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  • 最終更新日:2019年2月22日
  • 公開日:2018年8月21日

ホームインスペクション神解説! 見つかった不具合をしつこく価格交渉の材料にすると逆効果です【REDSエージェントの不動産コラム】

REDSエージェントの坂爪です。先日、中古マンションのホームインスペクション(住宅診断)に立ち会いをしてきました。

 

ホームインスペクション,住宅診断

(写真はイメージです)

 

ホームインスペクションって何をするの?

 

ホームインスペクションとは住宅に欠陥や劣化、改修箇所があるかを確認するサービスのことです。ホームインスペクター(住宅診断士)と呼ばれるプロが調査することで、建物がどのような状態であるかを把握できます。人間に当てはめると健康診断のようなものでしょうか。手術による治療とも入院検査とも異なります。

 

昨今、中古住宅(戸建・マンション)の取引に際して、ホームインスペクションについてお客様からよく問合せをちょうだいします。

 

ホームインスペクションで調べる具体的な箇所は以下のとおりです。

 

(1)シロアリ被害
(2)雨漏り
(3)給排水管の漏水
(4)換気扇・給湯器・水栓・トイレ・建具・窓・ドアなど設備の確認
(5)建物・床の傾き
(6)構造体の状況
(7)マンションの場合は、共用部分の利用状況

 

ほかにもあると思いますが、おおむねこうした所を診断士さんが、レーザーを使った計測機器や、含水計測機などを使って調査します。それを見ていて思わず、うなってしまいました。流石、プロ! ネジ1本の欠損すら確実に発見していました。マンションだったので2時間程度、木造の一戸建ての場合には5~6時間程度時間がかかります。

 

ご機嫌な売主様ばかりとは限らない

 

今回、私が立ち会った物件は、すでに売主様が退去されていたことと、売主様側の仲介業者と売主様ご本人のいずれも大変協力的な方で、契約前のインスペクションに快くご協力いただけました。しかし、今回のようなことは特別かもしれません。購入申し込みが重複しているような場合、売主様がどの購入希望者と契約するかは自由です。

 

似たような条件で申込みが重なった場合、インスペクションを希望していない購入希望者を優先することもありえます。売主様が居住中の一戸建の場合では5~6時間にわたって天井裏や床下、押し入れの中などを調べるわけですので「ちょっと勘弁してほしい」「だったら別の購入希望者を探す」と思われる売主様もいらっしゃるでしょう。

 

さらに、インスペクションの結果しだいでは、購入希望者の方が、申込みを取りやめたり、追加の値引き要求をしたりすることも想定されます。もちろん、インスペクションの結果、売主様も知らなかった重大な欠陥が判明した場合には、申込み撤回もやむなしですが。ただ、売主様はダブルでショックでしょうね。

 

不動産会社に「インスペ希望」と告げるベストタイミングは?

 

ホームインスペクションを行っている業者さんのホームページや、インスペクターの方のブログをのぞくと、彼らは「契約前のホームインスペクション」を推奨していますし、仲介の立場からしても、それが一番です。

 

しかし、「契約前」と言っても実務上はいくつかの段階があります。

 

(1)不動産会社に物件購入の問い合わせ・相談
(2)物件の内覧(購入するか否かは不明)
(3)購入申込(希望金額や条件を提示して売主様側と交渉中)
(4)条件合意(売主様・購入希望者・仲介業者で、条件が合致)
(5)契約準備(仲介業者が契約書や重要事項説明書を作成・契約日の調整)
(6)契約(重要事項説明・調印・手付金の授受)

 

この(1)~(5)までの間の、どこで「ホームインスペクション希望」と伝えるのか?

 

(1)ズバリ、ここがベストです! 購入したい物件のホームインスペクションを希望する場合、まずは不動産会社の担当者と最初の接触時にその旨を伝える、これがベストです。不動産会社の担当者は、物件をお客様に紹介する際に、事前に売主様側の担当者に、インスペクションを希望する場合があることを伝達できます。この段階で売主様側から「インスペクションNG」が出た場合、見学するか否かは、お客様の自由です。

 

(2)ここでもOK! 実際に物件を見て、購入の検討を始める場合には、当然このタイミングになると思います。しかし、ここで売主様側から「インスペクションNG」の回答だった場合、この物件はあきらめて、他の物件に気持ちを切り替えるのは難しいかもしれません。

 

(3)ここでもギリギリOKです! 購入申し込みは書面で行うのが、不動産取引の慣例です。その書面に、契約前のインスペクションを希望する旨を記載します。ここで売主様側から「インスペクションNG」の回答だった場合、インスペクションをせずに契約するのか、申込みを撤回するのか、悩むところです。

 

(4)ここでは難しいです。価格と条件が、文字通り合意に至った後に「インスペクションを…」と言い出したら、売主様や仲介会社担当者も「えッ!?」となります。

 

(5)残念ながら、ここでは相当難しいです。(4)~(6)の間の1日~1週間程度の期間ですが、仲介会社担当者は猛烈な勢いで物件を調査し、資料を集め、書類を作成し、売主担当者・買主担当者間で、各書類の添削を行っています。はっきり言って、この間はメチャクチャ忙しいのです。この段階からインスペクションを入れるとなると、実質的には(3)に戻ってやり直しになりますから、インスペクションを望まない購入希望者がいれば、売主様としては、そちらとの契約に気持ちが傾いていきます。

 

(4)(5)の段階で「難しい」と言うのは、仲介会社のエゴのように感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、不動産の取引において私が「重要」だと感じるのは、売主様・買主様・営業マン、それぞれの間の「信頼関係」です。一度合意した条件に、さらに条件(インスペクション)を追加した場合、「この方は今後もいろいろと難題を吹っかけてくるのではないか?」と勘繰ってしまいます。

 

インスペ活用には意識変革が必要

 

現在、不動産購入をご検討中の方、まずは、信頼できる営業マンを見つけてインスペクションを希望する旨を早めに伝えてください。

 

「インスペクションの結果を踏まえて、条件・価格を交渉したい!」というのは購入希望者の立場では当然の発想だと思います。逆に、売主様の立場から見たら最悪の発想です。不具合がゼロの建物は、ほとんどないからです。

 

私が「仲介」の立場で、ホームインスペクションを考えるとき、一番悩むのがこれです。本来、ホームインスペクションの目的は、中立的な立場のインスペクターによって、建物の現状を把握することですが、やはり不具合の存在を知ってしまえば、価格交渉や保証を求めたくなるのも理解できます。(そんな面倒くさいことをいう)ならば売主様側はインスペクションを拒否する、という流れになってしまいます。

 

なので、売主様も買主様も、こういうふうに考えていただけると、平和的に解決するのではないでしょうか。

 

・買主様
「致命的な瑕疵(かし)はないか?」・・・事前に気づいて良かった!
「そのほかのトラブルは?」・・・今後想定される維持費はどの程度必要?
「いろいろ指摘があったが、許容範囲だ」・・・気持ちよくご契約!!

 

・売主様
「致命的な瑕疵(かし)はないか?」・・・事前に調べておこう
「そのほかのトラブルは?」・・・今後想定される費用を価格で調整しよう
「全て開示して、欲しいと言ってくれる方」・・・気持ちよくご契約!!

 

ホームインスペクション制度の利用推進のためには、売主・買主のインスペクションへの意識改革と、不動産会社担当者の知識の向上に加え、売主様・買主様それぞれの立場に沿ったメリットやリスクの説明が重要だと考えます。

 

坂爪潤(REDSエージェント、080-7959-2283、j.sakazume@red-sys.jp)
長野県出身。宅地建物取引士。首都圏一円、戸建て、マンション、注文住宅、投資・事業用物件まで幅広く対応。相続や登記に関する知識は豊富。

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