不動産のリアルREALITY OF REAL ESTATE

  • 最終更新日:2022年1月20日
  • 公開日:2016年10月5日

不動産売買にかかる消費税とは? 知らないと損な税金事情

2016年9月26日、安倍晋三内閣総理大臣は、第192回国会における所信表明演説で、改めて消費税率引き上げの30ヶ月延期、平成31年10月1日の実施を明言しました。3年後には、現行の8%から10%に消費税率が引き上げられるため、駆け込み需要も増加するとみられ、東京オリンピック・パラリンピックへの期待感とともに、不動産需要は今後もしばらくは盛況であろうと予測されています。

 

しかし、一般的に不動産の価格は非常に高額であるため、現行の消費税率であっても取引に伴う消費税額もまた多額となり、資金調達やキャッシュフロー収益に大きな影響を与えます。不動産の取引にあたっては、係る消費税についてしっかりした知識を身につけることが重要なのです。

 
不動産売買 
(写真はイメージです)
 

消費税の課税対象の基本的な考え方

 

消費税の課税対象となる取引は、以下の要件を満たすことが、消費税法第4条で規定されています。

 

(1) 国内における取引であること
(2) 事業者が事業として行うものであること
(3) 対価を得て行われるものであること
(4) 資産の譲渡・貸付・及び役務の提供であること

 

この要件を満たし、非課税取引・免税取引・不課税取引に該当しない取引が、課税取引として消費税の課税対象となります。

 

非課税取引とは、課税の対象としてなじまないものや、社会的配慮から消費税の対象とならない取引を、消費税法第6条で定めたものです。土地はいくら使用しても消費されてしまうものではありませんから、土地の譲渡・貸付については、課税の対象としてなじまないとされており、非課税取引として定められています。また、人の居住用に供される住宅の貸付については、社会的配慮から、非課税取引に規定されています。

 

不動産売買と消費税

 

では、不動産売買に係わる取引について、どういう場合が消費税の課税対象になるのか、取引ごとにご紹介しましょう。

 

土地の売買、貸付については、前述の通りに規定されているので、非課税です。土地の権利である借地権や地役権の売買や貸付も、土地の取引とされ、非課税となります。ただし、土地についての役務(サービス)の提供は非課税取引とは規定されていないので、課税取引とされますから、注意が必要です。土地貸付の期間が1ヶ月未満の場合や、駐車場や遊戯施設など施設の利用を伴う土地の使用は、役務(サービス)の提供とみなされ課税の対象となります。また土地の売買・貸付に係る仲介手数料も課税取引となります。

 

建物については、非課税取引には規定されていないので、原則は課税対象となります。しかし、課税取引には「事業者が事業として行うものであること」という要件があります。そのため、建物については、売主が事業者であるかどうか、用途が事業用であるかどうかが、重要なポイントとなります。また、住居の貸付は非課税取引に規定されているため、住宅用の建物の賃貸料は非課税となります。

 

具体的な例を下記に列記することにしましょう。

(1) 売主が不動産会社などの事業者から購入した建物を売買する場合…課税
(2) 売主が個人で自宅として使用していた建物を売買する場合…非課税
(3) 住宅以外(事業用)の建物の購入       …課税
(4) 住宅の貸付                 …非課税
(5) 住宅以外の貸付               …課税
(6) 権利金・敷金・礼金(返却するもの)     …非課税
(7) 権利金・敷金・礼金(返却されないもの)   …課税
(8) 住民以外の管理者による管理費・共益費    …課税
(9) 建物の仲介手数料              …課税

 

不動産仲介手数料と消費税 注意すべきポイントは?

 

不動産売買の仲介手数料の上限価格は、簡易計算式を使用すると
(不動産売買価格)×3%+6万円
となります。

 

第1のポイントは、これは税抜き価格であるということです。仲介手数料は課税取引ですので、これに消費税相当額を上乗せすることを忘れてはいけません。初期投資の諸経費の見積もりに大きな狂いが出てきてしまいます。

 

第2のポイントは、計算式の前提となる不動産売買価格も、税抜き価格でなければいけない…ということです。不動産の物件価格は、総額表示(税込)の場合が一般的です。土地だけの売買の場合は、非課税取引ですから価格も非課税価格で表示されていますが、土地建物を合わせて売買する場合は、消費税込みの建物価格と非課税の土地価格が合算されて表示されています。したがって、仲介手数料を計算するときには、建物の税抜き価格を算出しなければなりません。

 

たとえば、土地:3,000万円、建物2,160万円、合計で5,160万円(税込)の売買価格の場合、仲介手数料上限額がいくらになるかを計算してみましょう。

(売買価格5,160万円×3%+6万円)×1.08%=173万6,640円としてはダメなのです。
正しい仲介手数料上限額の算出のためには、建物価格の税抜き価格を算出しなくてはいけません。建物価格の税抜き価格は2,160万円÷1.08=2,000万円となります。したがって(税抜き売買金額5,000万円×3%+6万円)×1.08%=168万4,800円が正解となります。5万1,840円も違いが出てしまいました。

 

この差異は、建物価格が高くなればなるほど広がってしまいます。悪質な不動産会社の中には、素知らぬ顔で税込価格をベースに仲介手数料を請求するところもあるかもしれません。思わぬところで損をしないように、仲介手数料と消費税の仕組みをきちんと理解し、ぜひご自身でチェックしてください。

 

早坂龍太(宅地建物取引士)
龍翔プランニング 代表取締役。1964年生まれ。1987年北海道大学法学部卒業。石油元売り会社勤務を経て、2015年から北海道で不動産の賃貸管理、売買・賃貸仲介、プランニング・コンサルティングを行う。
監修 :不動産流通システム

 

 

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