不動産のリアルREALITY OF REAL ESTATE

  • 最終更新日:2018年6月25日
  • 公開日:2018年2月28日

体験者が語る 売却物件「囲い込み」恐怖の実態

都内在住のOさん。将来に向けての資産構築のため、不動産投資を行っている。現在、都内にワンルームを6部屋を所有し、売買も行ってきた。2017年、「囲い込み」をはじめて体験したといい、その実態を語ってもらった。

 

体験者が語る 売却物件「囲い込み」恐怖の実態(5分)

 

「ああ、これがいわゆる囲い込みなのか!」ということを売る側ではじめて経験しました。「怖いなー」と、そういうエピソードでしたね。

 

物件を売却する経緯

 

(不動産会社に)ある物件を買う条件として、「なんかお売りいただけませんか」と言われたんですよ。ちょうど売ってもいいかなという物件があったので
指値して、「それでもいいよ」と売ってくれることになって。

 

物件の立地と売り出し価格は

 

用賀なんですけど、「今2つ持っているんで、1つを売って他のエリアに」って考えて売りに出しました。
最初は830万だったんですね。
何も高いとは思わなかったんですけど、売れる売れないは別にして、まず出す値段としては適正じゃないかと思ったんですけど。

 

ー世田谷区用賀のワンルームマンションを830万円で売り出そうとしていた

 

当初から「もっと安くしませんか」と言われ続ける・・・

 

「すぐ売れますよ」とは言われなかったんですが、「もっと安くしませんか」とは言っていたんですね。いきなり。私も今のトレンド、相場は分かるので、それよりは若干安い値段でご提案させていただいたんです。そしたら「もう少し安くしましょうよ」といってきて。でも、「とりあえず出してくださいよ」、じゃないですか。ファーストアプローチなんで。そうしたら、しぶしぶ、「はい、分かりましたー」みたいな感じで。

 

ー不動産業者の担当から「もっと安くしましょう」と言われ続ける

 

「値段下げましょうよ」なんていう業者さんはなかったですね。自分から下げた方がいいかなと下げたことはありましたけど、そうやって急かされたことはなかったですね。

 

ーそれまでは業者から「値段を下げましょう」と急かされたことはなかった

 

媒介契約後の3か月間、問い合わせ「ゼロ」が続く

 

報告書が2週間おきに送られてくるんですが、いつ開けても「問い合わせゼロ、なにもかもゼロゼロゼロ」と。「頑張ります、よろしくお願いします」とコピペみたいな文章が2週間おきに送られてくるんです。「これ、おかしいなあ」と思って。

 

ー2週間おきの媒介報告は、問合せ「ゼロ」とコピペした内容ばかり

 

結局その3ヶ月間まっっったく動きがなかったんですね。

 

ー結局3か月間、動きがないままが続く

 

「今回は具体的な動きはありませんでした」「頑張ります」と2つくらいのコメントが用意されてて、それが代わる代わるコピペされてて。とにかくゼロなんで、ゼロっていうのは具体的に行かなくても、「問い合わせはありましたよ」っていうのが今までだったんで。ゼロってのはないに等しいじゃないですか。オープンにされてないのとおんなじ状況なんで。どういうことなんだろうと思いましたね。

 

3カ月間の契約期間満了後にようやく解約できたが

 

すぐに返事がなくて、だいぶたってから「ありがとうございました」ってひとこと書いてありました。また機会がありましたらよろしくおねがいしますってコピペみたいな文章が貼ってあって終わりですね。

 

その後REDSに相談し、驚愕した

 

「えっ、それは裏がある」ということでさっそく内偵していただいて、「ちょっとこれ見てくださいよ」とレインズの画面を見せてもらったら「あっ」と言う感じですよね。文字しか載ってなくて。それも数字が全部間違ってて。

 

ーその業者が掲載していたレインズ(業者間の物件情報データベース)の
物件情報がすべて間違っていた

 

買う側からしたら修繕積立金とかがいくらあるかが心配じゃないですか。そういう情報も提供していたのに、それも記載されてなくて、誤った積立金が記載されていたりとか、あとは角部屋でもなかったんですけど、角部屋になっているんですよね。

 

値段は合っているんですよ、ただ他の情報が無茶苦茶なんですよ。
情報を出さない、表に出さないと言うことですから、意図を感じますよね。

 

ー価格以外はすべて間違い。意図的にやっていると感じた

 

REDS担当者の見解は

 

「これ見たら、他の業者さんはヤバくて問い合わせしないですよね」と。「こんな状況ではなんかあると思って手を出さないですよ、業者もエンドさんに紹介しないですよ、問い合わせないのも頷けますよ。これはなにがしか自分のところのいい顧客が見つかったときのために囲い込んでいるんですよ」と教えられて。

 

ー(REDSの担当者からは)業者が紹介できないようにいい加減な情報を掲載し、囲い込もうとしていた、と言われる

 

そういう風に聞くとつじつまが合うんで、謎は解けたんですけど、それって売主からすると最悪のパターンですし、買う側にとってもほしい情報がオープンになってないということなので、全然ブラックだなっていうことですよね。