象
●保証人不要・繰り上げ返済手数料不要
●安心サポート:任意の加入だが、新機構団信や新3大疾病付機構団信により契約者の病気や死亡に備えることが可能。自営業や就職・転職したばかりの人や契約社員でも融資可能

 

メリット・デメリットをまとめてみました。

 

メリット 金利が全期間固定のため、返済期間がたてやすい
市場金利が上がっても金利が上がらない
保証料などの諸経費や保証人が不要
自営業や転職したばかりの人でも借りやすい
デメリット 金利が割高
市場金利が下がっても恩恵を受けられない
融資対象の物件に条件がある

 

実際にご利用になりたい方は、詳細が住宅金融支援機構のホームページに記載されていますので、ご参照ください。
初めての方へ:長期固定金利住宅ローン 【フラット35】

 

ドラマの中では、ミネルヴァ不動産は、自営業や勤続1カ月の方でも利用できるメリットを強調して勧めていました。それ自体は間違いではないと思います。自営業や転職したばかりの人は、たとえ収入や資産状況に問題がなくても、民間の住宅ローンの審査は厳しくなりがちだからです。

 

しかし、若村直のように、大手流通会社に勤めていて収入が安定しているのであれば、民間の住宅ローンでも十分融資が承認されるでしょう。金利も低水準とはいえ、民間の方が低金利ですし、今後もっと下がる可能性もあります。

 

永瀬が勧めたように、フラット35のメリットと民間のローンのメリットを比較して、自分にとってメリットが大きいのはどちらなのか、自分の状況の何を重要視することが自分にとって最適なのか、という比較検討をしたうえで、住宅ローンのタイプを決定することが重要です。

 

月下の「カスタマーファースト」は偽善? ライバルの花澤に軍配が上がる

 

月下は、自分が店舗(テナント)仲介をした「黒熊猫ラーメン」というラーメン店を、終業後に無給で手伝っていました。客足が減ってアルバイトも辞めて困っているので、自分が少しでも役に立てば、という理由からといいます。素人ながらに新メニューを検討したりもしています。

 

月下は「今は苦しくても頑張っていこう、それが店主のためだ」と思っていました。それが月下の考えるカスタマーファーストです。しかし、店主は、月下に内緒でライバルのミネルヴァ不動産の花澤涼子(演:倉科カナ)に相談して閉店の段取りを組んでしまっていたのです。

 

月下は「どうして相談してくれなかったのか」と憤りますが、花澤に「あなたのカスタマーファーストは偽善だ」と言われ、永瀬にも正直に「偽善中の偽善! ただただ自分の考えだけを無理やり押し付けているまさしく妖怪カスタマーファーストそのものだ!」と断じられてしまいます。

 

永瀬は、花澤のいわゆる「ハイエナ店舗仲介」は、「言葉は悪いが地道な努力が必要」「店主のことをより考えていたのは月下より花澤さんと言わざるを得ない」と評価しました。

 

ハイエナ仲介とは?

 

「ハイエナ店舗仲介」について、改めてご説明しましょう。

 

通常、不動産業者は、店舗の貸主から依頼を受けて、借主を探し、借主と貸主が賃貸借契約を締結すれば、その報酬として仲介手数料を最大で賃料の1か月分を得ることとなります。借主が店舗を閉店して解約した場合も、通常は解約の予告を受けた貸主の依頼で、店舗が空になることを前提に次の借主を探すこととなります。

 

賃貸借契約では、解約の際には6カ月前予告も必要になります。また借主は、解約して返却する場合は借りたときの状態に戻して返却する「原状回復義務」があります。店舗の賃貸借では原状回復費用は借主負担が基本です。

 

ドラマのように、ラーメン店さんなどが経営難に陥って閉店を考えるときには、この2つの条件が重くのしかかることとなります。6カ月前に退去を決めても店舗の造作や内装を解体する期間や閉店後退去日までは、収入がなくてもカラ家賃を払わなければなりませんし、解体費用そのものも大きな負担です。店主としては日常の営業とは別にこうした撤退戦略を同時に描かねばなりません。

 

ハイエナ店舗仲介は、そうした店主の救いとなる営業方法です。経営が苦しそうな店舗を探し、信頼関係を築き、撤退の相談を受ければ、同業種の店子を見つけるために奔走し、解体費を浮かし造作や什器の譲渡金が入るように交渉し、貸主とは解約の条件や新しい店子との賃貸借契約もまとめます。

 

その代わり、仲介手数料のほかにコンサルなどの名目で手数料を取ることも一般的です。しかし、本来は解体費用やカラ家賃を払うことになる借主の負担は減り、新しい店子も新規の設備投資よりも安価に手当てすることができ、貸主も空テナントの期間を作るリスクを減らすことができます。

 

筆者も、誰にとっても決して悪いことではないと思います。やはり、ここは花澤のほうが店主のことを考えた結果となっているといえるでしょう。

 

ちなみに造作の譲渡手数料は、不動産の売買ではなく、付随する別契約とされる場合が多く、手数料も宅地建物取引業法の対象ではないため、法的に上限は定められていません。「造作の対価が300万円までは30万円、それ以上は対価の10%」など、業者や地域によって慣習的に設定されているようです。

 

永瀬の言動は、直への配慮に欠けるもの! お客様への節度は重要

 

落ち込む月下に、永瀬は「月下は店子に肩入れし過ぎる傾向が強い」と正直に言い放ちます。しかし、永瀬のほうも、ちょっとした、しかし、若村直にとっては重大なミスを繰り返していたのです。

 

中学の同級生である若村桃花に希望どおりの家を見つけてあげられること、正直な自分を評価してくれていることをうれしく思うあまり、「バイソン」などとあだ名で呼びかけ、妙に親し気な態度で、桃花とだけ熱心に話し込んでしまっていました。それは、後輩の十影ですら、違和感を覚えるほどですから、夫である直が、嫉妬とまではいわないにしても疎外感に浸ってしまうことは無理もない、といえるでしょう。

 

筆者にも経験がありますが、不動産業者の場合、知り合いや昔の同級生の方がお客様となる場合は意外と多いものです。そうした方たちに対しては、「普通の不動産業者に比べて自分自身のことを信頼しているからこそ、大事な住宅選びの際にご指名していただける」と思うので、とてもうれしく感じてしまい、仕事中も友達感覚があふれてしまいがちです。

 

しかし、だからこそ、そうした「業者とお客様」といった関係の時には、節度を保った言葉使いや、身だしなみ、態度を意識するようにしています。特にお客様が、異性の方やご夫婦の場合は、関係性にあらぬ誤解を抱かれないように注意が必要だと思います。永瀬にはそうした配慮が足りなかったような気がします。

 

フラット35の投資利用は犯罪です

 

疎外感に悩んでいた直は、ミネルヴァ不動産の神木たちのセールストークに乗せられて、フラット35の虚偽の申請で、投資を目的としてマンションを購入してしまいました。民間のローンで購入したマンションは販売するということにして、フラット35のローンでマンションを購入、ローンの支払いよりも高い家賃で貸すことができれば節約などしないで済む、妻の桃花を永瀬ではなく直が幸せにできる、と焚きつけたのです。

 

先ほどご紹介した、住宅金融支援機構のホームページでも、フラット35の不適正利用に対する注意喚起が特記されています。
【フラット35】の不適正利用に巻き込まれないために:長期固定金利住宅ローン 【フラット35】 

 

フラット35が
●建物の価値主体のローンであり、比較的借りやすいローンであること
●他の目的ローンやフリーローンに比べて低金利であること
などを理由に、

 

*自らは居住するつもりがなく、投資目的で住宅を取得すること
*融資住宅に自ら居住せずに、事務所または店舗として利用すること
*自動車の購入費用など住宅取得費以外の費用を上乗せして申し込むこと
*消費者ローンなどの返済に充てる費用を上乗せして申し込むこと(おまとめローン)

 

といった不正利用があとを絶ちません。

 

こうした虚偽の内容で融資を受けることは犯罪(詐欺罪)であり、不動産業者ではなく、融資を受けた本人が責任を問われることになります。また、不適正な目的で融資を受けることは、ローン契約違反であり、住宅金融支援機構からは、融資の残債務について一括返済請求が行われることなります。絶対に甘い誘いに乗ってはいけません。

 

永瀬は直から事情を聞いて、神木を責め立てましたが、神木は「通報すればよい、お前の口で友人を地獄へ落とせ」と突き放します。永瀬は若村夫妻を思うと、どうしても通報することはできませんでした。

 

新たな登場人物、新たな展開がどうやら今後も?

 

永瀬と月下の営業スタイルに懸念を抱いていた永瀬の同僚の藤原が、フラット35で購入したマンションの売却に目星をつけていてくれていたため、なんとか事態は収拾しそうです。しかし、自力で解決することはできなかったため藤原に貸しを作ることにもなりました。

 

ドラマの終わりには桐山や永瀬の新しいライバルとなりそうな黒須が登場します。ミネルヴァ不動産との競合も、ただでさえ手ごわい神木に、勢いが復活した花澤が加わり、ますます激化していきそうです。

 

こうした厳しい状況下で、「正直営業」の永瀬、「カスタマーファースト」の月下は、今回の「ちゃんとお客様と向き合っていなかった」という教訓を生かすことができるのでしょうか?

 

筆者も、他人様から見ると、いかにも、なんともうさん臭さが常に漂うこの業界にいるからこそ、「正直営業」が王道、といわれる世界になっていくことを願っています。永瀬や月下が、報われる業界であってほしいものです。

 

 

プロフィール
早坂 龍太(宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士)
龍翔プランニング代表取締役。北海道大学法学部卒業。石油元売会社勤務を経て、北海道で不動産の賃貸管理、売買・賃貸仲介、プランニング・コンサルティングを行う。

 

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公開日:2024年2月6日

ある日突然、嘘(うそ)がつけなくなってしまった不動産仲介会社の営業マンが、独特の商慣習で動く不動産業界で奮闘する姿を描くNHKドラマ『正直不動産2』。第5話が2024年2月6日(火)夜10時に放映されました。

 

山下智久演じる主人公の不動産営業マン永瀬財地は、前シリーズでは嘘をもいとわないセールストークで売上ナンバーワンでした。ところがある日を境に、不思議な風が吹いてくると嘘がつけなくなることからナンバーワンの座から滑り落ち、客とのやり取りでもしくじって窮地に陥ります。しかし、その正直さが逆に、ライバルのミネルヴァ不動産をはじめとする悪徳業者にだまされそうになる客の心を動かしてきました。

 

今シリーズでも引き続き、ミネルヴァ不動産とのバトルは続きます。そんな大人気ドラマ『正直不動産2』のレビューを、監修を担当したREDSではどのメディアよりも早く、そして詳しくお届けします。REDSのSNS「X」「Facebook」ではレビューと解説記事がサイトに掲載されたらお知らせ投稿をしていますので、ぜひフォロー&通知ONのうえ、見逃さないようにしていただければ幸いです!

 

(不動産のリアル編集部)

 

不動産の契約

(写真はイメージです)

 

永瀬の中学時代の同級生桃花(バイソン)が客として登場!

 

22年前、永瀬の中学校で行われた体育祭。男女混合リレー女子の走者に選ばれた梅村桃花。他の生徒からは「足が遅いからうちのクラス優勝なくなったわ」と陰口を叩かれています。

 

そこに永瀬が「確かにみんなの言うとおり、バイソン(梅村)は足が遅い。はっきり言って、そこら辺の小学生にも負けるぐらいだ」と言い放ちます。風に吹かれるとバカ正直にものを言ってしまう今の永瀬をほうふつとさせる言動です。「でも安心しろ、バイソン。何人抜かれてもアンカーの俺が全員抜き返してやるから」という永瀬の言葉に心が揺れる様子の桃花で……。

 

37歳になった桃花は4つ年下の夫、若村直(すなお)と結婚していました。永瀬が不動産会社勤務であることを思い出し、登坂不動産に家探しに訪れたそうです。しかも、事前にミネルヴァ不動産にも回ったということで、嫌な予感がします。

 

ミネルヴァで勧められた「フラット35」とは?

 

若村夫妻はミネルヴァ不動産では契約を急かされただけでなく、やたらと「フラット35」という住宅ローンをメリットだけを強調して勧められたそうです。どうやらミネルヴァはほかの客にもフラット35を推しているようです。

 

ところで「フラット35」とはどんな住宅ローンなのでしょうか。ドラマではこう解説されていました。

 

“フラット35とは民間金融機関と住宅金融支援機構の提携による最長35年の長期固定金利型住宅ローンのこと。
メリットは金利が全期間固定のため、返済計画が立てやすい。保証料などの諸経費や保証人が不要。さらに自営業や転職したばかりの人でも借りやすいという点がある。
一方のデメリットは金利が民間のローンに比べ、割高なことや、金利が固定のため市場金利が下がっても恩恵を受けられないこと。さらには融資対象となるには、物件に条件があることだ。”

 

その話を聞き、永瀬は「フラット35を利用するかどうかより、まずは理想の住まい探しを最優先するべきだと思いますよ」と提言。桃花は絵を描くのが趣味だったことを思い出し、絵を描く専用の部屋を作るなど、夫婦が住みたい家のイメージを考えるよう促しました。

 

「フラット35」を推しまくるミネルヴァ不動産の目的は?

 

ミネルヴァに断りの電話を入れた直によって、神木は妻の桃花の同級生が登坂不動産にいることを知りました。登坂不動産に憎しみを抱いている神木は、同僚の西岡(伊藤あさひ)を誘い不気味に動き出します。

 

後日、内見で訪れた中規模マンションを桃花は気に入り、つい永瀬の手を握り、ウキウキした声を出してしまいます。複雑な表情で後ろから妻を見つめる直。その様子を西岡は見ていました。西岡は神木に連絡を入れると、神木はさらに調べるよう命じました。桃花たちはミネルヴァのターゲットにされたようです。

 

美波を連れ出したラーメン店になぜか月下が

 

永瀬は行きつけの居酒屋でばったり会った取引先の銀行員、榎本美波(演:泉里香)をラーメン店に連れ出しました。そこに出前から戻ってきたエプロンに三角巾をした女性店員、なんと月下咲良(演:福原遥)でした。

 

この店舗の仲介をしたのが月下で、月下は客足が減ってアルバイトも辞めてしまったこの店の手伝いを無償でやっているのだとか。

 

永瀬と仲良しの妻にモヤモヤする夫を懐柔する神木

 

永瀬は若村夫妻にフラット35よりも民間金融機関の住宅ローンを勧めます。「旦那様、大手の流通会社にお勤めですよね。お仕事が安定しているので金利が安い民間のローンのほうが私としてはおすすめです」と永瀬が言うと、「永瀬君が言うなら信用できる。そうしよう」と応じる桃花。永瀬は桃花ばかりに話しかけ、直は蚊帳の外に置かれている感じです。

 

後日、直は桃花が探していた画集を見つけ、それを手に帰宅すると、桃花は絵の道具を片付けていました。「新居買うんだし、これから節約しないと。だから絵画教室も辞めてきた」といいます。新居を買うために妻がしている行動の端々にモヤモヤを募らせる直。そこに神木から電話が来ました。

 

日が変わり、直は神木と西岡になぜか高級料理で接待されていました。「僕にもっと甲斐性があれば、妻を楽にさせてあげられるのですが」と言う直に神木は「奥様に楽をさせてあげましょう。もう一部屋、マンションを買うんです」と持ちかけました。「住居用ではなく、投資用に買うんです。フラット35を利用すればローンは組めますよ。自己資金がゼロでも組めますし、月々のローン返済額より、高い家賃収入があればいいんです」とたたみかけます。

 

ミネルヴァが教えるフラット35悪用の〝裏技〟とは?

 

しかし、フラット35は投資用不動産には利用できないルールです。フラット35を利用して住宅を取得すれば自分で住まなければなりません(転勤などで一時的に住まなくなった場合は賃貸にも出せるが、再び住む予定がないまま利用していれば不正となる)。

 

ところが、悪質な業者はいるもので、客にフラット35の不正利用の手口を教えて投資用物件を買わせようとする例が次々と明らかになっています。不正が発覚すると、数千万円になることもある残債の一括返済を求められ、最悪の場合は警察沙汰になることもあります。

 

直はそのことを知っていて抵抗しますが「裏技があるんですよ」と神木。〝裏技〟はこうです。

 

“まず登坂不動産から買ったマンションを売りに出す→実際には売らず、書類上「売りに出ている」ということにする→フラット35を使って埼玉・大宮のマンションを買う→ここに夫婦で住んでいるフリをする(実際には住まない)→大宮のマンションは他人に17万円で貸して12万円のローンを返せば年間60万円のもうけが出る”

 

〝ハイエナ店舗仲介〟で花澤に完敗した月下

 

日が変わり、登坂不動産オフィス。永瀬と十影健人(演:板垣瑞生)は月下に誘われ、くだんのラーメン店に。ところが「閉店」と張り紙がしてあり、店主は道具を片付けていました。そこにミネルヴァの花澤涼子(演:倉科カナ)が現れ、店主から相談を受けたことを明かします。

 

永瀬は「なるほど、ハイエナ店舗仲介か」とポツリ。「潰れそうな死に体の店をチェックしてすり寄り、いよいよってときに声をかける。『店じまいをするなら、ご負担を減らすお手伝いをしますよ』って。この時点でもう次の店子(たなこ)を見つけている、そして食器や厨房機器を新しい店子に売り、コンサルなどの名目で家賃2、3カ月分をぶっこ抜く」と詰め寄りました。

 

花澤は認め、月下に向かって「あなたのカスタマーファーストは偽善よ」と鼻で笑いました。そこに風が吹き、永瀬も「月下がやっているのは偽善中の偽善! 相手のことなんて1ミリも考えないで、ただただ自分の考えだけを無理やり押しつけている、まさしく妖怪カスタマーファーストそのものだ!」と強烈な言葉を浴びせてしまいます。

 

絶句する月下に、花澤は「お店をたたむときには解体費とかかなりお金がかかる。でも次の同業種の店子が見つかっていれば、そのまま居抜きで貸せるから解体費が浮く。什器まで買ってもらえれば、負担はさらに軽減するの」と解説。すると店主は「花澤さんには店舗オーナーと交渉してもらったり、新しいラーメン屋さんを見つけてもらったり、本当に助けていただいたんです」と明かしました。

 

永瀬も「ハイエナ店舗仲介っていうのは言葉は悪いが、地道な努力が必要なんだ。成約にこぎ着けるまでかなりの手間と交渉力が問われる。それだけのことを花澤さんはやっていた。今回、河原さん(店主)のことをより考えていたのは、月下より、花澤さんと言わざるを得ない」と同調。3話の狭小住宅の件では花澤に勝利した月下ですが、今回は完敗です。

 

永瀬も神木に打つ手なしの完敗!

 

後日、「助けてください。僕はミネルヴァ不動産にだまされたのかもしれません」と直が登坂不動産に駆け込んできました。事情を聴いた永瀬は神木と対峙。フラット35の融資契約違反を突きつけました。

 

しかし、神木は不敵に笑いながらどこかに電話をかけ始めます。「確かに表沙汰になったら大打撃だ。ただ、若村さんはうち以上の致命傷を負うだろうな。融資金額の一括返済を求められたら夫婦で路頭に迷う」。

 

電話の相手は住宅金融支援機構でした。神木は「さあ、ヒーロー、不正を見つけたと報告しろ。全てを正直に言えば、お前の友人は地獄に落ちる」と永瀬を追い詰めます。永瀬は電話を切ろうとしますが、風に吹かれ、切ることができなくなり、不正利用があったことを伝え始めてしまいます。必死に自分の口を閉じようとしたところに、さらに強烈な風が。全力で抵抗しながら腕を伸ばして電話を切りました。

 

疲れ果てて膝をつき、肩で息をする永瀬に「これで、不正を見逃したお前も共犯だな。それでよく正義のヒーロー面ができたな。正直営業が聞いてあきれる」と立ち去る神木。永瀬は「そんなやり方してたら、あんた、地獄に落ちるぞ」というのが精いっぱいでした。

 

意外な救世主と登坂に現れたニューフェイス

 

永瀬は「この状態は違法に借りた住宅ローンになる。下手をすれば刑事告訴や民事裁判。最悪、逮捕される可能性もある」と若村夫妻に説明。善後策としては「買ったばかりのマンションを売って大宮に住むか、フラット35で融資を受けた3,800万円を一括返済するしかない」と言います。この3,800万円も大宮の相場を上回っており、売れたとしても赤字になるのは自明です。

 

永瀬の力をもってしても、もはや打つ手なし――。そのとき、飛び込んできたのは登坂不動産の藤原でした。「私がその大宮の物件、買ってくれる人を探しましょうか?」と持ちかけると、夫妻は生き返ったような表情でその話に乗りました。

 

永瀬は藤原に大きな貸しができてしまいました。

 

後日、登坂不動産オフィスで永瀬の席に座り、足を机の上に置いて電話している男(演:松田悟志)がいました。「桐山の紹介で入ってもらった」と説明する登坂社長。「今日からお世話になります、黒須圭佑です。よろしくでーす」。

 

調子のいい黒須の態度に一同、絶句するばかりで……。

 

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公開日:2024年1月31日

NHKドラマ『正直不動産』は、不動産業界の裏側を描いたドラマ。主人公の永瀬財地(山下智久)は、嘘八百、口八丁で営業成績ナンバー1のエース営業マンでしたが、ある日古い祠を壊してしまいウソがまったくつけなくなり、正直な営業をするしかなくなります。

 

永瀬が新入社員の月下咲良(福原遥)とともに、さまざまな困難を乗り越えながら営業成績を上げようと奮闘する姿を描いた痛快!ビジネスコメディードラマです。

 

ここから2024年1月30日に放映された『正直不動産2』第4話に出てきたテーマ「家賃保証」「入居審査」について解説します。

 

※REDSはドラマの監修も担当しており、当日の放送直後にドラマの内容紹介をいち早くお届けしています。こちらの記事もご覧ください。REDSのSNS「X」「Facebook」ではレビューと解説記事がサイトに掲載されたらお知らせ投稿をしていますので、ぜひフォロー&通知ONのうえ、見逃さないようにしていただければ幸いです!

 

審査

(写真はイメージです)

 

部屋を借りる際の関門「入居審査」

 

今回は賃貸物件への入居を希望しているカップルの入居審査をめぐるお話です。

 

永瀬の部下、十影が店頭でティッシュ配りをしてお客様を連れてきました。バーテンダー藤森と保育士の山本美玲です。二人は近々結婚するカップルで新居を探していると。条件に合う物件を内見し、入居の申し込みをしたのですが……。

 

皆さんも、賃貸物件を借りた経験がおありであればご存知かもしれませんが、賃貸のお部屋を借りる際には必ず入居審査というものがあります。入居審査では、おおまかには「物件を安心して貸すことができる人かどうか」、「家賃の支払い能力はあるのか? 」保証人が必要な場合であれば「連帯保証人の保証意思、保証能力はあるのか? 」といったことをまとめてチェックされます。

 

入居審査でのポイントは3つ

 

入居審査のポイントは主に、以下の3点です。

 

1.家賃の支払い能力があるか
2.家賃滞納時に支払ってくれる存在はあるか
3.借主は安心して物件を貸せる人か

 

それぞれ見ていきましょう。

 

1.家賃の支払い能力

 

入居者が家賃を支払っていくには、安定した収入があることが求められます。支払能力の判断のひとつとして現在、賃貸物件を借りる際には保証会社への加入が条件となっていることがほとんどです。保証会社は家賃の支払い能力がある人なのかを判断し、家賃を保証するという役割を担っています。

 

借主の家賃が滞った際、保証会社は貸主へ立て替えて支払い、後日借主へ督促します。貸主は収入が途絶えるリスクを避けられ、借主も入居時に借主は連帯保証人を立てなくてもよくなります(ケースバイケースで連帯保証人と保証会社の両方が必要なケースも)。

 

2.家賃滞納時に支払ってくれる存在

 

家賃滞納時に保証会社が貸主に家賃を立て替える仕組みは先ほど説明しましたが、かつては連帯保証人をつけることが主流でした。連帯保証人とは、入居者が家賃を滞納したり、原状回復義務を怠ったり、入居者が行方不明になったりしたときなどに、入居者に代わって債務を負担する人のことです。基本的に別居の親族(三親等以内)です。

 

保証会社と連帯保証人は、賃貸契約における重要な役割を果たしますが、その役割は異なります。

 

保証会社の役割は、契約者が家賃を滞納した場合に大家さんに対して家賃を立て替えて支払います。しかし、保証会社は金銭債務のみの保証であり、それ以外のことについては基本的に関与しません。

 

一方、連帯保証人は、契約者本人の債務の保証、つまり、万が一家賃を滞納した時に立て替えて支払うことが主たる役割です。さらに、連帯保証人は金銭以外の部分の責任も負うことがあります。

 

したがって、「保証会社を使えば連帯保証人はいらない」「保証会社が連帯保証人になってくれる」という考えは間違いであり、保証会社を契約しても連帯保証人を追加で用意することを求められることもあります。これは、連帯保証人と保証会社がそれぞれの弱点を補い合える関係にあるからです。

 

しかし、昨今は保証会社のみを利用するケースが多くなっている主な理由としては、以下のような社会的背景によるものが考えられます。

 

●高齢者単身世帯の増加:高齢者や単身者が増えるにつれて、連帯保証人を立てることが難しくなってきました。

 

●人間関係の希薄化:親族等に連帯保証人を頼むことが難しい状況が増えています。

 

●連帯保証人に関する民法改正:2020年の民法改正により、個人が保証人になる契約においては、支払い責任を負う金額の極度額(上限額)を定めなければならなくなりました。これにより、高額な保証金額が提示された賃貸契約においては、連帯保証人になることをためらう人が増える可能性も考えられます。

 

●物件オーナーのリスク回避志向の高まり:家賃保証会社を利用することで、家賃滞納リスクを軽減できるため、貸主(物件オーナー)にとっては安心感があります。

 

以上のような理由から、現在では賃貸契約において家賃保証会社の利用が主流となっています。

 

3. 借主は安心して物件を貸せる人か

 

連帯保証人を省いて契約した場合に家賃滞納以外のトラブルを回避できるよう、入居者の人物像をしっかりと見極めるということが重要となってきました。

 

まず、借主がトラブルを起こす可能性が低いかどうかを確認します。借主の過去の違反や犯罪歴、態度、言葉遣いなどが含まれます。

 

また、借主との連絡がスムーズに取れるかどうかも審査対象となります。連絡が取りにくい借主は、家賃の滞納やその他の問題が発生した際に対応が難しくなる可能性があると判断されてしまうのです。

 

服装や言葉遣いなども当落に関係するので、好印象になるように気をつけましょう。また、過去に滞納歴がある場合は正直に伝えることが重要です。保証会社の審査に通りやすくするため申込書は下手でもいいので丁寧に書き、空欄をなるべく埋めるようにしましょう。雑な字や空欄ばかりの申込書では審査が長引いてしまいますし、悪印象です。もちろん嘘を書いてはいけません。

 

では、ここからはドラマのセリフからいくつかピックアップして解説していきます。

 

【この賃貸保証会社って必ずしないとダメなわけ!?】:藤森

 

藤森のセリフで、入居申込の際に賃貸保証会社に加入しなければならないのか?という質問がありました。

 

家賃保証会社の利用には、保証料や更新料を支払う必要があります。保証料は初年度で家賃の0.5カ月~1カ月分が目安で、翌年以降は更新料もしくは継続料といったものがかかります。ここで経済力があるかをチェックされます。

 

さらに審査では、職業や雇用形態、収入、年齢、過去の滞納履歴などが確認され、家賃を毎月安定的に支払えるかどうかがチェックされます。管理会社も物件のオーナーさんも貸してもいい人かどうか(家賃の支払いが可能かどうか)など見た目では判断できないため、家賃保証会社の審査にまかせています。

 

家賃保証会社の種類は大きく3つ

 

家賃保証会社は大きく分けて、「信販系」「協会(LICC加盟)系」「独立系」の3つのタイプがあります。

 

●信販系:信販系の家賃保証会社は、信用情報(クレジット情報や自己破産など)を利用しています。審査の際に、申込者の信用情報を活用する点が特徴で、一般に審査は厳しいといわれています。

 

●協会(LICC加盟)系:LICC(全国賃貸保証業協会)加盟の保証会社は、会社間で滞納歴や入居中のトラブルなどの情報を共有しています。会社間の履歴を見ることができるので、協会に加盟している会社で滞納を起こしている場合は審査に通りにくくなりますが、信販系と比較すると審査に通りやすいといわれています。

 

●独立系:独立系の家賃保証会社は、信販系とLICC加盟以外の保証会社を指します。基本的に、どの会社も独自の審査基準で判断しています。自社の過去の家賃滞納履歴やトラブルを重視する傾向が強く、比較的審査が通りやすいです。

 

それぞれのタイプには、特徴とメリット、デメリットがあります。しかし、どの保証会社を使うかは物件のオーナーさんや管理会社が指定するため、入居者は自由に選べません。そのため、自身の状況に合わせて適切な物件を選ぶことが重要です。

 

特に、作中に出たラプラス武蔵山の貴島オーナーは家賃保証会社でも信販系の保証会社を指定しており、藤森のように過去に支払いを滞った、ブラックリストに載っているなどした場合は信販系の保証会社の審査は厳しいでしょう。

 

【審査に落ちた!?どうゆうことだよ】:藤森

 

保証会社の審査に落ちた藤森が十影に詰め寄るシーンがあります。

 

審査の合否の理由を教えてもらえないのは事実ですが、なぜ審査の合否理由を教えてくれないのでしょうか?

 

主な理由としては、審査基準や審査内容、評価方法が公開されていないからです。不動産会社には保証会社から合否の結果のみが伝えられるのです。審査結果について具体的な理由を開示することは、申込者のプライバシーを保護する観点からも制限されています。審査には信用情報などの個人情報が含まれるため、その詳細を開示することは個人情報保護法に抵触し、個人情報保護の観点から不動産会社にその内容を知らせることができないのです。

 

一般的にはショッピングやキャッシングなどで滞納を繰り返したり、ブラックリストに載っていたり、家賃を滞納したことがあったりした場合に否決になるケースが多いです。

 

【わたしも落ちた!?】:美玲

 

藤森が審査に落ちたので婚約者である美玲の名義でお部屋を借りては?と永瀬が提案したのですが、美玲もまた保証会社の審査に落ちてしまいました。確認すると、何度か滞納歴があるということでした。この何度かというのがよくないのです。

 

1回だけなら信販会社も何かの間違い、うっかりもあるだろうと認識してくれる場合もあります。しかし何度もとなると、滞納することにあまり罪の意識を持たない人という印象になるでしょう。保証会社によっては1度審査に落ちた人が同居人にいるという場合でも審査を落とされるケースがありますので、保証会社に事前に確認しておくことも大事です。

 

美玲の滞納の理由が藤森のギャンブルの支払いによるものかどうかなどは理由にはなりません。滞納したという事実だけしか審査会社は見てはくれません。

 

【それは違法です】:永瀬

 

藤森から、友達の名義を借りるか、アリバイ会社で偽物の給与明細や在籍証明書を出して再審査してほしいと相談された永瀬ですが、「それは違法です」ときっぱり。アリバイ会社が偽の給与明細や在籍証明書を作成する行為は、「私文書偽造罪」「詐欺罪」「詐欺未遂罪」といった罪に該当してしまう可能性があります。また、それを依頼した人も同罪に問われる可能性があるのです。

 

アリバイ会社は、実態のない会社の源泉徴収票や給与明細を作成したり、在籍確認に対応することで顧客の勤務先を偽装したりする会社で、これらの行為は法律に違反しており、摘発された事例も存在します。したがって、アリバイ会社を利用して偽の書類を作成し、それを用いて再審査を受けることは、法律違反となります。

 

申し込みの際、事実と相違することが判明した場合、ほぼ確実に審査に落ちます。今は、保証会社も審査の精度が上がっているため、嘘をついても大抵はわかってしまいますので嘘をついて入居することは絶対におすすめしません。

 

【一度だけチャンスを下さい!】:藤森

 

藤森がオーナーの前で土下座をしながら「一度だけチャンスをください!」と言います。藤森の書いた手紙を最初は受け取らなかったオーナーですが、永瀬や月下の援護があり最後には手紙を受け取ります。

 

これは、きっと永瀬や月下がここまで太鼓判を押す人物なら信じてみよう、そう思ったのだと思います。結果、貴島オーナーは藤森の手紙と永瀬や月下の思いを汲んで、保証会社を信販系から独立系の会社に加入することを条件にラプラス武蔵山に入居することを許してくれました。

 

入居審査ももちろん大切なのですが、最後は人ということですね。

 

まとめ

 

今回は入居審査に焦点を当てて解説しました。今後もうそのつけない永瀬とカスタマーファースト月下、そしてタイムパフォーマンス(タムパ)重視でZ世代十影のこれからの成長に期待しながら、次回の正直不動産2も目が離せません。

 

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公開日:2024年1月30日

ある日突然、嘘(うそ)がつけなくなってしまった不動産仲介会社の営業マンが、独特の商慣習で動く不動産業界で奮闘する姿を描くNHKドラマ『正直不動産2』。第4話が2024年1月30日(火)夜10時に放映されました。

 

山下智久演じる主人公の不動産営業マン永瀬財地は、前シリーズでは嘘をもいとわないセールストークで売上ナンバーワンでした。ところがある日を境に、不思議な風が吹いてくると嘘がつけなくなることからナンバーワンの座から滑り落ち、客とのやり取りでもしくじって窮地に陥ります。しかし、その正直さが逆に、ライバルのミネルヴァ不動産をはじめとする悪徳業者にだまされそうになる客の心を動かしてきました。

 

今シリーズでも引き続き、ミネルヴァ不動産とのバトルは続きます。そんな大人気ドラマ『正直不動産2』のレビューを、監修を担当したREDSではどのメディアよりも早く、そして詳しくお届けします。

 

※REDSのSNS「X」「Facebook」ではレビューと解説記事がサイトに掲載されたらお知らせ投稿をしていますので、ぜひフォロー&通知ONのうえ、見逃さないようにしていただければ幸いです!

 

(不動産のリアル編集部)

 

新緑の公園広場

(写真はイメージです)

 

Z世代の十影が見込み客カップルを連れてきた!

 

登坂不動産オフィスに貼られた営業成績グラフは課長代理の藤原結弦(馬場徹)がトップ、永瀬と月下咲良(演:福原遥)がそれに続き、Z世代の十影健人(演:板垣瑞生)は成約ゼロです。

 

大河部長は「お前いったいどんな指導してるんだ?」と永瀬を詰めますが、十影はどこ吹く風で「タムパ最悪っすね。永瀬さんも大河部長も無駄なことばっかやってるってことっすよ」と悪態をつく始末。大河部長は力なく十影に外でティッシュ配りを命じます。

 

永瀬が十影の今後の教育に不安をめぐらせていたところ、なんと十影は見込み客カップルを連れてきました。バーテンダーの藤森祥平と保育士の山本美玲です。

 

藤森「近々結婚する〝にこいち〟な俺たちにぴったりな新居ってある? 兄ちゃんのガチでイチ押し頼むわ」
十影「エグい物件よろしくってことっすね?」
藤森「わかってんじゃん! できれば駅近、築浅でぇ~♪」
十影「日当たり良好、家賃はSOSO♪」

 

なんとも軽いやり取りが続きますが、美玲は「武蔵山公園の近くの、公園が見える部屋に住みたい」とはっきり希望を伝えてきました。その足で『ラプラス武蔵山』という物件に内見に向かい、美玲はとても気に入ります。

 

賃貸保証会社の審査にカップルそろってはねられる! 思い当たるフシは?

 

申込書に記入しながら、藤森は賃貸保証会社への加入について「前は保証人がいたら借りられたよね?」と異論を唱え始めました。

 

物件への入居時に、借主は賃貸(家賃)保証会社と賃貸保証契約を結び、一定の保証料(家賃の半月分から1カ月分程度)を支払います。こうすると、借主が家賃を支払えなくなったり滞納したりしたときに、保証会社が貸主に対して借主の代わりに支払いを立て替えるのです。

 

「以前は親族を保証人とするケースがほとんどでしたが、高齢化社会の影響で、収入が年金のみという親御さんが増えたので、賃貸保証会社への加入が必須な物件が増えているんです」と月下から説明を受けた藤森は殴り書きのような汚い字で記入を続け……。

 

後日、審査落ちの結果に。理由を尋ねる藤森に、風に吹かれた永瀬は「ぶっちゃけ、あなた信用ゼロなんです!」「『自己破産している』『消費者金融での多重債務者』『クレジットカードで事故を起こしている』など、ブラックリストに載っている方は審査に通らないんです!」とぶちまけました。

 

今度は美玲の名義で申し込みをしたところ、3日後、またも審査落ちの結果に。借金もカード事故もないという美玲ですが、実は過去に家電を買ったときローンを何度か滞納していました。「延滞したのは、祥平君の借金立て替えたときだよ」という美玲に藤森は「別に俺、立て替えてくれなんて頼んだ覚えはねーし」とうそぶき、ますます修羅場に……。

 

運転免許証が再発行されたものだと審査に落ちる理由

 

ちなみに、審査に落ちた理由の可能性として永瀬が挙げた中に「提示した身分証明書が再発行された運転免許証だった」というものがありました。

 

運転免許証の再発行回数が多すぎると、審査に落ちる可能性が高まるのは本当です。紛失回数が表示されているのは番号の12ケタ目。理由としては、まず管理能力を疑問視されること。さらに、二重取得などなにか犯罪に加担しているのではと勘ぐられることです。

 

紛失回数が多い人は、その理由をきちんと説明すること、マイナンバーカードやパスポートなど運転免許証以外の身分証明書を活用するといいでしょう。

 

結婚をためらう美玲。一目ぼれしたマンションは思い出の地

 

オーナーや保証会社に懇願するも断られ、月下は新たに探した物件情報を持って美玲の勤務先を訪問。美玲は浮かない顔で、お金にルーズな藤森との今後に不安を感じていることを月下に訴えます。「普段は調子いいくせに肝心なことになるとすぐ逃げる。悪いことは何でも人のせい。世の中のせいにして……」。こう言うと、突然、口元を押さえてトイレに駆け込む美玲……。

 

場面が変わり、美玲の部屋で、月下は妊娠していることを口止めされます。美玲は社会から信用されていない自分たちがちゃんとした親になれるか不安だからと言います。続けて、藤森との関係を語り始めました。ふたりは武蔵山公園の近くに住んでいた幼なじみで、藤森は「正義感にあふれていてまっすぐなヒーローだった」と。

 

「私、賭けたんです。もしもあのマンションに住むことができたら、毎朝、思い出の武蔵山公園を一望できるあの部屋に住めたら、きっとあの頃のまっすぐな彼に戻ってくれる。何があってもふたりで頑張っていけるんじゃないかって」

 

名義人偽造を持ちかける藤森に同調する十影。彼はマダムの孫だった!

 

一方の藤森はつけられた知恵で、会社に勤めている友だちの名義で契約するか、アリバイ会社に偽物の給与明細とか在籍証明書を発行してもらって部屋を契約したいと言い出しました。十影は「バレなきゃいいんじゃないっすかー」と藤森に同調します。

 

しかし、それは立派な犯罪。永瀬も「有印私文書偽造、同行使。正真正銘、由緒正しい犯罪ですから。そんなことをしたらウチの会社の信用問題にもかかわる」と激怒。藤森は「もういい、オタクには頼まねえよ!」と出て行ってしまいました。

 

藤森に続いて「6時なんで帰ります」と無表情で去って行く十影。その夜、こんな彼について永瀬は「あいつを一人前に育てるなんて300年かけても無理です」と登坂社長(演:草刈正雄)に訴えていると、そこにマダム(演:大地真央)が登場、十影は死別した夫とその前妻の孫だといいます。さらに両親を早くに亡くして身寄りがないのだそうです。

 

そこで風に吹かれた永瀬、「あんな協調性のないクソ社会人、見たことありませんよ!」とたんかを切りつつも「なんとか一人前の不動産営業として育てて見せます! なにしろ、俺の課長昇進がかかってるんで!」と言ってしまい、マダムと登坂がにっこりする中、自分の吐いた言葉に頭を抱えてしまい……。

 

「親ガチャ最悪」という藤森を「クソなのはアンタ」と一喝する永瀬

 

その夜、十影を呼び出した永瀬は無理やり彼を伴って藤森が働くバーに押しかけます。そこで藤森は「俺、親ガチャ最悪でさ」と自分の生い立ちを語り始めました。容姿や能力、家庭環境によって人生は大きく左右されるため、親がどんな人間であるかは極めて重要なんですが、子供は親を選べないことをスマホゲームの「ガチャ」 にたとえたスラングです。

 

父親は藤森が3歳のときに借金を作って蒸発し、母親も高校生のときに死亡。高校中退後、働き始めるもどこも長続きせず、自暴自棄になって誰彼構わずけんかを吹っかけていたとか。ある日、返り討ちにされてうずくまっているところに通りかかった美玲に助けられたそうです。

 

「クソみたいな審査のせいでこっちは破局寸前。むしろ被害者」と吐き捨てる藤森に、風に吹かれた永瀬が一喝します。「クソなのはアンタです! 藤森さん、あなたが審査に落ちたのはブラックな世の中のせいじゃない、あなたがブラックだからです! 山本さんと上手くいかないのも、そうやって誰かのせいにばかりしている、あなた自身に問題があるからじゃないですか? 信用を得るべきなのは、クレジット会社からじゃない、まずは彼女からでしょ?」

 

再出発を誓う藤森と美玲、最後の関門はオーナーの説得

 

日が変わり、永瀬は藤森を『ラプラス武蔵山』に連れていきます。そこには美玲もいて藤森を優しく説得します。「親のせいにしたり、世の中のせいにしたり……そんなんじゃ私たち、いつまでたっても誰からも信用されない、幸せだって逃げてくばかりだよ」

 

こんな美玲の言葉に藤森も「もう逃げねえよ。親のせいにも、世の中のせいにもしねえ。俺が、お前と子供を守る」と再起を誓いました。ふたりの関係が戻ったことはめでたしめでたしなのですが、審査をひっくり返すことは至難の業です。

 

月下のアイデアで、ふたりはオーナーに手紙を渡すことにしました。しかし、オーナーは「私は信用できない人間に部屋を貸したくないだけだ! 夫婦ともに審査に落ちるなんて私に言わせれば論外だ。このマンションの入居者にはふさわしくない」の一点張りです。

 

そこに風に吹かれた永瀬、反撃開始です。

 

永瀬「そういうアンタの目玉は、節穴どころか、安いガラス玉だな!……でございます」
オーナー「はぁあ?」
永瀬「目に見える基準でしか人を判断しない、アンタや世の中のあり方は間違ってる!」
オーナー「帰れ!」
永瀬「ただし、実際に家賃の不払いなどで不利益を被る可能性があるオーナー様のご事情はよく分かります。トラブルが起きそうな人物を回避したいお気持ちも、とてもよく分かります」
オーナー「……」
永瀬「ですが、履歴やデータなど、目に見える基準だけでは人は判断できません、信用できるかできないかは、その人の人間性であるはずです。断言します。おふたりは信用できる人間です」

 

さらに藤森が土下座し、「これからはせめて彼女と生まれてくる子供だけには、胸を張れる男でいたいと思ってます。お願いします! 一度だけチャンスをください!」と懇願。差し出した手紙をオーナーは受け取りました。

 

初成約を決めた十影の内面にも変化が……

 

翌日、オーナーは審査に幅のある賃貸保証会社に加入することを条件に入居を認めると登坂不動産に連絡してきました。手紙作戦は月下のアイデアであり、オーナーの心を動かしたのは永瀬の言葉が大きかったのですが、登坂不動産としては十影が初成約を決めたことでもあります。

 

そんな十影、なんと始業10分前に出勤し、自主的に開店準備をしているのです。一同が驚く中、登坂社長は「永瀬の教育の成果かな」と笑顔です。

 

物件前で鍵を受け取った藤森と美玲を囲み、永瀬、月下、十影はこれから始まる幸せな暮らしへの期待に胸を弾ませています。そんな一同を遠くから見つめるミネルヴァ不動産の神木涼真(演:ディーン・フジオカ)。今回は出番がなかったのですが、次回以降、またかき乱しそうな予感です。

 

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