不動産の購入・売却コラムCOLUMN

公開日:2020年11月16日

コロナ禍でマンション売却を急ぐ方を救いたい。高値で早く売る最適解ガイド

住んでいるマンションを売却しなければいけない局面は突然、訪れます。「家族が増えたので住み替えたい」「念願の田舎暮らしを実現したい」などの前向きなケースもあれば、相続や離婚による財産分与で売却が必要になったためということもあるでしょう。

昨今の新型コロナウイルス感染拡大に伴い、勤務している企業が倒産したり業績が悪くなって収入減になったりしたために、マンションを売るしかなくなったいう人が増えています。

どのような事情であっても、住み慣れたわが家を手放す決断をしたからには、一刻でも早く、そして真っ当な価格で売却したいはず。今、コロナの影響でマンションの需給や売買価格にどんな変動が起きるか想像がつきませんが、マンションを可能な限り早く売るための心得を、基礎から偽りなく徹底解説します。

マンション売却

(写真はイメージです)

マンション売却の基本は6つのステップ!

まずは、マンション売却の流れを大まかに把握しておきましょう。以下の6ステップを踏むことになります。

(1)市場調査→(2)不動産会社の選定→(3)売却活動→(4)条件交渉→(5)契約→(6)引渡

期間としては、概ね3~4カ月で売却が終われば、順調に進んだといえるでしょう。半年くらいが普通です。

マンション売却の基本ステップ

STEP 内容 期間(イメージ)
1 市場調査 相場調査、査定 1週間
2 不動産会社の選定 媒介契約、売出価格、広告・集客活動の決定 1週間
3 売却活動 内覧準備、反響対応、広告・集客活動の見直し 1~3カ月
4 条件交渉 申込、条件交渉・決定 申込後1~2週間程度
5 契約 契約、手付金の授受  
6 引渡 代金授受、引渡、移転登記 契約日~契約後2週間程度

不動産価格一括査定サイトを宅建士が勧めない明確な理由

マンション売却で最大の関心ごとは「いくらで売れるのか」でしょう。

不動産会社に依頼をして、売買市場でどのくらいで売れるのか相場を調べてもらうことを「査定」といいます。ただ、一般の方には不動産会社に信頼できる知り合いなどなかなかいません。信頼できそうな不動産会社をインターネットや広告で探して査定を依頼することは、なかなか心理的抵抗が大きいものです。

インターネットでよく見かける「不動産価格一括査定サイト」はそうしたハードルが低く「一括査定サイトならば必要事項を入力するだけで、複数の不動産会社から査定価格の連絡が来ます。その中から一番高い査定を出した不動産会社に媒介の依頼をすればよいでしょう。なんと〇〇万円も差がありました、なんてお得なのでしょう!」などと宣伝されています。

一括査定サイトは、以下のメリットがあります。

・査定の依頼は無料
・ネット上で申し込みがほぼ完結する
・一度の申し込みで複数の不動産会社が査定してくれる
・電話やメールなどの連絡方法を希望できる
・遠隔地の物件でも、売却活動が可能な不動産会社をサイトが選択してくれる
・サイトの登録基準に合格した不動産会社なので、それなりにまともな会社が連絡をくれる
・査定結果を比較して、不動産会社を選択できる

しかし、筆者は、おススメしません。一括査定サイトの運営元は、不動産会社ではありません。その本質は「売却見込み客の集客サイト」。売却見込み客と不動産会社とのいわゆるマッチングサイトにすぎません。要するに、不動産会社がお金を出し合ってほしがっているのは査定を依頼する客の個人情報ということです。

ただ、査定をするだけでは不動産会社は一銭にもなりません。査定は媒介に必要な作業であるため、遠隔地への出張など特別な場合を除き、その費用は仲介手数料に含まれるとみなされています。

一括査定サイトでは「査定は無料」と大々的に宣伝していますが、もともと査定は無料なのです。一括査定サイトに支払ったコストは成功報酬である仲介手数料を得て初めて回収できるもの。そのためには、査定を依頼してきた人になんとしても媒介依頼をしてもらわなければなりません。

査定は無料ですし、通常一括査定サイトではしつこい勧誘は禁止されています。ならば、不動産会社はどこで差別化を図ろうとするのか。やはり「価格」でしょう。「ウチはこんなに高値をつけましたから、ウチでお願いします」とばかりに、査定価格を安易に高値で提示する会社が増えてしまうのです。

しかし、ここで注意したいのは、査定価格とは、あくまで不動産会社が「市場で売れるであろうと見込む価格」であり、「価格保証」をしているわけでも「買い取り価格」でもないということです。

査定価格で物件が売れなくても、不動産会社には罰則も補償の必要もありません。査定価格はそもそも、市場の傾向や取引実績を分析することにより予想するものですから、査定する担当者の経験や実績、算入要因の差により相違が生まれるものの、自ずと一定の価格帯に収れんしていくものです。それがいわゆる相場観と呼ばれるものです。

しかし一括査定サイトの出現によって、「査定価格」は本来の意味から離れてしまい、不動産会社を選択してもらうための根拠のない競争材料となってしまっています。

一括査定サイトで、他の会社よりもなん百万円も高く査定をしてくれた不動産会社を選んだところで、その会社が他の会社よりもなん百万円も高い価格で売却できる可能性はほとんどありません。むしろ高値で広告を出したところで、他の会社はそれよりも低くその物件を評価しているのですから、買い手がつかないのは当たり前ということになります。

何カ月も売れないまま市場に放置されてから、結局は値下げをする、という事態が容易に想像できます。最初から適正価格で売り出していれば売買が成立していたかもしれないので、大きな機会損失となるのです。

一括査定サイトを利用するくらいならば、多少手間がかかっても大手不動産会社と地場の不動産会社、口コミによって紹介された不動産会社など、2、3社を回って査定をしてもらいましょう。自分でも、近所のマンションがいくらくらいで売り出されているのか「スーモ」や「アットホーム」などのポータルサイトで調べてみると、おおよその相場が理解できます。納得のいく説明をしてもらえる会社に媒介を依頼するとよいでしょう。

1週間で現金がほしい場合は買い取り業者に連絡を! ただし価格は相場の7割

マンション売却では一般に不動産会社に媒介を依頼します。しかし、早急に現金化したい場合には、業者に買い取ってもらうこともできます。

買い取りのメリットは以下の3点です。

・依頼して早ければ1週間で売却が完了する
・買主が業者のため契約不適合責任が免責になる場合が多い
・仲介手数料がかからない

買い取りのデメリットは「価格が安い!」の一言です。買い取り業者が物件を再販するためにはクリーニングやリフォームなどの経費がかかりますし、利益を上乗せします。したがって一般の相場価格と比較すると買い取り価格は7割程度となってしまいます。

また、買い取り業者はあくまで再販が目的ですので、あまりに条件の悪いマンションは買い取りをしてもらえないことがあります。交通の便や治安が悪い、極端な人口減少などの立地条件だったり、新耐震基準を満たしていない古いマンション(1981年6月1日以前に建築確認を取得した物件)だったり、あまりにも狭いマンションだったりするときは注意が必要です。

買い取り業者の場合は、一括査定サイトと異なり、提示する価格が一番高いところを選定してよいでしょう。代金をもらえばそれで関係は終了ですから。価格が競った場合は、購入に際しての条件をきちんと細かく説明してくれるところの方が信用できるでしょう。

早めに売るためには? 3つの媒介契約のうち専任か専属専任を選ぼう。一般はダメ!

4,000万円が相場のマンションを買い取り業者に依頼すると、相場の7割ですから2,800万円程度で買い取られるということです。1,200万円も安く売らなければいけないため、よほど切羽詰まっていなければ、なかなかあきらめきれない金額です。このため、多くの方が速さよりも価格を優先して不動産会社に売却依頼をするのです。

不動産会社に売却を依頼するとき、「媒介契約」を結びます。媒介契約には、一般、専任、専属専任という3つの種類があります。

一般媒介契約は、依頼者が他の複数の不動産会社にも同時に媒介を依頼でき、売却先を自分で見つけることができます。専任媒介契約は他の不動産会社には媒介を依頼できませんが、一般と同様に自分で売却先を見つけることができます。専属専任媒介契約は自分で売却先を見つけた場合も媒介契約を締結した不動産会社経由で契約をしなければなりません。

その代わり、一般媒介契約に比べて専属専任媒介契約の方が、不動産会社に定められた業務も増えていきます。一般<専任<専属専任、の順で媒介契約を締結した不動産会社の権利と義務が増大するのです。

媒介契約の3類型

内容 一般媒介 専任媒介 専属専任媒介
他の業者への依頼 不可 不可
自己発見取引 不可
有効期間 規制なし 3カ月以内 3カ月以内
有効期間の延長申入 規制なし 依頼主のみ 依頼主のみ
業務処理状況の報告義務 規制なし 2週間に1回以上 1週間に1回以上
指定流通機構(レインズ)への登録義務 規制なし 契約日から7営業日以内 契約日から5営業日以内

 

前述のように、不動産会社の仲介手数料は成功報酬です。どんなに努力したところで売却が成立しなければ報酬を得ることはできません。媒介契約が一般の場合は、たとえ経費をかけて広告を打ったとしても他の不動産会社が買主を見つけてしまえば、報酬を受けることはできません。

「アットホーム」や「スーモ」といったポータルサイトで同じ物件が違う不動産会社から何件も掲載されていることを見たことがある人もいるでしょう。一般媒介契約で複数の不動産会社で契約している物件の場合そのようなことが起こります。当然、不動産会社には積極的に売ってやろうという意欲は失われます。

一方、専任や専属専任媒介契約であれば、買主を市場から見つけることができれば確実に報酬を受けることができます。媒介契約期間は3カ月間となっていて、依頼主からの申し出がなければ延長はできませんから、不動産会社は期間内で買主を見つけることに懸命になります。

できる限り早くかつ相場価格で売りたいなら、不動産会社がよく働き知恵を絞る、専任か専属専任の媒介契約を締結することをおススメします。

囲い込みを防ぐため、媒介契約書に販売方針を書き込ませる

多くの不動産会社は、他の不動産会社が買主を紹介してくることを嫌います。買主を自社で見つけて、売主・買主の両方から仲介手数料をもらおうとしているからです。これを「両手仲介」といいます。

両手仲介を目指すあまりに、他社に情報を与えず、他社から買主の紹介があっても、「もう売れた」「申し込みがあった」などとていよく断ってしまうことを「囲い込み」といいます。こうした囲い込みがあっては、早く適正な価格で売却することなどできません。

両手取引_片手取引

 

あまり知られていないことですが、媒介契約書には不動産会社が具体的にどのような販売活動をするのか、どのようなサイトに広告を掲載するのかなど詳細を記載させることもできます。

あまり注文するのも担当者のモチベーションを下げることになりますが、念には念を入れて、最低限の決めごとはしっかり契約書に明記しておき、囲い込みなどが起こらないようにしておくとよいでしょう。

早く売るために売主としてできること

マンション売却は基本的にプロである不動産会社にお任せすることが多くなります。しかし、売主ご自身も以下に挙げることを心得ておけば、早く売却できる可能性が高まります。

・住宅ローンの残債を確認したうえで、最低限の値下げ幅を事前に決めておきましょう
・売却に必要な書類を確認、整理しておきましょう
・内覧に備えて、玄関、水回りの清掃、室内の匂い対策をしっかりしておきましょう
・内覧までに引っ越しを済ませて、空き家にしておいた方がよいでしょう
・不動産会社の担当とは何度も話をして、打ち解けるよう努力しましょう

このなかでも特に、「内覧の対応」が重要です。マンションは高額ですから、一般人が内覧をしないで購入を決定することはほとんどありません。また、内覧時の印象がよくて購入を決定する人はいても、内覧時の印象が悪いのに後から思い直して購入を決定する人はほとんどいません。内覧の機会を多くすること、内覧時の印象をよくすることを常に意識しておきましょう。

そのために何をすればよいか忌憚なく意見交換できるように、日頃から不動産会社の担当者と良好な信頼関係を築けるようにしておくことが、マンション売却の一番のコツかもしれません。

 

プロフィール
早坂 龍太(宅地建物取引士)
龍翔プランニング代表取締役。北海道大学法学部卒業。石油元売会社勤務を経て、北海道で不動産の賃貸管理、売買・賃貸仲介、プランニング・コンサルティングを行う。

 

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嬉しい口コミも
多数いただいております

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