(公社)全国宅地建物取引業協会連合会会長の伊藤 博氏は2日、専門誌記者と会見し、今期の事業計画や、最近の市場を取り巻く課題に対する全宅連の対応策などについて語った。

 冒頭、伊藤氏は「アベノミクス効果により、三大都市圏を中心に地価上昇や売買件数の増加の動きが見られ、消費増税以降の市場低迷から回復しつつある」との認識を示した。さらに「空き家対策特別措置法の施行や、民法改正、重要事項説明のIT化、レインズのステータス管理導入など、市場環境も変化しつつある。さらなる会員支援に取り組んでいきたい」と述べた。

 流通市場の活性化を目的とした取り組みでは、インスペクションを実施し、瑕疵保険に加入できることを証明した既存住宅を認定する「ハトマーク安心住宅」制度を、8月中旬めどにスタートすることを明らかにした。「安心住宅に認定した既存住宅を、ハトマークサイトや一般の不動産ポータルサイトで紹介していきたい」(伊藤氏)と、質の高い既存住宅の流通促進を図る。

 全国的に増加が叫ばれている空き家問題については「地方自治体が行なっている空き家バンクなどへの協力要請も入ってきているので、地域守りの視点で研究を進めていきたい。空き家管理サービスを事業として取り入れている会員会社も増えている。適切に管理されていない住宅を再生するのは、地域密着で展開している会員の得意とするところ。(一社)全国賃貸不動産管理業協会とも連携して、地域貢献・社会貢献も兼ねたビジネスとして事例を集め、会員に情報共有していきたい」(同氏)とした。空き家の売却を促進するための税制優遇などについても、今後の政策要望に盛り込んでいく方針。

 宅地建物取引士のスタートに伴う、会員の資質向上策についても、独自のキャリアパーソン制度のさらなる拡充に加えて、各業界団体が実施している教育プログラムの相互利用などについても考えを述べた。「(公社)全日本不動産協会も“全日ステップアップトレーニング”という基礎研修を実施している。お互いの会員がお互いのプログラムを利用し合い、業界全体で資質向上を図っていく。将来的には統一した業界全体の教育研修プログラムも必要だと考えている」(同氏)。

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